[管理番号:9156]
性別:女性
年齢:42
病名:
症状:
投稿日:2021年1月31日
2018年10月 妊娠中にしこりに気づき乳がん発覚
2018年11月 針生検にて浸潤性乳管がんと診断
2018年12月 出産
2019年1月 右全摘手術、リンパ郭清あり、再建予定なし
2019年2月 術後の病理診断
浸潤性乳管がん
浸潤部分腫瘍径 6.5センチ(術前は2.2センチ)
リンパ節転移 10/11
グレード 2
ER +、PgR +陽性
HER2 陰性-
ki-67 36%
腫瘍径6.5センチと大きく、郭清したリンパ10個転移ありの為、
ルミナールタイプですが、抗がん剤治療→放射線治療→ホルモン治療のフルコースを進められる
2019年3月 近くの病院に転院し、EC療法開始
2019年5月EC終了.ドセタキセル開始
2019年8月ドセタキセル終了
2019年9月放射線治療30回、ホルモン治療(リュープリン、タモキシフェン)開始
先日術後2年の CTにて転移性肝臓腫瘍の疑いがあると言われ、
腫瘍マーカーは正常値で、CT画像だけでは確定診断ができないので来週にPET CTで詳細と骨等に転移がないか確認する事になりました。
PET CTの結果にもよりますが、肝転移だった場合は、今のホルモン剤の薬があまり効いていないという事になるので、ホルモンの薬を変更して様子をみるようになると思いますと言われました。
今2歳の子供がおり、出来る限り長生きをしたく、肝転移の場合予後がよいと思われる治療の選択肢を教えて頂けますでしょうか。
ホルモン剤を変えた所で肝臓の腫瘍が無くなる事はないですか?
抗がん剤をした方が、腫瘍は無くなる可能性はありますでしょうか?
また加入しているがん保険に先進医療特約がついているのですが、重粒子線治療や陽子線治療などは転移性肝腫瘍に有効でしょうか?
宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
再発治療にスタンダードはありません。
まずは画像診断結果を待ちましょう。
万が一「肝転移」だった場合には 抗癌剤(bevacizumab+paclitaxel, eribulinなど)⇒画像上CR(ここまでが第1ステップ)⇒ホルモン療法+CDK4/6阻害剤
(palbociclibもしくはabemaciclib)で維持(これが第2ステップ)
まずは先を急がずに第1ステップを目指しましょう。
質問者様から 【質問2 】
肝転移後の治療の選択肢について
性別:女性
年齢:42
病名:
症状:
投稿日:2021年6月7日
先日はご回答下さりありがとうございました。
主治医と相談し2月よりホルモン療法+CDK4/6阻害剤(ベージニオ)の治療を開始しましたが、先日3ヶ月に1度のPETCTにて、肝臓の腫瘍が増大しており、薬の効果が出ていないので、早急に抗がん剤(bevacizumab+paclitaxel)に切り替えで明日より入院しての投与の方向となりました。
先月から腫瘍マーカーや肝機能の数値が上がり始めていました。
ベージニオにより肝臓に負担がかかって悪化した可能性はありますでしょうか。
肝転移は画像診断のみで、生検等はしていないのですが、ホルモン治療が効かないと言う事は、肝転移は腫瘍のサブタイプが違う可能性も有りますでしょうか。
転移の場合には生検は行わない事が多いでしょうか。
今後の治療の為に遺伝子パネル検査などをして見るのは意味がありますでしょうか。
質問ばかりですみませんが、宜しくお願いします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは田澤です。
前回の回答に変更はありません。
(以下、抜粋)
万が一「肝転移」だった場合には 抗癌剤(bevacizumab+paclitaxel, eribulinなど)⇒画像上CR(ここまでが第1ステップ)⇒ホルモン療法+CDK4/6阻害剤
(palbociclibもしくはabemaciclib)で維持(これが第2ステップ)
★質問者は(先に抗がん剤せずに)ホルモン療法+CDK4/6阻害剤を用いたわけですが、ここは気を取り直して bevacizumab+paclitaxel ⇒(場合によっては)
eribulinを挟み⇒ホルモン療法+CDK4/6阻害剤(abemaciclibを用いているので、次はpalbociclib)
上記を目指しましょう。
質問者様から 【質問3 】
肝転移後の治療の選択肢について
性別:女性
年齢:42
病名:
症状:
投稿日:2021年9月10日
先日はご回答頂きありがとうございました。
アバスチンパクリタキセルの投与を6月から開始し、開始後は腫瘍マーカーや肝機能の数値が下がりましたが、また腫瘍マーカーが上がり、肝機能の数値も100台で高めに推移しているのと、お腹の張りが続いており、腹部超音波をしてもらった所、腫瘍が大きくなって来ておりました。
薬を術後の補助療法で使用したEC療法に変更する事になりました。
その時は3クールでしたので、まだ4-6回は使用可能との事てました。
先日先生の回答で、アバスチンパクリタキセルの後はエリブリンと記載いただいていたので、エリブリンはどうですか?と主治医に聞いた所、エリブリンだと少し弱いので、先にECで抑えた方がいいとのお話でした。
先生の場合は、アバスチンパクリタキセルが効かなくなった場合はどのような選択をされるかお聞かせいただけますと助かります。
宜しくお願いします。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは田澤です。
「エリブリンはどうですか?と主治医に聞いた所、エリブリンだと少し弱いので、先にECで抑えた方がいいとのお話でした。」
⇒私も実際に「anthracyclineの再登場」を行うことがあります。
Eribulinが弱いとは思いませんが、anthracyclineがkey drugであることもまた事実。
主治医の言うように『先に」anthracycline(で抑え)⇒(良くなったところで)eribulinという順番も十分ありです。
ご参考に。
質問者様から 【質問4 】
肝転移後の治療の選択肢について [管理番号:9156]
性別:女性
年齢:43
病名:
症状:
投稿日:2022年1月7日
以前質問させていただいた者です。
その節はありがとうございました。
規定の回数のEC治療が昨日で終了しました。
12月末の CTで、腫瘍の多発あるものの、1つ1つは小さくなっており、肝機能の数値は腫瘍マーカーもまだ正常値越えではありますが、下がって来ております。
次の治療の選択肢ですが、ts-1かハラヴェンのどちらかと言われており、ECでかなり血管にダメージが発生しており、しばらく点滴はお休みをしたいので、ts-1にしたいと思っているのですが、現在は体調もよく体力もあるので、先にハラヴェンをした方がいいのか悩んでおります。
どちらがいいかアドバイスをいただけますと助かります。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは田澤です。
「どちらがいいかアドバイスをいただけますと助かります。」
⇒私はTS-1は使いません。
無論eribulin(商品名 ハラヴェン)を使います。
理由は「効果と副作用のバランスがいいから」です。