[管理番号:9972]
性別:女性
年齢:53
病名:ステージⅠから胸骨単発(右肋軟骨含む)転移
症状:転移後 palbociclibでCEA微減から再び上昇、CA15-3上昇、胸骨の痛みも出現
投稿日:2021年12月26日
4年前春右乳がん(多発)全摘 (最大7mm数個 リンパ節転移なし ステージⅠ ER+ Pgr+ HER- ki67 2~10 )タモキシフェン服用
・去年秋から今年3月にかけCEA基準値内上昇、転移疑いPET検査依頼してもA病院主治医は転移を疑わず6月CEA基準値超えてやっとPET、シンチ、MRIで7月胸骨(右肋軟骨含む)単発転移診断
・骨生検(ER+ Pgr- HER- ルミナールB 骨髄液Adenocarcima ciassⅴ)
・A病院整形外科、B病院骨軟部腫瘍科で手術断られました
・A病院主治医より治療方針9月から palbociclib+faslodex ランマーク (局所治療の提案無し)
根治しないのは分かっているけれど、単発転移だから局所治療諦めきれず、単発なら保険適用になるIMRTのあるがんで有名なC病院放射線治療科へ相談(このころは江戸川病院のことよく知らなくて)
単発(保険適用)のうちに早く治療したかったのにC病院医師からは、(無駄打ちしたくないから)本当に単発転移か見極めるためA病院で6ヶ月palbociclib+faslodexやって単発のままなら根治的照射するけど他に転移が出たら根治的照射はしないとのことでした。
半年も待つのは不安だったけど即断られなかったのをありがたくも思い、palbociclib+faslodexで来年2月まで現状維持してIMRTで画像上CR得たら抗がん剤してpalbociclib+faslodexに戻って維持したいとA病院主治医に相談して了承してもらいました。
強い抗がん剤を先にやってpalbociclibに戻るという私の考えがいいのか不安でしたが田澤先生のコラムやQ&Aを知り、IMRTと強い抗がん剤で積極的治療に希望をもちはじめたところでした。
ところが今月 palbociclib+faslodex 4クールでCEA上昇(8.4)CA15-3はこれまで一桁でしたが先月から上昇(12.5)
質問① palbociclib+faslodex 4クールでCEA上昇はがんの増殖がかなり進んで、palbociclibがこんなに早く効かなくなったのでしょうか?
質問② 他にも転移が出るとC病院でIMRT根治的照射断られてしまいますが、仮に数個転移が出ても定位放射なら保険適用で根治的照射受けられる可能性はあるでしょうか?江戸川病院は定位放射可能でしょうか?
質問③ 骨生検で骨髄液にも転移というのは骨転移だけに比べて悪性度が高いのでしょうか?主治医に聞いてもはっきり答えがありませんでした。
年が明けたらradiation根治的照射と抗がん剤後palbociclibで維持に僅かな希望を持っていたのに年末にマーカー上昇でかなりショックを受けて精神的につらい年末年始です。
まだ子供達は中学生、なるべく長く生きたいです。
田澤先生アドバイスよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
「ところが今月 palbociclib+faslodex 4クールでCEA上昇(8.4)CA15-3はこれまで一桁でしたが先月から上昇(12.5)」
⇒私であれば…
効果があるのであれば(抗がん剤とは異なり、効果の出始めが遅い可能性があることを考慮しても)3か月後には(数値なり、画像所見が)改善すると期待します。
4クールでの悪化ということなので、(私なら)治療変更とします。(やはり抗がん剤でしょう:抗がん剤既往無であれば「かなりの」効果が期待できます。)
「質問① palbociclib+faslodex 4クールでCEA上昇はがんの増殖がかなり進んで、palbociclibがこんなに早く効かなくなったのでしょうか?」
⇒「効かなくなった」というよりは…
そもそも(質問者のケースでは)palbociclibが奏功しなかった。(palbociclibがいい薬だとは言っても「奏効率100%」ではありません。最初から効かない人も「当然」いらっしゃいます)
「質問② 他にも転移が出るとC病院でIMRT根治的照射断られてしまいますが、仮に数個転移が出ても定位放射なら保険適用で根治的照射受けられる可能性はあるでしょうか?江戸川病院は定位放射可能でしょうか?」
⇒そもそも…
当院では定位照射(tomotherapy)しか、していないし、(照射する理由があれば)どこにでも照射しますよ。
〇今回の質問者のケースでは「疼痛がある」わけだから(根治照射とかどうかとは無関係に)「照射の絶対的適応」があります。
「質問③ 骨生検で骨髄液にも転移というのは骨転移だけに比べて悪性度が高いのでしょうか?」
⇒本当にそうなら…
やはり、(palbociclibではなく)そもそも「抗がん剤で最初に叩いておく」べきだったのでは。と思います。
★過去のことを言っても仕方が無い事なので(palbociclibの効果が期待できない以上)「尚更」抗がん剤へ切り替えるべきです。
ご参考に。
質問者様から 【質問2 】
胸骨転移後 palbociclib わずか4クール目CEA上昇
性別:女性
年齢:52
病名:ステージⅠから胸骨単発(右肋軟骨含む)転移
症状:転移後 palbociclibでCEA微減から再び上昇、CA15-3上昇、胸骨の痛みも出現
投稿日:2022年1月8日
田澤先生、お忙しい中質問に回答してくださりありがとうございました。
イブランス→放射線→抗がん剤→イブランスでいい状態保てればと希望を持っていただけにイブランスが奏功しなかったことがショックで辛いです。
再質問の前に前回の症状の補足です
・ 原発腫瘍( ERスコア4+4=8 Pgr4+3=7)
骨転移 ( ERスコア2+2=4 Pgr0+0=0)
・ イブランス2クールから100mg3クールから75mgに減薬
・ CEA最高8.8→7.7→6.9→8.4
質問① 転移巣はホルモン受容体スコアが下がっていますが、このスコアではそもそもイブランス+フェソロデックスでの奏功は期待できなかったのでしょうか?
質問② 前回白血球減少のためイブランス2クールから
100mg3クールから75mgに減薬したのを書きもれていました。
減薬しなくてすめばベージニオなら効果あるのでしょうか?
私は田澤先生のアドバイス通り抗がん剤治療するでしょう。
そして効果が出た後の維持も抗がん剤しかないのでしょうか?イブランスもベージニオももう維持には使えないのでしょうか?
質問③ 疼痛は放射線治療適用ということでしたが、私はどうしても緩和照射でなく根治的照射したいです。
疼痛理由でも根治的照射も可能ということでしょうか?
質問④ 切開による骨生検したA病院の整形外科医は、
骨生検により転移巣から更なる転移の可能性も大いにあると説明されて胸壁や創部の皮膚転移が不安です。
実際骨生検で周囲や多臓器に転移が増えることは多いでしょうか?
もっと早く乳がんプラザを知っていればよかったです。
今月C病院放射線治療科でCTとPET予約済みなので来月の結果待ちたいと思います。
オリゴ転移なら局所治療すれば生存率伸びる結果がでてるとガイドラインに載っていたり、放射線治療も5個以内オリゴ転移は保険適用となっているのに、医師が6か月待って1個でないとオリゴ転移と認めなかったり…
オリゴ転移でも実際に局所治療(手術)断られたり…
実際、転移後局所治療難民です。
田澤先生が有効性があるなら転移巣手術もされていればいいのにと思ってしまいました。
これからも質問させていただきたいです。
よろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは田澤です。
質問者は混乱されているようです。
回答は前回と全く同様。(いろいろ無駄なことを考えても仕方がありません)
全身療法としては(同じCDK4/6阻害剤である)abemaciclibが効く可能性は確かにありますが、(抗がん剤の既往が無いのだから)最も期待できる「抗がん剤(無論anthracycline+taxane)を優先すべき」だし、(全身治療の後に)局所治療としては(手術ではなく)放射線を検討すべきでしょう。
★私であれば
抗癌剤(anthracycline ⇒ taxane)⇒(極力CRを目指して)⇒放射線⇒(ここで)
abemaciclib+Fulvestrant(当然化学療法閉経している筈なのでLH-RHagonist併用は不要)
上記となります。
今後同じ質問は控えるようにお願いします。