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左胸全摘後の放射線治療(PMRT)要否

[管理番号:11333]
性別:女性
年齢:48歳
病名:
症状:
投稿日:2023年09月19日

田澤先生こんにちは。いつも拝見させていただき、勇気をいただいております。

4月に、左胸全摘(術中にリンパ節転移が1つあった為リンパ節レベル2まで郭清)、6月より化学療法TC4クールを実施し8月後半に終了、化学閉経しています。
今後はタモキシフェン服用予定でしたが、センチネルリンパ節に1つ転移があった事と脈管侵襲が中等度だったことを理由に「胸壁と鎖骨上の放射線照射をおすすめはする、放射線をかけることによりもはや局所再発だけでなく遠隔再発を防ぐメリットがある」、と主治医からは言われました。「放射線による副作用は多くの人が実施されているので心配しなくて大丈夫」と副作用についてはそう言われたのみです。治療受けるかよく検討して来てくださいと言われ戸惑っています。
放射線治療を受ける場合は、放射線治療の後でホルモン剤服用になるとの事。

副作用については、皮膚炎のほかリンパ浮腫や肺臓炎などのリスクがあると知り、また左胸であり心臓への影響もあるのではないかと心配です。
今でも抗がん剤の影響で左腕が若干ですがむくみやすかったり内側の神経が痛かったり程度はあります。
放射線を受けるベネフィットを自分で考えても自分の再発率がどのくらい下がるのか検討がつかないので、ご相談させてください。

①田澤先生は、センチネルリンパ節転移1 、リンパ管侵襲ありの場合、術後、抗がん剤後の放射線は積極的に勧められますか。
②もし勧められる場合それは局所再発を防ぐという観点からでしょうか。
③腫瘍径もそれほどまだ大きくなく、ルミナールAでKi値が低いおとなしい癌であるのにも関わらず転移しているということの理屈がよく分からず、予後が良くないのでしょうか。

手術前はホルモン剤がよく効くおとなしいタイプの癌でリンパ節転移無しと聞いていた事もあり、悩んだ末全摘で乳腺も取っているので、ここまでフル治療になるとも正直思っていませんでした。
局所再発自体は少ないのではないかと当初はやや楽観的に(前向きに)考えていましたが、リンパ節転移1つとリンパ管侵襲によりリスクがかなり上がるものなのでしょうか。

抗がん剤で全身治療もやったし放射線によるメリットが小さなもの(それほど大きくない)であるなら副作用を考えやりたくないとも思ってしまい、考えあぐねています。
恐縮ですが、ご意見の程、何卒よろしくお願いいたします。

ステージ2A
左E領域
ルミナールA
浸潤性乳管癌硬性型
浸潤径12ミリ?8ミリ
切り出し図で計測した浸潤巣の広がり:13ミリ
センチネルリンパ節転移1つ
L1~12 12分の1
転移巣7ミリ
Ly1 moderate,V0
Ki 9%
ER:PS 5 IS 3
PR:PS 5 IS 2
HER2:1+
オンコタイプDX RS14
9年遠隔再発率14%
核グレード1
組織学的グレード1

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

全摘後の照射 PMRT(postmastectomy radiation therapy)の適応は
1.リンパ節転移4個以上
2.ly3以上

上記と思います。
質問者は当てはまらない(リンパ節転移1個、ly3ではない)ので私ならPMRT
勧めません。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2023/9/27
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