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抗がん剤中の脇の下としこりの痛みについて

[管理番号:11425]
性別:女性
年齢:62
病名:
症状:
投稿日:2023年11月13日

いつも乳がんプラザにはお世話になっております。
家族の代理での質問です。

現在、乳がんルミナルbステージ2b-3aと診断され、術前化学療法中です。
(DTX→ddEC)

ドセタキセルは非常に効果があり腫瘍の縮小がかなり見られました(最大サイズが3.5cm→1.4cm)、その後ECに代わってからは腫瘍サイズにあまり変化はありません。
また、最近乳がんの診断前にあった胸のしこりと脇の痛みが復活しているようで、抗がん剤が効かず腫瘍が増大しているのではないかと不安になっています。
閉経後なのでホルモンの影響でしこりや脇が痛むことはそれほどないと思うのですが、抗がん剤中にはよくある症状なのでしょうか。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

閉経後なのでホルモンの影響でしこりや脇が痛むことはそれほどないと思うのですが、抗がん剤中にはよくある症状なのでしょうか。
⇒痛みと癌は無関係なので「痛みがあるから悪化している」と考える必要はないでしょう。(術前抗がん剤中で、定期的にエコーで確認しているのであれば、その結果を信用しましょう)

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2023/11/22
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質問者様から 【質問2】

原発には効果あったが他臓器転移した例
性別:女性
年齢:62
病名:浸潤性乳癌癌 stage2b-3a
腫瘍径合計4cm~5cm超? (右乳房内複数腫瘍)
ルミナルb ki=60 40%

リンパ転移あり
症状:
投稿日:2023年11月22日

田澤先生、お世話になっております。

前質問でも書いた通り、右乳癌stage2b-3aと診断され、術前化学療法としてDTX-ddECの治療を4クールずつ行いました。
いよいよ手術ということで術前CTをとったところ、原発の乳腺は元々5cm前後→1cm程度に縮小、リンパ節は画像上癌は消失、となりましたが、肝臓に多発転移の疑いがあるため手術は中止、PET検査で転移を精査してから今後の治療法を考える方針となってしまいしました。CT画像上は肝臓以外の臓器に所見はありません。

1)主治医の話では原発および腋窩リンパ節に抗がん剤の高い効果が見られるにも関わらず他臓器に転移疑いが見られる例は初めてとのことでした。田澤先生のご経験でもこれは稀なケースなのでしょうか。
2)肝転移(および残存原発)に対する治療は医師によって違うかもしれないと言われましたが、田澤先生でしたらどのような治療法を選択されますでしょうか。

(今の主治医であればまずはホルモン療法で様子見→効かなければベージニオ、とのことです)

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

1)主治医の話では原発および腋窩リンパ節に抗がん剤の高い効果が見られるにも関わらず他臓器に転移疑いが見られる例は初めてとのことでした。田澤先生のご経験でもこれは稀なケースなのでしょうか。
⇒稀だとは思いますが…

 そもそも私は無意味な術前抗がん剤は行わないので(温存希望もしくは手術不能が本来の適応)殆ど経験しないケースと言えます。

2)肝転移(および残存原発)に対する治療は医師によって違うかもしれないと言われましたが、田澤先生でしたらどのような治療法を選択されますでしょうか。
(今の主治医であればまずはホルモン療法で様子見→効かなければベージニオ、とのことです)

⇒多発肝転移であれば抗癌剤(anthracycline, docetaxelでの増悪なので)
bevacizumab+paclitaxelを選択します。(目標はcCR)⇒その後にpalbociclib+
hormone therapyとします。
★hormone 単剤はありえません。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2023/12/12
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質問者様から 【質問3】

腫瘍マーカーCEAの基準値について
性別:女性
年齢:62
病名:
症状:
投稿日:2024年03月18日

お世話になっております。前回は丁寧なご回答をいただきありがとうございました。
前回質問の状況の後、PET-CT・腹部エコー・造影MRIをした結果全てに所見が出ず、
肝臓は薬剤による軽い炎症か造影ムラだろうとの結論になり、12月に乳腺全摘+リンパ節郭清の手術を受けることができました。

抗がん剤前→術後で
T2-3M1→T1N0になりましたので、効果があったと思われます。
その後、ホルモン療法とTS-1服用になり、現在3クール程終了したところです(TS-1の服用は先生のお考えとは異なる旨は承知しておりますが、議論しないものとさせてください)

今回は腫瘍マーカーの推移についてです。
CEAの値が初診時3.5→2023/11(抗がん剤終了直後)3.9→2024/2(術後約2ヶ月後、TS-1とホルモン療法1クール終了後4.0→2024/3 (3クール終了後)6.2といきなりジャンプアップしております。
CA15-3は上記4回で6-11あたりをジグザグとしています(最新は9程度)。主治医の先生は測定誤差もあるから次回もう1度測定しましょうね、という雰囲気でそれ自体は納得です。

・過去の質問で「腫瘍マーカーは個人の基準値がある、基本は手術後の値を基準とする」と先生は常々お書きになられていますが、この場合(術前抗がん剤がある場合)はどのタイミングが基準値で、どのあたりの数値から気にすれば良いのでしょうか。
・色々な方の質問を見ていると、最初からCEA3.5-4は非喫煙者としてはかなり高いように思います。喫煙以外の上昇要因はあるのでしょうか。
・血液検査上肝臓の値に異常はないのですが、TS-1の影響で腫瘍マーカーが上がることもありますか?

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

CEAについては…(CA15-3ほどではないにせよ)抗癌剤による影響を受けることはしばしば経験します。

術前抗がん剤⇒(肝転移疑いとなったということは)脂肪肝ということでしょう。
脂肪肝で更にTS-1(経口とはいえ、抗癌剤です)を行っているのだから、(転移を疑うよりも)TS-1の影響(もしかするとホルモン療法の影響も加わっている可能性あります)を考えます。

★いずれ手術前にPETを含め様々な検査をしているのだから様子見となるのは当然だと思います。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/3/26
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