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HER2陽性乳癌の術後療法について

[管理番号:9691]
性別:女性
年齢:42
病名:乳癌
症状:
投稿日:2021年9月3日

田澤先生、こんにちは。
先生のQ&Aでいつも勉強させていただいております。

2021年3月に乳癌の診断を受け、術前化学療法としてドセタキセル・ハーセプチン・パージェタを6クール行い、8月に全摘手術を受けました。
(最初は温存希望でしたが、途中で心境が変わり全摘としました。
また、術前化学療法についての田澤先生のお考え方など色々調べる前に、治療を初めてしまいました。)
摘出した胸の病理診断の結果、がん細胞が2mm残っていました。

今後の治療方針の説明があり、ハーセプチンとパージェタを11クール、ノルバデックスを5年間と聞きました。

アンスラサイクリン系の抗がん剤を使っていないので、その点を尋ねるとリンパ節転移もなく術前化学療法の効果も高かったので、アンスラサイクリン系の副作用リスクも勘案し、必要ないとのことです。

田澤先生も再発リスクが低いときは非アンスラサイクリンで進めておられると思いますが、これまでのQ&Aの事例と比べて、自分の癌が再発リスクが低いかどうかがよくわかりません。

先生はこの場合の術後化学療法についてどう思われますか?

・化学療法前の診断
ER 陽性
PgR 弱陰性
HER2 陽性
ki67 44.5%
腫瘍径 3.5cm
リンパ節単位なし
ステージ2A

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

「先生はこの場合の術後化学療法についてどう思われますか?」
⇒この場合のKeyは、「抗がん剤前の評価」です。

 抗がん剤前の評価 cT2(35mm), cN0, cStage2Aのようだから、非anthracycline
regimenでいいと思います。(つまり主治医のやり方でOK)