[管理番号:11256]
性別:女性
年齢:35
病名:肉芽腫性乳腺炎と結節性紅斑
症状:左胸の腫れ、乳頭の引き込み、腕と足の紅斑
投稿日:2023年08月04日
今週の水曜日に肉芽腫性乳腺炎の確定診断を受けたものです。
今回の症状で江戸川病院にたどり着くまで1ヶ月半、他2ヶ所の病院で診てもらいましたが「悪性ではないが炎症が続いている」という曖昧な回答を不安に思い検索魔になっていたところ、乳癌プラザのブログを見つけました。他の病院のレポートも参考にし自分の中で「肉芽腫性乳腺炎」の症状が1番当てはまったので炎症がそこまでひどくなる前に江戸川病院で診てもらう事ができました、感謝しております。
今後ともよろしくお願いします。
次回の診察にあたり2件質問があります。
①最近炎症のある側の胸の乳頭が中に引き込まれていっています。これは肉芽腫性乳腺炎でもよく見られる現象でしょうか?
②江戸川病院で初診の2日前(1番胸の炎症が強かった頃)に大学病院で、血液検査、尿検査、胸部レントゲンを撮りました。これらの情報を次回の診察時に先生へ何か紹介状等で共有してもらう必要はありますか?
またここからは、初診時にはお伝えしきれなかったこれまでの経緯です。
※もし他の方の参考にもなれば幸いです。
発端は左胸のチクチクした痛みと高熱(38.6℃)倦怠感でした、最寄りのクリニックの乳腺外科ですぐにエコー、マンモ、血液検査をしてもらい「乳腺炎」の診断でした。その後抗生剤と漢方で様子見となったのですがそらから1ヶ月で左胸がどんどん岩のような塊りになり痛みと倦怠感が増してきました。そのためもう一度クリニックでエコーをしてもらいその場で針生検となりました。生検結果を待つ間今度は全身脱力関節痛が出てきてまたクリニックを受診したところ、「病理検査の結果は悪性ではなかったのでやはり炎症ですね、関節痛や全身倦怠感についてもう少し詳しく診てもらったほうがいので大学病院に紹介状を書きましょう」と言われ、抗生剤と少量のステロイドを処方してもらいました。家に帰って病理検査の紙を自分で和訳してみたところ、やはり【肉芽腫性乳腺炎疑い】と書いてありました。
大学病院の予約を待つ数日間に結節性紅斑も出だし、足が痛すぎて痛み止め無しでは歩けない状態になりました。
どうか大学病院で診断を付けてもらいたいと受診しましたが、診てくれた先生はエコーもせず触診のみで前に「ステロイド少し効いた気がするならもう少し多めに出しますけどどうしますか?肉芽腫性炎かはかなり稀なので不明ですが私は診た事がありません。それから足の湿疹は乳腺外科では分からないので町医者の内科とかで相談してください。」となんとも絶望的な回答でした。
その後なんとか同じ病院のリウマチ内科を紹介してもらい、足の紅斑を診てもらって念のため色々検査しましょうとのことで血液検査、尿検査、胸部X線検査をしました。
乳腺外科からほぼ何も説明のないまま受け取ったステロイド薬だけをこのまま飲み続けてもいいものか不安に感じていたのでやはり、江戸川病院に連絡してみようと思い立ったのが火曜日で幸い次の日は予約無しで初診を受け付けていただける水曜日でした。それが先生から確定診断を聞けた今週の水曜日です。
長くなりましたが突然紹介状もないまますぐに診断を付けてくださり本当にありがとうございました。引き続きよろしくお願いします。今度は市川に伺います。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
回答というよりは…
少々、参考となることをお話ししましょう。
まずは(随分、昔となりましたが…)今週のコラム42を読んでみてください。
この中の記載に「皮膚科紹介」とありますが、(実際はこの記載では端折っていますが)下肢に皮疹があり(それで、前医の担当医は)皮膚科を紹介しているのです。
その皮膚科での自己抗体だなんだと検査漬けで何ら解決しない診療は読んでもらえば想像つくでしょう。
私の経験では無論全員ではありませんが、症状が特に強い人の中で20%程度にこのような下肢の皮疹(皮疹があるだけでなく、寧ろそちらの疼痛症状の方がメインとなるくらい)を伴っていることに気付いていました。
★言い訳となるかもしれませんが…
私は皮膚科医でも(無論)無く、更に言えば(乳がんプラザのお陰?で肉芽腫性乳腺炎を日本一診ているとは思いますが)あくまでも「乳癌診療に比べれば圧倒的に」関心が薄いのはこれまた事実です。(スミマセン)
なので結節性紅斑(類似?)症状の合併がどういう意味を持つのか?についてはさほど気にしないようにしていました。(実際に肉芽腫性乳腺炎の治療としてステロイド投与すると、下肢の症状の方が速やかに軽快します)
結節性紅斑を調べると「炎症性疾患」や「自己免疫疾患」に出やすい(一つの原因ではなく、それらの結果として起こる)皮下脂肪に炎症がおこり結果として皮膚に結節が起こるとあり、更に難治性の場合にはステロイドが効果的のようなので、まさに合致します。
私なりの結論として
乳腺に起こる(無菌性で)ある程度自己免疫が関連して起こる肉芽腫性乳腺炎に、(炎症性疾患や自己免疫疾患に伴って起こりやすい)結節性紅斑が時に合併する。
そして、(合併したとしても)治療は(どちらも)ステロイドなので、(結節性紅斑を気にする必要は無く)肉芽腫性乳腺炎の治療をすればよい
是非、参考にしてください。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2023/8/14
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