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乳房温存手術か全乳房切除術をするか、術後の放射線治療を受けるか受けないかで迷っています。

[管理番号:9859]
性別:女性
年齢:56歳
病名:左乳房の乳がん
症状:ステージⅠ 組織型:浸潤がん
投稿日:2021年11月5日

2021年9月(上旬)日の検査で乳がんが見つかりました。

診断結果

 左乳房、左乳頭・乳輪部下部の胸筋に近いところに4mm×4mm×4mmの腫瘍あり
 ER : J-score 3b(80%) ; Allred score TS7=PS5+IS2
PgR : J-score 3b(50%) ; Allred score TS8=PS5+IS3
HER2:Score 2+ (Equivocal)

Ki-67:20%

所見:高度異型乳管上皮細胞が篩状、索上構造をとり、間質の著名な膠原線維増生を伴って浸潤性に増殖しています。

ER,PgRは強陽性です。

HER2蛋白の過剰発現を認めますが、FISH等による確認が必要です。
※1

Ki-67LIは境界域です。

※1)HER-2検査結果

HER-2増殖比=HER-2像シグナル数/chr17総シグナル数=176/141=1.25
HER-2遺伝子コピー数平均値=2.93
判定:(-)
結果:HER2の増殖は認めません。

術前の検査結果
 CT:乳腺、他の臓器への転移→転移なし
 MRI:がんの場所はほぼ乳頭の真下、胸筋に近い場所、乳頭から離れている
 骨シンチ:骨への転移なし、現時点で転移の有無を確認する必要がある
 超音波:4mm×4mm×4mmの大きさ、乳頭と腫瘤を切り離す必要がある
     15mm+4mm+15mm=約35mmの大きさで切除する必要がある
 現段階の病状:比較的穏やかなタイプ
 ステージⅠ:Tがんの大きさ→2cm以下(T1)、Nリンパ節転移→リンパ節転移なし(N0)、
       M遠隔転移→遠隔転移なし(M0) ※T1+N0+M0=ステージⅠ

上記の診断結果をもとに主治医から、乳房温存手術、センチネルリンパ節生検の乳がん手術をすすめられています。

主治医からは全乳房切除術をすれば放射線治療は必要ないだろうと言われています。
また、乳房温存手術でも放射線治療をしないケースもあると言われました。

乳房温存手術で放射線治療を受けない場合の再発率は10%、放射線治療を受けた場合の再発率は3%と説明を受けました。

書籍で調べると乳房温存手術で放射線治療を受けない場合の再発率は30%で放射線治療を行うと70%再発を防ぐことができるとありました。

質問

Q1乳房温存手術か全乳房切除術をするか、術後の放射線治療を受けるか受けないかで迷っています。

私の乳がんは左胸にあり放射線治療の副作用の放射線肺臓炎や心臓や肺への影響が心配です。

全摘をして放射線治療を受けない方が良いのか、温存で放射線治療を受けた方が良いのか、また副作用の懸念から温存で

  放射線治療を受けない方が良いのか迷っています。

  よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

「Q1乳房温存手術か全乳房切除術をするか、術後の放射線治療を受けるか受けないかで迷っています。

私の乳がんは左胸にあり放射線治療の副作用の放射線肺臓炎や心臓や肺への影響が心配です。

全摘をして放射線治療を受けない方が良いのか、温存で放射線治療を受けた方が良いのか、また副作用の懸念から温存で
  放射線治療を受けない方が良いのか迷っています。」

⇒画像診断上は「温存可能」なようです。
 選択は「乳房を残したいかどうか?」あくまでも「ご本人次第」です。 (放射線による有害事象は許容範囲内ですよ)