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乳がんの局所再発、HER2陽性の場合の治療法についてのご相談

[管理番号:11427]
性別:女性
年齢:59
病名:乳がんの局所再発
症状:術部表層10cm範囲に発疹、筋肉への浸潤なし
投稿日:2023年11月15日

田澤先生
ご経験と実績に基づくご説明、有難うございます。いつも勉強させて頂いております。

私は8年前乳がんを患いました。HER2陽性でしたがステージ1であったため、温存手術と術後の放射線治療とハーセプチンの投与をしました。その後の定期検査で今年の6月まで異常は認められなかったのですが、8月頃から術部周辺にできものが出来、組織検査の結果再発が判明致しました。

局所再発ですがHER2 3+、KI67 40%という結果でした。PET10や超音波の診察結果ではリンパや臓器への転移は認められておりません。
大学病院の先生の治療方針は、抗がん剤とハーセプチンの投与を2クール行った後に全摘手術ということでした。

抗がん剤投与の根拠は、HER2陽性でKI67の値も高いたため、がん細胞が血液に流れ出している可能性が高く、将来の臓器転移を防ぐためにやった方が良いと仰っていました。
術前化学治療の理由をお聞きしたところ、HER2に効く抗がん剤が2種類あり、術後投与では抗がん剤の選択ができないためだそうです。一方を2回投与後効果を測定して効くようであればそのまま投与を続け、もし効果が無いようであれば3回目からもう一方を投与するよう変更する方針だそうです。
その結果より良く効く抗がん剤を投与でき、血液中のがん細胞も退治できる可能性が増えるそうです。

田澤先生は局所再発の場合は抗がん剤の投与は必要ないとのことですが、HER2陽性の場合必要ないとお考えでしょうか。
また、術前化学治療も勧めておらせませんが、目的が再発予防のために効果がある薬を投与するためという方針はどのように思われますでしょうか。

私は出来る限り抗がん剤は避けたいのですが、再発のリスクを言われてしまうと恐ろしくなり悩んでおります。
お忙しい中大変恐縮ですが、ご助言頂けますようよろしくお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

★まず、一番の問題は(早期だからと言って)初回術後に「抗癌剤抜きでtrastuzumab 単独治療」をしたことです。
HER2タイプのHER2療法でエビデンスがあるのは「抗癌剤+trastuzumab」であり、(早期だからと言って)trasutuzumab単独は誤りなのです。

田澤先生は局所再発の場合は抗がん剤の投与は必要ないとのことですが、HER2陽性の場合必要ないとお考えでしょうか。
⇒★でご理解いただけましたか?
質問者は「本来やるべきだった」抗癌剤未治療となります。よって、今回(局所再発の)術後に抗癌剤(+trastuzumabとなります)は絶対に必要なのです。

また、術前化学治療も勧めておらせませんが、目的が再発予防のために効果がある薬を投与するためという方針はどのように思われますでしょうか。
⇒ナンセンス!
まずは手術⇒その後に抗HER2療法です。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2023/11/24
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