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肉芽腫性乳腺炎の治療と妊娠について

[管理番号:9474]
性別:女性
年齢:32歳
病名:肉芽腫性乳腺炎または化膿性乳腺炎
症状:現在はシコリのみ
投稿日:2021年6月12日

初めまして。

この病気についてお話を伺える病院が少なく、先生のご意見を是非お聞きしたいと思い、藁にもすがる思いで質問させていただきます。

2歳8ヶ月の娘がおり、1年半前に卒乳しています。

3週間前、突然の左乳房の疼痛と腫脹、熱感、シコリがあり近医を受診したところ、エコーにて炎症所見ありと言われました。
化膿性乳腺炎としてまず抗生剤投与するが、肉芽腫性乳腺炎も疑わしいので治らなければ生検するとのことでした。

1週間後、最初にあった疼痛等の症状は治まったもののシコリだけが残っていたためマンモトームを行いました。

結果は、
肉芽腫性乳腺炎として矛盾なし
しかし化膿性乳腺炎も否定できない
のとことでした。

この結果に医師も悩まれており、私が妊娠希望していることも伝えていたため、
細菌検査等も追加してしばらくは化膿性乳腺炎と仮定して抗生剤で様子みる、と言ってくださいました。

シコリはある一定まで小さくはなったのですがあと少しが消えません。
ステロイドを飲んでサッと治してしまう方が早いかなあ、と医師も考えておられるようです。

そこで先生にお聞きしたいのですが、
今は抗生剤内服のみでシコリ以外の症状はありません。
落ち着いている気がするのです。
シコリは硬めのものがビー玉程の大きさがありその横に続いてなんとなく柔らかめの塊に触れるかな?という程度まで小さくなりました。

①この状況でもやはりステロイド内服は必要とお考えでしょうか。

婦人科疾患もあるため出来るだけ早く2人目の妊娠を希望しております。

②このままステロイド治療を行わずに妊娠することはリスクがありますでしょうか。

この病気の治療と妊娠との付き合い方がわからず、質問させていただきました。
先生のご経験からどう思われますか。

お返事お待ちしております。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

肉芽腫性乳腺炎の治療は「ステロイドだけ」です。(抗生剤とか切開は「全く」無意味)

再燃などを避け「本気で治す」のであれば、きちんとプレドニンを内服をお勧めします。
ただし「癌とは(当然ながら)異なり」悪性ではないので、ここで「誤った選択(例えば、経過観察)」をしても、許されることも事実です。
★癌の場合には、一つの誤った診断(もしくは治療)が、その患者さんにとって「致命傷」となることは明記されるべきこと。

つまり、良性疾患だから…
 (プレドニンを使わずに)経過観察⇒ たまたま「治癒」というケースも(炎症が酷くなければ)ありうつし、例え「炎症が酷くなっても」その時点でステロイドを使えば(回り道にはなりますが)致命傷には決してならないのです。(悪性との違い)

是非、『今週のコラム 291回目 肉芽腫性乳腺炎のまとめ 』を熟読ください。