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術後の補助療法について

[管理番号:11103]
性別:女性
年齢:52
病名:浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2023年5月16日

はじめまして。
よろしくお願い致します。

右乳腺を全摘出、センチネルリンパ節に2個転移ありで腋窩郭清しました。

浸潤径:80×27㎜
ER:90%以上、PgR:70-80%、HER2:1+、Ki67:5-10%
Nuclear grade:1、核異形度:Score 2、核分裂像:Score 1
sn(2/6)+n(0/18)

オンコタイプDXの結果:RS 7、9年遠隔再発率 11%、
化学療法の明らかな上乗せ効果なし

術後の補助療法について、主治医からはタモキシフェン10年に加え
ベージニオを2年か、またはTS-1を1年の併用をすすめられました。

リンパ節に転移があり、浸潤径が大きいという理由からですが、病理所見では
「E-cadherinが核に陽性を示すなど、部分的には小葉癌的な要素を含んでいる。」
「浸潤径をどのように計測するのかは判断が難しい」との記載もありました。

個人的にはタモキシフェンとLH-RHアゴニスト(50歳以上ですが閉経前)で卵巣の機能を抑制するのが補助療法としていいような気がしますが
主治医からは選択肢の一つではあるが強くすすめないと言われました。

TS-1は経口であっても抗がん剤には変わりないので、オンコタイプの結果から効果がないのでは?と質問すると、オンコタイプの調査には含まれていない抗がん剤なので別物として考えてくださいと言われましたが、そうなのでしょうか?

小葉がん的要素を含む判断の難しい浸潤径であっても、80×27㎜ならばハイリスクとしてベージニオの適用となり効果が見込めるのでしょうか?

タモキシフェンに加えるとしたら、LH-RHアゴニストよりも
ベージニオまたはTS-1の方が再発転移率を抑えられると思われますか?

田澤先生はどの補助療法が最適だとお考えになりますか?

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

TS-1は経口であっても抗がん剤には変わりないので、オンコタイプの結果から効果がないのでは?
⇒その考え方で間違いありません。
私であれば(TS-1は)決して勧めません。
★適応外ではないので主治医が誤りだという訳ではありません。(念のため)

田澤先生はどの補助療法が最適だとお考えになりますか?
⇒質問者はpN1及び浸潤径5cm以上ということでabemaciclibの術後補助療法の適応基準を満たしています。

私であれば、迷うことなく
Abemaciclib+letrozole+LH-RH agonist 2y ⇒tamoxifen + LH-RH agonist(まずは3y) とします。
因みに、術後補助療法としての適応はmonarchE試験での結果を受けています。
この試験で併用しているホルモン療法については(再発ではなく)術後補助療法としてのホルモン療法剤なので、(添付文章での制限はありませんが)tamoxifenやaromatase inhibitorとなっています。無論閉経前であればLH-RHagonistを併用するのが一般的(Fulvestrantを用いても適応上問題無いとは思いますが、厳密に臨床試験とは異なる)

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2023/5/24
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