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術中にあった腫瘍が永久標本で消えている場合

[管理番号:10644]
性別:女性
年齢:36
病名:乳がん
症状:
投稿日:2022年10月6日

田澤先生

こんにちは。
病気が発覚してから、毎日のようにQ&Aを拝見しています。

先生のお言葉に勇気づけられる日々です。

本日は以下の二点について、先生にお聞きしたいことがあり投稿いたします。

一、病理結果の意味:術前化学療法はほぼ完全奏功という認識でよいのか

二、術後化学療法減量:カドサイラを2回目から減量することになったが、治療効果は問題ないのか

昨年末にルミナルHer2腋窩リンパ転移ありと診断され、術前にAC療法とドセハーパーを行い、先月に手術を終えました。

病理結果は以下の通りになりました。
Atypical cells seen in frozen section, see comments

Status: Post neoadjuvant chemotherapy; Histological tumor

Regression grading: Grade 2b

Surgical margin: Negative

Lymph node: Metastasis negative

リンパ節転移 # level 1(0/13),#level2(0/3) ypTmiN0M0

また、病理報告を読むと、尾側について、迅速は一度目はAtypical
cell、二度目はnegativeとなっています。
このAtypical cellについて、迅速時には1mm未満の病変があり湿潤癌としているが、永久標本では消失しており腫瘍か非腫瘍かの判断ができないと報告されています。

病変は消失しており、追加検討が困難と書かれています。

これは、術前化学療法がほぼ完全奏効しており、迅速診断で腫瘍と思われたものが術後に消えてしまっている、という認識でよいのでしょうか。

この後放射線をうける予定なのですが、「断端近接なのでブースト」といわれています。

術後の病理で、自分の癌についてもう少し詳しいことがわかるかと思ったのですが、腫瘍が残っていないのでわからないとのことで、それだけ聞けば良いようにも思うのですが、断端近接といわれると、再発率が高いようにも思えます。

この結果について、田澤先生の所見をお聞かせいただければ幸いです。

また、腫瘍が残っていたとのことで、術後にカドサイラをすることになったのですが、赤血球が激減したため、二回目からは減量することになりました。

カドサイラを減量すると、やはり効果は少なくなるものなのでしょうか。

自分で調べたところ、一度減量すると再度増加はできないとも聞き、少々今後が不安になっております。

AYA世代なので、まだ親も健在、できれば親にこれ以上心配をかけたくもなく、親より長生きしたいと願っています。
お忙しい先生のお手を煩わせ大変申し訳ないのですが、よければコメントいただけないでしょうか。
涼しくなってきたので、どうぞご自愛専一にお過ごしくださいね。

いつも癌に関するコメントや回答を発信していただき、ありがとうございます。

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

これは、術前化学療法がほぼ完全奏効しており、迅速診断で腫瘍と思われたものが術後に消えてしまっている、という認識でよいのでしょうか。
⇒解釈のニュアンスが異なるようです。

実際は迅速診断で「1mm未満の浸潤癌と判断」はしたものの、(病変が小さすぎて)永久標本では確認できない状態。
何故なら「迅速診断は信頼度が永久標本に劣る」からです。
これ以上は(病変が失われた以上)突き詰めようがないので「不確かながら」迅速診断での判断を尊重しypT1miとしているためグレード3(完全緩解)とはせずにグレード2bとしているのです。

この後放射線をうける予定なのですが、「断端近接なのでブースト」といわれています。
この結果について、田澤先生の所見をお聞かせいただければ幸いです。

⇒ほぼ完全緩解なのだから、「そもそも」ブースト不要では?(温存乳房内再発率は高くはありません)

また、腫瘍が残っていたとのことで、術後にカドサイラをすることになったのですが、赤血球が激減したため、二回目からは減量することになりました。
カドサイラを減量すると、やはり効果は少なくなるものなのでしょうか。

⇒そもそも、「完全緩解」と判定されればT-DM1の適応はなくなるのだから、
(つまりT-DM1の適応ギリギリなのだから)減量投与で十分でしょう。
★この結果だと「ほぼ完全緩解」として(T-DM1ではなく)
trastuzumab+pertuzumabとしてもいいということです。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2022/10/18
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質問者様から 【結果2】

管理番号10644について、お礼
性別:女性
年齢:36
病名:乳がん
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]

管理番号10644で質問したものです。
先日先生から回答いただき、疑問が解決いたしました。 
お忙しい中お答えいただきありがとうございました!
とにかくお礼をお伝えしたかったのですが、こちらでお礼するのが不適切でしたら申し訳ありません。
ありがとうございました。

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【結果】の送信は、【質問】として扱わないので
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2022/10/18
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