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抗がん剤治療について

[管理番号:9133]
性別:女性
年齢:40歳
病名:非特殊型浸潤癌
症状:
投稿日:2021年1月22日

今月、右乳房部分切除の手術を受けました。

【針生検結果】
ステージ:1
大きさ:1cm強 (※検査時に他にもあやしい腫瘍が2点見つかりました)
リンパ節転移:なし
遠隔転移:なし
グレード:2
ki67:16.2%
ER:70%
PR:80%
HER2:1+

【病理検査結果】
ステージ:1
大きさ:1.3cmと1.0cm (※あやしい腫瘍のうち1点はリンパ節。
他1点は癌。
計2点の癌でした。)
リンパ節転移:なし(0/1)
遠隔転移:なし
グレード:2
ki67:20%
ER:70%
PR:80%
HER2:2+(FISH検査待ち)

質問したいことは下記になります。

①HER2陰性の場合
他の方の回答を読んでいると、ki67が20~30%まではグレーゾーンだと思います。

抗がん剤治療の上乗せ効果は低いので、放射線治療+内分泌療法で、大丈夫でしょうか?
オンコタイプDXを受けたほうがいいでしょうか?

②HER2陽性の場合
抗がん剤(3カ月)+抗HER2療法(1年間)になると思います。

放射線治療は、抗がん剤の前に行うほうが良いでしょうか?

③妊娠と出産について
すでに2人こどもがいます。

もし自然妊娠で授かることができたら、年齢的にも今年1年間妊活してみようと思っていたところに、病気が発覚しました。

宣告されたときは、3人目はあきらめないといけないと思っていました。

手術が終わったいま、やっぱりあきらめられない気持ちと、自分が元気に長生きできるように治療を優先したほうがいい気持ちが入り混じっています。

例えば半年間など期限をきって、妊活してみるのもありなのかなと思ってきました。

再発を考えると、すぐに治療を開始したほうが良いでしょうか?

お忙しいところ恐縮ですが、ご回答をいただければ幸いです。

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

「①HER2陰性の場合
他の方の回答を読んでいると、ki67が20~30%まではグレーゾーンだと思います。
抗がん剤治療の上乗せ効果は低いので、放射線治療+内分泌療法で、大丈夫でしょうか?」

⇒それでいいと思います。

「②HER2陽性の場合
抗がん剤(3カ月)+抗HER2療法(1年間)になると思います。
放射線治療は、抗がん剤の前に行うほうが良いでしょうか?」

⇒抗がん剤が先です。

 抗癌剤⇒放射線⇒分子標的薬(trastuzumab 単剤)

「例えば半年間など期限をきって、妊活してみるのもありなのかなと思ってきました。
再発を考えると、すぐに治療を開始したほうが良いでしょうか?」

⇒私のお勧めは

「HER2陽性」であれば、 受精卵凍結⇒抗HER2療法⇒(終了後)妊娠出産⇒授乳終了後ホルモン療法開始
「HER2陰性」であれば、 妊活⇒妊娠出産⇒ホルモン療法開始

★ポイントは「抗がん剤(+分子標的薬)」をする場合には、(妊娠出産よりも)先にすべきということ。(ホルモン療法であれば、妊娠出産の後で構わない)

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

術後の治療と妊娠出産について
性別:女性
年齢:40歳
病名:
症状:
投稿日:2021年2月2日

田澤先生、前回の質問に回答くださり本当にありがとうございま
した。

HER2のFISH検査の結果は、陰性でした。

抗がん剤はどうしますか?と聞かれましたが、上乗せ効果が低い
ので受けないことにしました。

今後の治療は、下記に決まりました。

●放射線治療(16回)
●リュープリン
●ノルバデックス

前回、妊活について
ホルモン療法前に、妊活を行ったほうがいいとアドバイスをいただいていました。

主治医に相談したところ手術後、2年間ホルモン療法を行い、一旦治療をストップして、妊活する場合もあるが、現状ではデータが臨床中?でわかってないから、手術後、すぐに妊娠出産をする場合についても、授乳も含めると約2年間無治療になってしまうことになり、再発の危険があるので、個人的にはおすすめできないとのことでした。

旦那も3人目の妊娠出産には消極的で、治療に専念してほしいと言われ、気持ちの整理がつかず、あきらめようかモヤモヤしています。

質問にしたいことは、下記になります。

①サブタイプは、ルミナールAになるのかなと思います。

ER70%、PR80%のため、そもそも妊娠、出産自体が再発リスク
を高めてしまうのでしょうか?

②手術後、無治療で妊娠出産をする場合、出産後に放射線治療をするのでしょうか?
放射線治療だけ、先に行う場合もあるのでしょうか?

手術→放射線治療→妊娠出産する場合、放射線治療の影響で数ヶ月妊娠しない方が良いなどありますでしょうか?

お忙しいところ恐縮ですが、ご回答をいただければ幸いです。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは田澤です。

主治医の意見がどうであろうと、私の回答に変更はありません。

(以下、前回のコピペ)

「HER2陰性」であれば、 妊活⇒妊娠出産⇒ホルモン療法開始

★ポイントは「抗がん剤(+分子標的薬)」をする場合には、(妊娠出産よりも)先にすべきということ。(ホルモン療法であれば、妊娠出産の後で構わない)

「①サブタイプは、ルミナールAになるのかなと思います。
ER70%、PR80%のため、そもそも妊娠、出産自体が再発リスクを高めてしまうのでしょうか?」

⇒妊娠出産授乳は再発リスクを低減します。

「②手術後、無治療で妊娠出産をする場合、出産後に放射線治療をするのでしょうか?
放射線治療だけ、先に行う場合もあるのでしょうか?」

⇒放射線は先です。

「手術→放射線治療→妊娠出産する場合、放射線治療の影響で数ヶ月妊娠しない方が良いなどありますでしょうか?」
⇒放射線科医に確認しましょう。