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タイプの違う局所再発に対する治療方法について

[管理番号:11350]
性別:女性
年齢:33歳
病名:左胸乳がん
症状:原発:左胸乳がん(25㎜)
   ホルモン受容体陽性(ER 70%、Pgr 1‐5%)
   HER2 陰性、Ki67  約50%
再発:胸骨傍リンパ節
   トリプルネガティブ
  
   
投稿日:2023年09月29日

セカンドオピニオン先の病院と元の病院で今後の治療方針についての考えが異なるため迷いが生まれており、切実な思いで質問いたします。
田澤先生でしたら、以下の場合どのような治療を勧められますか。
ご回答を頂きたく、よろしくお願いいたします。

<経緯>
昨年8月、左胸乳がんと診断されました。
全摘手術を行い、腋リンパ節への転移はありませんでした。
術後、TC療法を4クール(3か月)行い、ホルモン受容体陽性との診断でタモキシフェンの服用もしていました。
今年7月末、1年検診のエコーにて、胸骨傍リンパ腫大が見られたため生検、再発と告知されました。PET-CTの結果、他転移は認められず、局所再発との診断でした。
この箇所について手術をするかどうか主治医よりセカンドオピニオンを勧められ、セカンドオピニオン先の病院で手術はすべきであり当院で手術可能との回答をもらいました。
セカンドオピニオン先の病院が県外で遠方だったため、手術後の治療は元の病院で行いたい意思を伝え、手術をお願いしました。
手術は胸腔鏡手術で行われ、綺麗に取り去ったとのことでした。
病理の結果、今回のリンパ転移のものはトリプルネガティブであると言われました。
この結果を踏まえて、セカンドオピニオン先の担当医師からは、以下の治療を勧められました。
・放射線治療
・ホルモン療法(タモキシフェン→アナストロゾール+リュープリン注射に変更)
抗がん剤については、「原発:ホルモン受容体陽性だったが、再発:トリプルネガティブである。再発がホルモン受容体の場合は抗がん剤を勧めたが、極めて珍しい症例であり、効果があるという証明ができない。抗がん剤のリスクを考えると、使用することはマイナスである」との考えで勧められませんでした。
この診断を以て元の病院に今後の治療方針についてお話しに行くと、放射線治療とホルモン治療についての考えは同じ、抗がん剤はAC療法を行いたいとの考えでした。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

再発病巣がトリプルネガティブなのだからホルモン療法を行うこと自体ナンセンス放射線治療後の治療としては抗癌剤となります。
再発治療なので「どこまで積極的にやるか?」は質問者の「モチベーション次第」となります。

まずは(TC既治療なので)当然anthracycline(AC / EC)となります。
もしも、(根治のために)できるだけ頑張りたいという意志があれば、上記anthracyclineの後に(PD-L1抗体を測定したうえで、もしも陽性ならば)免疫チェックポイント阻害剤(pembrolizumab/atezolizumab)も検討すべきでしょう。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2023/10/10
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