[管理番号:10420]
性別:女性
年齢:81歳
病名:混合型粘液癌
症状:
投稿日:2022年7月6日
81歳 右乳房全摘手術
浸潤型乳管癌(混合型粘液癌)
大きさ(浸潤径):13×9mm
拡がり:22×15mm(乳頭直下の乳管に拡がり有り)
脈管侵襲:無し
核異型度:2
組織学的異型度:2
Ki67:約10%
ER:+99%(陽性)
PgR:+80%(陽性)
HER2:0(陰性)
センチネルリンパ節転移:無し(0/2)
切除断端:陰性
病期診断:T1c、N0,1a
1 混合型粘液癌は珍しい乳がんとのことですが、生存率や再発率といった予後はどうなのでしょうか?
2 今後の治療法としてはホルモン療法のみがよいでしょうか? それとも、オンコタイプDXの検査をして抗がん剤の使用も検討する方がよいでしょうか?
3 ホルモン療法において、抗エストロゲン薬とアロマターゼ阻害薬、どちらを第一選択にする方がよいでしょうか?
4 粘液癌はリンパ行性転移より血行性転移の方が多いようですが、今後の検査の間隔・頻度と検査方法はどのように行われるのでしょうか?
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
ネットの不愉快かつ不正確な情報に振り回されないようにしましょう。
混合型粘液癌は「珍しくも何ともない」ものです。
1 混合型粘液癌は珍しい乳がんとのことです
⇒全くの誤り(冒頭参照)
が、生存率や再発率といった予後はどうなのでしょうか?
⇒予後良好です。
2 今後の治療法としてはホルモン療法のみがよいでしょうか? それとも、オンコタイプDXの検査をして抗がん剤の使用も検討する方がよいでしょうか?
⇒100% ホルモン療法のみです。
むしろ(私であれば)80歳代ステージ1であれば、(患者さん自身が乗り気でないなら)無治療で了解します。
★ましてや、80歳代ステージ1で、術後補助療法として抗がん剤を選択することは(私には)あり得ません。(主治医が、もしも抗がん剤の可能性について言及したら、それは非常識と思います)
3 ホルモン療法において、抗エストロゲン薬とアロマターゼ阻害薬、どちらを第一選択にする方がよいでしょうか?
⇒ホルモン療法行うのであれば、敢えて抗エストロゲン薬にする理由がありません。
当然アロマターゼ阻害薬です。
4 粘液癌はリンパ行性転移より血行性転移の方が多いようですが
⇒考えすぎ!
今後の検査の間隔・頻度と
検査方法はどのように行われるのでしょうか?
⇒半年に1回程度の腫瘍マーカー採血で十分です。(無治療ならば1年に1回でもいいでしょう)
ご参考に
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2022/7/14
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