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手術後にリンパ節転移1個あり、放射線治療の照射範囲を広げるのと追加廓清とどちらがよいのでしょうか。

[管理番号:9116]
性別:女性
年齢:40
病名:右乳房浸潤性乳管癌(硬癌)
症状:
投稿日:2021年1月17日

2010年から毎年、乳がん検診を受けていましたが、去年11月に乳がんと告知を受けました。

悪性腫瘤の位置が右乳房Cの辺縁にあるため、
ブラインドエリアに入り、抽出されていなかったのではないかと言われました。

セカンドオピニオン、遺伝子検査(陰性)を受け、最終的に、温存手術を選びました。

現在は、12月(下旬)日に右乳房温存手術を行い、先日病理検査結果を聞いたところです。

そこで、術前検査との乖離があり、治療方法について悩んでいます。

■術前検査結果
・浸潤性乳管癌
・腫瘤:1.1cm x 1.1cm x 0.7cm(腫瘤の内側に20㎜の疑いあり)
・リンパ節転移なし
・ステージ1
・核・組織の異型度:グレード1
・ホルモン受容体:ER+、PgR+
・Ki-67 5%
・HER2 1+

手術した病院では、術前検査でリンパ転移の所見なし&ルミナールAの場合、
センチネルリンパ節生検で取ったものを術中迅速診断しない(=リンパ廓清省略)というところでした。

したがって、リンパ廓清していませんが、センチネルリンパ生検の結果、1/1転移がありました。

また、腫瘤の内側に20mmの範囲に淡い乳がんの疑いがあり、
術前検査のエコーではマンモトーム生検によってできた血腫と重なり画像診断ができず、
疑いの部分も含めて大きく切除しました。

そのため、最終的なステージがステージ1→ステージ2bと上がってしまいました。

さらに、Ki-67値も5%あがっており、HER2も偽陽性となりました。

ステージがあがったこと、HER2陰性ではなかったこと、
そして何よりもリンパ転移があったことにとても気落ちしています。

告知後にセカンドオピニオンもしており、2つの病院でともにリンパ転移なしという診断だったため、
私自身、リンパ転移について勉強しておらず、
病理検査結果を聞いたときに、レベルや微小転移なのか何も質問ができませんでした。

■病理検査結果
・組織型:浸潤性乳管癌(硬癌)
・癌の大きさ(全体の広がり):2.1cm x 1.2cm x 0.8cm
・切除断片の状態:陰性
・リンパ節転移あり(1/1)
・ステージ2b
・脈管侵襲:リンパ管侵襲なし、静脈侵襲なし
・波及度:乳腺・脂肪
・核・組織の異型度:グレード1
・ホルモン感受性:ER99%、PgR99%
・HER2 2+
・Ki-67 10%

HER2が2+だったので、FISH法の追加検査をしてもらっているため、
最終的な治療方針はまだ出ていませんが、
HER2が陰性だった場合は、放射線治療(照射範囲をリンパ節まで広げる)+ホルモン治療と言われています。

気になっているのはリンパ転移が1個あったので、
追加でリンパ廓清が必要ではないかということです。

※ルミナールAの場合は、抗がん剤不要ということを他Q&Aで拝見していたので、
 リンパ転移しているから抗がん剤やったほうが良いという判断ではないという認識でいます。

リンパ転移が微小転移であれば、廓清不要なのか、
術後に、リンパ転移が見つかり、追加廓清が必要となる判断基準が知りたいです。

また、微小転移であったとしても、リンパ節に転移している人は、
リンパ転移していない人に比べて、どのくらい再発リスクが高くなるのでしょうか。

腫瘤の位置がCであり、脇に近いことから、リンパ節に転移しやすいということはありますか?
また、リンパ管侵襲はなかったですが、センチネルリンパ節生検で取ったリンパ以外への転移の可能性はある(高い)のでしょうか。

病理検査結果がHER2 2+だった時点で、すぐにFISH法に出してもらい、
術後3週間も経っていたので、FISH法結果も併せて聞きたかったのですが、
HER2結果を聞くのに、また2~3週間空いてしまい、結果、術後2か月も治療が始まらないことも不安であります。
(硬癌&リンパ節転移してたゆえに)

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

物事はシンプルに考えましょう。

リンパ節転移が微小転移ならば、郭清省略でいいと思いますが、もしも2mm以上
(肉眼的転移)であれば、腋窩郭清手術してもらいましょう。(当院の基準では)
質問者自身が理解しているように、上記判断にはHER2のFISH結果とは無関係です。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

手術後にリンパ節転移1個あり、放射線治療の照射範囲を広げるのと追加廓清とどちらがよいのでしょうか。
性別:女性
年齢:40
病名:右乳房浸潤性乳管がん
症状:
投稿日:2021年1月25日

お忙しい中、回答ありがとうございます。

リンパ節転移のサイズで判断ということですね。

先に質問した病理結果ですが、リンパ節転移しているが、
リンパ管侵襲なしという結果に違和感があります。

—————-
・リンパ節転移あり(1/1)
・脈管侵襲:リンパ管侵襲なし、静脈侵襲なし
—————-

①そもそも、リンパ管侵襲なし(ly-)で、センチネルリンパ節転移(1/1)とは、
 どういう状態でリンパ節へ転移したということでしょうか。

癌細胞がリンパ管浸潤により、リンパ節転移を起こすので、
・リンパ管侵襲がない&リンパ節転移なし
・リンパ管侵襲あり&リンパ節転移なし
・リンパ管侵襲あり&リンパ節転移あり

この3パターンになるものだと思っていました。

リンパ管を通らず、リンパ節に転移するとはどういう意味でしょうか?

②また、リンパ管侵襲はなくても、
 センチネルリンパ節生検で取ったリンパ以外への転移の可能性はある(高くなる)のでしょうか。

③実際に同病を患っている人の旦那さんに聞いたのですが、
 針生検のときに、悪性細胞が飛散して転移することも稀にあると聞きました。

 マンモトーム生検のとき、わりと大きい血腫ができてしまい、1ヶ月以上血腫がひかず、
 術前の超音波では腫瘤の境界が見えづらくなくなっていました。

 そんなことあるのでしょうか。

④腫瘤の位置が右乳房外側上部(C)の場合、リンパ節に近いため、リンパ節に転移しやすいのでしょうか?
 リンパ節転移は、腫瘤位置、悪性度、しこりの大きさに関係するのでしょうか?
 ※乳がん診療ガイドラインを見ると、腫瘤位置によって癌の進行度が違うと書いてありました。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは田澤です。

質問内容をみると、(失礼ですが)質問者は「考えすぎ」のようです。(物事はシンプルに考えましょう。)

「①そもそも、リンパ管侵襲なし(ly-)で、センチネルリンパ節転移(1/1)とは、
 どういう状態でリンパ節へ転移したということでしょうか。」

⇒リンパ管侵襲は「あくまで」任意の標本切片での病理医の印象に過ぎません。(あくまでも参考程度)
 
 リンパ管侵襲⇒リンパ節転移みたいな発想は止めましょう

「リンパ管を通らず、リンパ節に転移するとはどういう意味でしょうか?」
⇒誤り(上記)

「マンモトーム生検のとき、わりと大きい血腫ができてしまい、1ヶ月以上血腫がひかず、
 術前の超音波では腫瘤の境界が見えづらくなくなっていました。
 そんなことあるのでしょうか。」

⇒考えすぎ(上記)

「④腫瘤の位置が右乳房外側上部(C)の場合、リンパ節に近いため、リンパ節に転移しやすいのでしょうか?」
⇒その傾向はあります。

「乳がん診療ガイドラインを見ると、腫瘤位置によって癌の進行度が違うと書いてありました。」
⇒考えすぎ

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

リンパ節微小転移1個(pN1mi)の放射線照射位置と照射方法について
性別:女性
年齢:40
病名:右乳房浸潤性乳管がん(硬癌)
症状:
投稿日:2021年2月5日

先日、センチネルリンパ節への転移について質問させていただきました。

お忙しい中、ご回答いただきありがとうございます。

リンパ管侵襲→リンパ節転移を結び付けていました。

【確認①】
 手術で採った標本切片では、リンパ管侵襲は見られなかったが、
 病理検査時よりももっと細かく(2mm以下の世界)スライスしたら、
 リンパ管侵襲が確認できたかもしれないという理解であっていますか?

主治医に確認したところ、リンパ節に転移1個あったものは、微小転移でした。

————————————————————–
・センチネルリンパ節(1/1)、pN(sn)pN1mi(sn)
 複数の転移すが認められ、そのうち最大のものは370μm(0.35mm)の転移幅が見られます。

・HER2:2+ →追加FISH法にて、増幅ない(陰性)
————————————————————–

微小転移だったので追加でのリンパ郭清は不要、
HER2FISH法で増幅なし(陰性)のため抗がん剤治療不要という判断で理解いたしました。

主治医からは、「微小転移があったので、範囲を広げて(脇への)放射線照射もしましょう」ということになりました。

<<腋窩郭清が省略された場合の照射方法について>>
範囲を広げて照射するというのは、High Tangent法だと思うのですが、
放射線科での説明では、「今は微小転移(pN1mi)の場合は、High Tangent法ではなく、
リンパ節転移なし(pN0)と同じ通常範囲の放射線照射をしている」とのことでした。

【確認②】
 微小転移1個の場合、High Tangent法で照射するほうが、デメリット(後遺症など)は大きいでしょうか。

 大きく照射するに越したことはないと思っていたのですが、
 High Tangent法の照射の場合、リンパ浮腫リスクが上がるのでしょうか。

 微小転移といえども、pN0とpN1miが同じ照射範囲にするのか理由がわかりませんでした。

pN0とpN1mi郭清なしの場合でも、予後にほとんど差異がないというのに、
最初のステージでは異なる(転移無しステージ1、転移ありステージ2)のがつじつまが合わないなと感じています。

【確認③】
 私がリンパ節への微小転移を気にしているため、なかなか通常照射で合意できずにいたので、
 間を取って、High Tangentまではいかないが、通常照射でも若干上位を(気持ち)広げて照射しましょうか。
 となりました。
これは標準治療から外れてしまって、あまり意味のない、根拠のない方法になってしまいますか。

 リンパ節転移の根治よりも、単純にリンパ浮腫のリスクのほうが大きくなってしまうのでしょうか。

<<放射線治療回数、照射量について>>
転院前の病院、また主治医からは右全乳房照射25回+追加照射5回の計30回(60Gy)と聞いていましたが、
放射線科の説明では、「JASTRO 2020エビデンスに基づき、寡分割照射の方針に2021年1月から変えており、
右全乳房照射16回+追加照射4回の計20回(53.2Gy)になります。」という説明でした。

病院の方針は以下のとおりでした。

 <High Tangent法の場合>30回60Gy
 <通常範囲の場合>20回53.2Gy

私の場合、微小転移のため通常範囲となり、寡分割照射になるようです。

【確認④】
 ここ1ヶ月で方針が変わったため病院としての実績はないことから不安があるのですが、
 寡分割照射が有効な方法になるのでしょうか。

 乳癌診療ガイドラインを見たら、
  「50歳以上,乳房温存手術後のpT1―2N0,全身化学療法を行っていない,乳癌の患者では強く勧められる。」
  「それ以外の患者ではデータがいまだ十分とはいえず、行うことを弱く推奨する。」
 となっていました。

 私は40歳であります。
寡分割照射でよいのでしょうか。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは田澤です。

「【確認①】
 手術で採った標本切片では、リンパ管侵襲は見られなかったが、
 病理検査時よりももっと細かく(2mm以下の世界)スライスしたら、
 リンパ管侵襲が確認できたかもしれないという理解であっていますか?」

⇒誤り。
 リンパ管侵襲のことは忘れましょう。(全く無意味)

「微小転移といえども、pN0とpN1miが同じ照射範囲にするのか理由がわかりませんでした。」
⇒勘違い。

 微小転移では「摘出したリンパ節だけに(微小な)転移がある」だけで、身体に残っていないことが多いのです。
 だから、そこに照射する理由がない(つまりpN0と同じ)のです。

「 私は40歳であります。寡分割照射でよいのでしょうか。」
⇒当院では、そう(寡分割)していますよ。
 あまり考えすぎないようにしましょう。



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