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ホルモン療法でLH-RHagonistの併用は必要か、タモキシフェン服用による子宮体癌のリスクについて

[管理番号:10034]
性別:女性
年齢:35
病名:乳がん
症状:
投稿日:2022年1月25日

トリプルポジティブ、ステージ2a(術前化学療法前の針生検)で、術前化学療法と手術を終え、まもなくホルモン療法がスタートする予定です。
現在、35歳ですが、3月に36歳となります。

以下、ご教示いただきたいことがあります。

【1】妊娠中に告知され、妊娠を継続しながらAC療法を行いました。

出産して1ヶ月半経った頃(化学療法のタイミングとしては、ドセタキセル、ハーセプチン、パージェタを初回投与して5日経過した後でした)に5日間ほど続く出血がありました。

乳腺外科では、抗がん剤をしたら普通は生理は止まるということで、不正出血の可能性も考えて婦人科を受診することを勧められましたが、婦人科では、生理が再開したのでは?と言われました。

その後、乳腺外科の上記とは別の医師からは、タキサンになったら生理が再開することもあると言われ、皆見解がバラバラでした。

その後、茶色いおりものが数回あり、婦人科では、産後で生理が整っていないだけで、じきにきちんとした生理が来るのでは?と言われましたが、それ以降(3ヶ月経過)は生理も出血も起きていません。

化学閉経しているのか、産後生理が上手く戻ってきていないだけなのか、今の状態がよく分かりませんが、私の年齢では自然閉経はしていないものと考えて、タモキシフェンにLH-RHagonist併用が良いのでしょうか。

LH-RHagonistが併用になる条件は先生のコラムで勉強させていただいたつもりですが、産後という状況もあり、ご教示いただけますと幸いです。

【2】タモキシフェンによる子宮体癌のリスクについて、主治医からは50歳以下はタモキシフェンを飲んでいない人と比べてもリスクは変わらないし、検査しても見つかるのは1-2%と少ないため、検査が侵襲的であることを考えると、3ヶ月に一回、半年に1回のペースなどで検査することはあまりすすめないと言われました。
田澤先生は1年に一回の検査をするようコラムに書かれていますが、主治医の意見についてはどのようにお考えでしょうか。
最終的には婦人科領域になるかもしれませんが、3ヶ月、半年ごとなどに子宮内膜の厚さをチェックしてもらい、体癌の検査は1年に一回というのが良いのでしょうか。

お忙しいところを恐れ入りますが、何卒よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

「【1】妊娠中に告知され、妊娠を継続しながらAC療法を行いました。
出産して1ヶ月半経った頃(化学療法のタイミングとしては、ドセタキセル、ハーセプチン、パージェタを初回投与して5日経過した後でした)に5日間ほど続く出血」

⇒これは、「100%間違いなく」婦人科医の言う通り(化学療法閉経の状態から、卵巣が賦活して)中途半端な月経が起こった
  ↓
 その後は、タキサンによる「卵巣毒性」で再度「化学療法閉経の状態となっている」だけです。
★申し訳ありませんが…

 そんなことも解らない乳腺外科医は失格ですね。

★★主治医の意見など(私には)全く興味はなく…

Docetaxel+trastuzumab+pertuzumab⇒(docetaxelが4回終了して)
trastuzumab+pertuzumabとなった時点でtamoxifenを併用し、 その後月経が再開したらLH-RHagonistも併用しましょう。
★★★35歳という年齢からは、「ほぼ確実に」月経は再開すると思いますが、LH-RHagonist併用は「それからで十分」です。
ご参考に。