[管理番号:7482]
性別:男性
年齢:25歳
病名:
症状:脇の下しこり?腫れ?
最近ストレスで、体調不良(食欲低下、胸痛、息苦しさ等)が続いており、肋間神経痛かな?とも思ったのですが、先生の見解をお聞き致したく質問させて頂きました。
自分は25歳の男で、1週間前あたりから、左脇に違和感があり、脇を開いたり閉じたりすると、脇下辺りに硬い腫れ?のようなものがあり、開いたり閉じたりする度それが動きます。
筋肉かな?ともおもったのですが、右脇と比べると明らかに大きさ、硬さに違いがあり、普段は痛みはなく、ときどき鈍痛?がするくらいで触っても特に痛みもしないです。
(腫れは見た目には変化がなく、触って分かる感じです)
①そもそも男の乳腺は乳頭にあるので、男性乳がんであれば「胸の上」でなく「乳輪」あたりにできると考えておりますが間違いないでしょうか。
また、男の場合は乳輪にしこりがなければ男性乳がんの可能性は皆無という認識でよろしいでしょうか。
②息苦しさや胸痛を感じた段階で、内科で心電図や肺のレントゲンを撮ってもらい異常がないと判断されたのですが、ストレスで胸の筋肉がこっている、若しくは副乳、リンパに触れてるだけの可能性が高いでしょうか。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご教授いただければ幸いでございます。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
男性乳癌
1.かなり稀
「かなり稀」な疾患です。
かつては女性乳がんの1%位と言われましたが…
(女性の)乳癌が急増したため、(おそらく男性乳癌は変化が無いので)相対的に男性乳癌は減っています。(当院でも年間1例程度なので、乳癌全体の1/400程度=0.25% 程度ということ)
2.高齢男性に起こる。
通常の(女性の)乳癌は著しく低年齢化しています。(低年齢化といっても20歳代前半は殆どありません あくまでも30歳代が増えてきたということ)
その一方で、男性乳癌は変化がなく、(私の経験上)「結構、若いな!」と思っても60歳以上です。
今まで60歳以下の男性乳癌を診た経験は無いし、殆どが70歳代後半から80歳代となります。(女性よりも圧倒的に高齢です)
女性化乳房
年齢的ピークは明確に2峰性です。
「青年期(10歳代後半~20歳代後半、時に30歳代まで)」に男性ホルモンの分泌が急上昇して、その男性ホルモンが(女性ホルモンではありません)乳腺を刺激したて「乳房痛」を起こしたり、「乳腺が大きくなる」ことがあります。
「中高年(主として60歳代~)」では(主として)薬剤性の女性化乳房が起こります。(前立腺や高血圧に対する薬剤、胃薬など原因は多岐にわたります)
〇まず上記をよく読んでください。
25歳の質問者が男性乳癌である可能性は、それだけで(私には)ほぼゼロと思えます。
「①そもそも男の乳腺は乳頭にあるので、男性乳がんであれば「胸の上」でなく「乳輪」あたりにできると考えておりますが間違いないでしょうか。」
→その通り、「乳頭直下」にしかできません。
「また、男の場合は乳輪にしこりがなければ男性乳がんの可能性は皆無という認識でよろしいでしょうか。」
→その通りです。
実際に「それ以外」で男性乳癌を疑うことはありません。
「ストレスで胸の筋肉がこっている、若しくは副乳、リンパに触れてるだけの可能性が高いでしょうか。」
→ストレスもあるでしょうが…
冒頭で示したように25歳という年齢からは「男性ホルモンの上昇」→(腋窩の)
「副乳への刺激:痛みや腫れ」だと思います。
★一度エコーしてもらいましょう。
おそらく、『何もないね。』と言われることでしょう。(殆どの乳腺外科医さえも、副乳を認識できないからです。ただ、異常なものが無いことだけは確認できます)