[管理番号:9624]
性別:女性
年齢:38
病名:
症状:
投稿日:2021年8月10日
はじめまして。
宮城県在住です。
先生のご出身大学や以前の勤務先が仙台市でいらした事もあり
勝手に大変身近に感じ、いつも興味深く拝読させて頂いております。
局所進行左乳癌cT2cN2cM0 cStage Ⅲ
浸潤性入管癌 硬性型 核異型中等度
左乳房CD領域の不形成腫瘤 30.3×27.3×17.0mm
ER陽性 PR陽性 HER2陰性 Ki-67 72%
左腋窩に腫大リンパ節多発。
小胸筋の背側にも認められる。
2021年4月 上記診断
2021年5月 EC療法開始(2週間間隔、4クール)、ジーラスタ併用
2021年7月 EC療法終了後のCT中間評価
→不形成腫瘤 直径30mmから17mmへ縮小
左腋窩に認めた複数の腫大リンパ節は縮小から消失
胸骨傍、鎖骨上リンパ節腫大なし
パクリタキセル開始(2週間間隔、4クール)、ジーラスタ併用
2021年9月 手術予定
<質問>
①全摘、乳頭温存乳房切除術、腫瘍の周囲のみ切除(最低限の範囲のみ切除)のいずれかで迷っています。
HBOCガイドラン等でも、BRCA2病的バリアント保持者の乳癌発症リスクが高い事は理解していますが、最低限の範囲のみ切除したい(乳頭は残したい)気持ちが大きいです。
手術部位は、ケモが終了した最終的な段階でのCT評価にもよりますが腫瘍が小さくなり乳頭から離れていれば、腫瘍の周囲のみ切除でも良いのでしょうか。
②乳頭温存乳房切除術をした場合、BRCA陽性者の乳頭乳輪に新たな乳癌発症のリスクは高いのでしょうか。
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
術前抗がん剤で小さくなったからといって、切除範囲を狭めることは「明らかに局所再発のリスクを高める」と思います。
優先すべきは「根治性」であるべきだと思います。(あとで局所再発したら、必ず後悔します)
ご参考に
質問者様から 【質問2 】
術後の治療について
性別:女性
年齢:38
病名:浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2021年11月5日
前回先生から「優先すべきは根治性」とのお返事を頂き、全摘を決心し9月中旬に手術を受けました。
適格なご助言に感謝申し上げます。
病理結果がでて、次の治療へと進んでいる段階で悩んでいる事があり、再度質問させて頂きました。
病理結果は下記の通りです。
Operation:Bt+Ax
Location:left,C
Histological Type:Invasive ductal carcinoma,status after chemotherapy Invasion:f
1y:0,v:0
N:ypN1a[Level Ⅰ(3/6)、Level Ⅱ(0/0)]
Nuclear grade:Ⅰ
Histological grade:Ⅱ(核異型2点、核分裂像1点、腺管形成3点)
ypT1c,ypN1a,cM0,StageⅡA
C50.4 8500/3
Therapeutic effect:Grade1b
ER:陽性(TS8),PR:陽性(PS3+IS2=TS5),HER2:equivocal(score2)
Ki-67 LI:9%
術後の治療方針は下記の通りです。
カペシタビン、ハーセプチン、パージェタを6回
その後、放射線治療を4~6週。
再びハーセプチン、パージェタを12回とタモキシフェンを10年。
①放射線治療を受けた方が良いか
リンパ節転移が4個以上ですと放射線治療を推奨していたと記憶しています。
主治医から、リンパ節転移3個でしたが、化学療法前は転移4個以上でリンパの腫れもひどかった為、念のため放射線はした方が良いのではとのお話です。
②反対側乳房の検診ペース、検診内容
BRCA2陽性の為、乳癌リスクが高い反対側乳房切除術を将来的に実施予定です。
それまでの期間、例えば1年に1回、マンモでの検診など、適切なフォローについて教えて頂きたいです。
③術前後のステージが異なる場合は、ざまざまはデータは術後のステージで見てよいか
術前はステージⅢでしたが、術後の病理結果ではⅡAの診断へ変更となりました。
生存率等のデータをみる際、術後のステージで良いのでしょうか。
(私の場合は当初温存も選択肢にあり術前抗がん剤を行いましたが、開始1ヶ月後にBRCA陽性判明。
最終的には予定していた抗がん剤終了後、全摘術をしました。)
田澤先生から 【回答2】
こんにちは田澤です。
「術後の治療方針は下記の通りです。
カペシタビン、ハーセプチン、パージェタを6回」
⇒適応外診療!
Capecitabineの適応は「手術不能再発乳癌」であり、術後補助療法の適応はありません。
「CREATE-X試験」を根拠に、行おうとしてるのでしょうが、主治医に「適応外診療だから、私は拒否します!」と、はっきり言いましょう。
「化学療法前は転移4個以上でリンパの腫れもひどかった為、念のため放射線はした方が良いのでは」
⇒正しい!
術後の放射線の適応はあくまでも「抗がん剤前の状況」を基に決めるべきなのです。(主治医は正しい)
「②反対側乳房の検診ペース、検診内容BRCA2陽性の為、乳癌リスクが高い反対側乳房切除術を将来的に実施予定です。
それまでの期間、例えば1年に1回、マンモでの検診など、適切なフォローについて教えて頂きたいです。」
⇒半年に1回エコー、1年に1回マンモ
「③術前後のステージが異なる場合は、ざまざまはデータは術後のステージで見てよいか
術前はステージⅢでしたが、術後の病理結果ではⅡAの診断へ変更となりました。
生存率等のデータをみる際、術後のステージで良いのでしょうか。」
⇒抗がん剤は術前に行っても術後に行っても予後は変わらない
ということは…
術後に行った人と予後は同じなので「術前のステージ」となります。
質問者様から 【質問3 】
全摘後の治療
性別:女性
年齢:38
病名:乳癌
症状:
投稿日:2021年11月29日
先日はご返答頂きありがとうございました。
「Capecitabineの適応は「手術不能再発乳癌」であり、術後補助療法の適応なし」
との事、大変困惑しております。
というのも、私の知識不足ではあるのですが主治医から提示された通り上記治療を開始してしまいました。
改めて質問させて下さい。
①上記病理結果であれば、田澤先生でしたらどのような治療とするかご教授願います。
(カペシタビンをやめて、ハーセプチンとパージェタのみが良いとのことでしょうか。
それとも、他に行うべき薬剤がありますでしょうか)
②Capecitabineの内服を始めてしまい、現在2クール目ですが途中で中断しても弊害はないのでしょうか。
お忙しいところ大変申し訳ありませんが、是非田澤先生のご意見をお聞かせ頂けますと幸いです。
宜しくお願い致します。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは田澤です。
適応外診療であることは添付文章を読めば理解できるはずです。(ネットで閲覧できます)
申し訳ありませんが適応外診療をされている方に対して回答はできません。