[管理番号:11439]
性別:女性
年齢:49
病名:
症状:
投稿日:2023年11月21日
田澤先生よろしくお願いします。
10月に左乳房部分切除をしました。
組織型;アポクリン癌
大きさ;0.7×0.6cm
T分類;pT1b
癌は乳腺内に限局しています
乳管内進展;(+) EIC;(-)
リンパ管侵襲;Ly1
静脈侵襲;v1 断端陰性
核グレード分類;核異型(3点)+核分裂(1点)=grade2
リンパ節転移;(-)、N分類;pN0 センチネル(0/1)
ER;陰性、PR;陰性
HER2;陰性(スコア1+)
Ki67はhotspotにて11%です
病理診断書にはアポクリン癌(pT1b,g,Ly1,v1,NG1,pN0)となってました。
現在放射線20回の治療中です。
脈管侵襲があったことで不安でたまりません。主治医からは「気にしてたらキリがないけど不安ならお守りがわりに1年間TS-1服用しますか」と提案されました。
オンコタイプDXは適応外とのことで自費でやるしかなく高額なのであきらめました。
①ステージ1と思っていいのでしょうか?再発、転移の可能性は高いですか?
②TS-1を服用したほうがいいですか?他のしっかりとした抗がん剤をしたほうがよいと思われますか?
抗がん剤はできればしたくないのが本音なのですがトリプルネガティブ、脈管侵襲ありと言われると冷静に考えられません。
主治医からは今後は毎月採血とエコーをして大丈夫そうなら間隔をあけると言われてます。
田澤先生でしたらどのような治療を提案されますか?
お忙しいところ申し訳ございません。よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
まず脈管侵襲は気にしないようにしましょう(私は全く気にしないし、考慮しません)
7mmのapocrine cancer しかもKi67=11%
⇒私なら無治療を勧めます。(患者さん自身の希望があれば抗癌剤の適応自体はある
ので拒絶はしませんが「こちらから」勧めることはないという意味です)
Apocrine cancerは特殊型の中でも「比較的増殖の強いタイプ」と「非常に大人しいタイプ」がありサブタイプはトリプルネガティブであることが殆どです。
乳癌診療ガイドラインでは「通常の浸潤性乳管癌に準じて」術後補助療法を選択するという記載があります。
⇒これに純粋に従うと(トリプルネガティブであれば)浸潤径5mm以上なら全例抗癌剤ということになりますが…
(トリプルネガティブだからOncotyepDXが使え無い以上)参考とすべきはKi67と考えます。
質問者のようにKi67が低値の場合には(ルミナールタイプでOncotyepDXがlow riskとなると抗癌剤の意味がないのと)同等と私は考えるのです。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2023/11/29
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