[管理番号:9996]
性別:女性
年齢:42
病名:浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2022年1月11日
初めてご相談させて頂きます。
現在アメリカで治療を行なっており、日本とアメリカとで治療法や考え方も異なる場合もあるかもしれませんが、ご意見お聞かせ頂けますと幸いです。
2021年8月末にステージ1の浸潤性乳管癌と診断され、術前MRIでは2センチ程度の腫瘍が1つのみとのことでした。
自らの希望で皮下乳腺全摘手術、同時再建を行いましたが、術後の病理検査では一番大きなものが3.8センチ、また2番目に大きなものが1.5センチあり、その他1-8ミリのものが14個も散らばっている状態だったようです。
センチネルリンパ節生検も術中は転移無しとのことでしたが、術後の病理検査の結果では0.5ミリと0.55ミリのマイクロ転移が2つ見つかったようです。
リンパ節郭清は行っておりません。
ステージは2となりました。
また全摘を行なったにも関わらず断端陽性となっており、筋肉側が
Invasive carcinoma is present at the posterior margin (multiple foci)
とのことで、断面そのものに腫瘍があるようです。
手術の執刀医は全てを取り除いたので追加手術は不要、これ以上取るには筋肉にメスを入れることになる。
筋肉にメスを入れても再発や予後は変わらないとのことで再手術は不要とのことでした。
しかし断端陽性がとても不安になり、セカンドオピニオンを受けました。
結果、断端陽性は無視できるものではないとのご意見で、セカンドオピニオン先の手術医により再手術を行うこととなりました。
再手術のタイミングについてセカンドオピニオン先の手術執刀医、今の病院の腫瘍医との話し合いを経て、抗がん剤後に再手術という流れになりました。
この時点で術後1ヶ月半が経過しており、腫瘍医は再手術を行うと抗がん剤が延期になることを懸念してのことでした。
術後の病理検査の結果からKi-67スコアがとても高く(5-50%)、ルミナルBだろうとの判断でした。
ERは70%(1-2+)、PRは80%(2+)となっており、総合グレードは2です。
オンコタイプ検査も行い、RSスコアが29、9年以内の再発率は23%との結果でした。
上記のことから、TC療法4サイクルをまずは行うことになりました。
もし私が副作用や体調面で問題無さそうなら、6サイクルまで増やすことも考えても良いかもしれないとのことでしたが、3サイクル目を終えて暫くして細菌からの感染症になり、また蕁麻疹も出たことで4サイクルで終えることになりました。
長くなりましたが、先生のご意見をお伺いしたいのは、このTC療法の4サイクルについてです。
私の腫瘍医も4サイクルと6サイクルで再発や予後を比較したデータは無く、追加することが必ずしもプラスに動くとは限らないとのことでしたが、追加予定だったものがキャンセルとなると、不安になってしまいます。
私の癌の状況を踏まえても、4サイクルで終えても問題無いと思われますでしょうか。
TC療法を終えた後は4週間後に再手術、その後放射線治療、ホルモン療法と続く予定です。
ホルモン療法の開始タイミングは放射線治療を
終えてからを予定していますが、再手術後の病理検査結果次第では、放射線治療と同時に始めるようです。
このホルモン療法の開始タイミングについても如何思われますでしょうか。
ホルモン療法はタモキシフェン5年間を予定しています。
また今更なのですが、私の場合、抗がん剤そのものがTC療法で良かったのだろうかという不安も出てきています。
術後は断端陽性ばかりが気になってしまい、他の腫瘍医へのセカンドオピニオンは行いませんでした。
先生はどう思われますでしょうか。
以上長くなり恐縮ではございますが、宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
「私の癌の状況を踏まえても、4サイクルで終えても問題無いと思われますでしょうか。」
⇒そう思います。(私自身はTCを6サイクルしたこと自体ありません)
ホルモン療法の開始タイミングは放射線治療を
終えてからを予定していますが、再手術後の病理検査結果次第では、
放射線治療と同時に始めるようです。
このホルモン療法の開始タイミングについても如何思われますでしょうか。
⇒ホルモン療法は(病理結果とは無関係に)放射線と併用でいいと思います。(当院では、基本的にそのようにしています)
また今更なのですが、私の場合、抗がん剤そのものがTC療法で良かったのだろうかという不安
⇒luminal typeでhigh riskでもない(リンパ節転移4個以上でもない)のでTCが妥当だと思います。