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良性のしこりも抗がん剤で小さくなるのでしょうか?

[管理番号:9011]
性別:女性
年齢:42歳
病名:乳癌
症状:
投稿日:2020年11月20日

今年2月にステージ1の早期乳がんと診断され、4月に左胸の温存手術をし、5月に病理結果で
で顔つきの悪いタイプだと分かり、6月から術後抗がん剤(EC,パクリハーパー)をしています。

左胸の乳がんの他に良性の線維腺腫だろうとのことで手術で取っていない3ミリから6ミリ程度のしこりが左右の胸に何個かあったのですが、EC療法をはじめて2ヵ月ちょっとの間でエコーの画像上ですべて消えて見えなくなりました。

乳がん患者の方の集まったサイトで、良性のしこり(線維腺腫等)は小さくならないのではないかとお聞きし、私のしこりはサイズの変化があったので全部がんだったのではととても心配心配です。

そこでいくつか質問があります。

1.良性の線維腺腫や乳腺症等も抗がん剤をすることにより短期間でこのように見えなくなるほど小さくなることがあるのでしょうか?

2.実際に何だったのかを今から調べる方法はありますか?
見えなくなる前のしこりはMRI等で指摘されていたので再度MRI等をすれば分かるのでしょうか?
もし、1ミリや2ミリのものでも映れば針生検などで診断はつくのでしょうか?
もし何も映らなかったら何であったかどうかはもう分かる方法はないのでしょうか?

3.PETCT、MRIで乳がん疑いと指摘されても、全く問題のない良性のしこりだったということもよくあることなのでしょうか?

4.全てのしこりが乳がんであったと仮定すると、そのしこりのあったあたりを今から
でも手術手術で取り除いた方が良いのでしょうか?
それとも消えたのだから、今回は何も手術などせず、また再発した時に手術をすれば良いのでしょうか?

5.乳がんであった場合、抗がん剤で消えて無くなっても手術で取り除いていなければ
やはり再発はしてしまうのでしょうか?

6.12月から放射線治療に入るのですが、今検査等するべきことはあるのでしょうか?

お忙しところ申し訳ありませんが、ご回答いただければと思います。

よろしくお願いいたします。

【詳細】

〇手術で取った乳がん
浸潤性乳管癌(硬癌)+非浸潤性乳管癌
浸潤部の大きさ1センチ、リンパ節転移なし(0/1)、多臓器転移なし、核異型度3、
断端陰性、ER7/8、Pgr7/8、HER2 3+、Ki67 30~50%、再発リスク 中間~高リスク
術後治療 EC療法、パクリハーパー、ホルモン療法、放射線治療、ハーパー9か月
(針生検をしていなかったため術後にHER2陽性と分かり抗がん剤が決定しました)

〇手術で取っていないしこりでMRI等で指摘されたもの
①左胸 6×4ミリ
乳腺MRI 軽度の拡散制限を認めますが、実質の不均一性程度の変化であり有意とはいい難いい。

(細胞診をお願いしましたが良性に見えるとのことで断られました。)

②右胸3ミリ径
PETCT 両側性乳癌を疑う限局性のある集積を認める。

乳腺MRI 明らかな拡散制限を認めており悪性病変を疑う。

(細胞診で良性と出たため手術していません。
細胞診がうまくできていない可能性はあります。
右胸には他にも小さいしこりが何個かありました。)

 

田澤先生からの回答

こんにちは田澤です。

「1.良性の線維腺腫や乳腺症等も抗がん剤をすることにより短期間でこのように見えなくなるほど小さくなることがあるのでしょうか?」
⇒実際にあります。

 抗がん剤の副作用は正常細胞に対する副作用です。(つまり正常細胞も影響を受けるということ)
 良性とは言え増殖性が強い腫瘍であれば影響は受けやすいと思います。

「2.実際に何だったのかを今から調べる方法はありますか?
見えなくなる前のしこりはMRI等で指摘されていたので再度MRI等をすれば分かるのでしょうか?」
「もし何も映らなかったら何であったかどうかはもう分かる方法はないのでしょうか?」

⇒画像上消失していれば解りようがありません。

「もし、1ミリや2ミリのものでも映れば針生検などで診断はつくのでしょうか?」
⇒ターゲットがあれば(どんなに小さくても)診断はつきます。

「3.PETCT、MRIで乳がん疑いと指摘されても、全く問題のない良性のしこりだったということもよくあることなのでしょうか?」
⇒当たり前。(画像診断はあくまでも「参考」にすぎません)

「4.全てのしこりが乳がんであったと仮定すると、そのしこりのあったあたりを今からでも手術手術で取り除いた方が良いのでしょうか?
それとも消えたのだから、今回は何も手術などせず、また再発した時に手術をすれば良いのでしょうか?」

⇒診断が確定し無い以上手術をしなくてはいけない根拠がありません。

「5.乳がんであった場合、抗がん剤で消えて無くなっても手術で取り除いていなければやはり再発はしてしまうのでしょうか?」
⇒その可能性は高いでしょう。