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鎖骨(下)リンパ節が腫れており、手術先行にはできない

[管理番号:9727]
中間期乳がんと異時性両側乳がん(her2)
性別:女性
年齢:47
病名:乳がん(右)
症状:治療方針について(術前抗がん剤)
投稿日:2021年9月18日

 
 
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質問者様の別の質問

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管理番号:9715「異時性両側乳がん(her2)
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田澤先生、先日は質問に応えてくださり、ありがとうございました。

エキスパートの先生が私の病状を考えてくださっていると思うと、心が救われました。

その後、PET-CTを受けた結果、以下の通りとなりました。

腋窩リンパ節、鎖骨下リンパ節に転移あり。

PETを受ける前はT2でしたが、T3(ルミナールher2)となりました。

急速に広がっていることに主治医も驚いており、治療方針も術前抗がん剤に変更となりました。

術前化学療法の内容は以下の通りです。

ドセキタセル、カルボプラチン、ハーセプチン、パージェタ 3週1回×6クール
経過を見て可能になれば手術、術後化学療法(場合によって放射線)とのことです。

初回は入院で薬剤を投与するとのことで、ベッドが空くのを待っている状況です。

●質問●

・鎖骨リンパ節が腫れており、手術先行にはできないとのことでした。

 手術を先行すれば化学療法は術後6週間後になってしまい、病勢を考えると
 デメリットが大きい。
やはり、そのとおりでしょうか?
 
・術前抗がん剤の内容について、妥当と考えられますか?
 腫瘍内科の先生がおっしゃるには、ドセハーパーではアンダーパワーなので
 カルボプラチンを追加とのこと(私は2017年の対側乳がんの際、CEF治療を受けています)

たびたび恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

この「鎖骨(下)リンパ節が腫れており、手術先行にはできない」
⇒これについては、「まさに」私が動画『腋窩再発』で、取り挙げていることなので本日掲載する「今週のコラム」でコメントします。

 鎖骨下リンパ節(レベルⅢ)転移があるから手術できないとは情けない!
 手術できないから抗がん剤で「見えなく」して、「無かったこと」にして、手術時にレベルⅡまでの郭清にして術後に(そこには)放射線をかける。
 「その医師自身の手技的な未熟さ」で、「本来、摘出すべき」リンパ節を、そのように誤魔化していいのか?
 まさに、私が動画で訴えたかったことなのです。
 そんなことをしているから「腋窩再発の手術が満足にできない」それでいいのか? 虎穴に入らざれば虎子を得ず

「・術前抗がん剤の内容について、妥当と考えられますか?
 腫瘍内科の先生がおっしゃるには、ドセハーパーではアンダーパワーなので
 カルボプラチンを追加とのこと(私は2017年の対側乳がんの際、CEF治療を受けています)」

⇒このレジメン trastuzumab+pertuzumab+docetaxel+carboplatinは、TRYPHAENA試験で登場したものですが(この試験ではpCR率が66.2%と最も成績が良い)あくまでもn=225の一臨床試験に過ぎません。

少なくとも、日本において
Carboplatinの添付文章には
『乳癌の場合
トラスツズマブ(遺伝子組換え)及びタキサン系抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはカルボプラチンとして、1日1回300〜400mg/m2(体表面積)を投与し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。なお、投与量は、患者の状態により適宜減ずる。』
とあります。

★つまり trastuzumab+taxane(docetaxel or paclitaxel)との併用となっており、pertuzumabとの併用は承認されていないのです。