[管理番号:10146]
性別:男性
年齢:43歳
病名:乳がん
症状:
投稿日:2022年3月13日
はじめまして。
乳がんと知ってから、全摘をしようと決めてました。
ステージ1 転移なし
左側 上内部に1.5㌢ほどの腫瘍
乳頭に近いようです
検査結果
組織学的グレード2
核異型スコア2
腺管形成スコア3
核分列像スコア3
ER:8 PGR:8 HER2:1+
MIB:30%
担当医には温存も出来るとは言われました
乳頭に近いため、6センチ 切り取るので乳頭が取れてしまう場合があ
ると言われました。
胸の変形もあると。
それでも全摘と考えておりました。
それが日に日にステージ1で転移なしなのに全摘することが正解なのか
と悩み始めました。
質問です。
早期発見で全摘はどうなんでしょうか?
私は力仕事をてます。
術後は重いものを持たないようにと言いますが
全摘すると持てなくなるのですか?持ってはいけないんですか?
温存ならそれが大丈夫なんですか?
自分の決めたことに自信が持てなくて。
よろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
失礼ですが…
質問者には重要な「視点」が欠けています。
それは「乳腺」と「リンパ節」を明確に分けることです。
★これを「ごちゃ混ぜ」にすることによる混乱が見受けられます。
〇 ステージ
ステージは「腫瘍(浸潤径)の大きさ」と「リンパ節転移の程度(個数)」により規定されます。
「腫瘍径1cm」「リンパ節転移4個」でもステージ3A
「腫瘍径6cm」「リンパ節転移1個」でもステージ3A
乳腺の術式(全摘? 部分切除)には「リンパ節転移は無関係」あくまでも「乳腺内の腫瘍の拡がり」だけが関係します。
つまり上記(上)であればステージ3Aだけど「十分に温存可能」となります。
それに対し、ステージ1であっても「腫瘍が乳頭に近い」など「部位の問題で安全に乳頭を残せない⇒全摘を勧める」というケースはあり得ます。
★★質問者のケースはこれでは?(担当医のコメントを見る限り)
早期発見で全摘はどうなんでしょうか?
⇒上記の通りです。
例え1期であっても、腫瘍の位置によっては(安全に部分切除した後の)整容性が保ちにくい=全摘の方が無難 というケースもありえるのです。
逆に、例え3A期であっても(リンパ節転移は全摘や部分切除とは無関係なので)腫瘍径が小さければ温存可能となります。
★★★ つまり乳腺の術式(全摘or 部分切除)は、(ステージではなく)あくまでも「腫瘍の拡がり、および(乳頭との)位置関係」による選択となるのです。
「全摘すると持てなくなるのですか?持ってはいけないんですか?温存ならそれが大丈夫なんですか?」
⇒これも「全くの」理解不足(失礼!)です。
乳腺を部分切除しても全摘しても「腕は無関係」、 腕と関係するのは「腋窩郭清となったかどうか?」だけです。
質問者は乳腺を(部分切除しても全摘しても)腋窩は「センチネルリンパ節生検」となる筈だから、そこは心配ありません。
以上、「乳腺とリンパ節は別々に理解」することが重要です。