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温存手術(非浸潤)を強く勧められます

[管理番号:7367]
性別:女性
年齢:47歳
病名:左乳がん(非浸潤性の疑い)
症状:自覚症状なし、マンモ石灰化、エコーでの微小な腫瘤

10日後には手術というのに、切除をどうするか決めかねています。

宜しくお願い致します。

マンモで石灰化を指摘され、エコー下での細胞診でクラスⅤとなり、確定診断を受けました。
(細胞診で確定したので針生検は受けていません)

執刀医の先生のお見立てでは、「若干の浸潤はあるかも知れないが、画像を見る限り典型的な非浸潤がんではないか」とのことでした。

MRIで見える範囲の広がりは、線状に細長く約4センチ程度。

また、良性の腫瘤や嚢胞が両側に複数確認できました。

執刀医の先生は積極的に温存を勧めて下さるのですが、

・「4センチの広がり」は結構な広範囲なのではないか
・温存部に取り残しがあると局所再発するリスクがあるのでは(某サイトで、15年間の局所再発率が15-20%という記述を読みました)
・腫瘤や嚢胞が多いということは、温存部で新たながんが発生するリスクが人より高いのではないか
・生存率は変わらないと言われても、温存部で浸潤がんが芽を出すかも知れないと思うと、恐ろしくて恐ろしくて仕方がない

という理由から「全摘も視野に考えたい」と先生には伝えました。

しかし、先生のご意見によると、

・広がりの箇所は固まっているし、乳房も大きいので温存は充分可能。

・取り残しがないよう大きめに切除するのは当然だし、取り残しがあれば放射線で叩けば良いだけのこと。
(断端陽性なら追加照射で対応)

・非浸潤ならば、切って放射線を当てさえすれば完治。
局所再発も遠隔転移も理屈上あり得ない。

・サイトに載っている局所再発率の統計は、今の日本の統計ではないから額面通り受け取らなくて良い
・新たにがんが発生するリスクは右乳房も同じ。

両方きちんと経過観察して、何かあればすぐ対処すれば問題はない。

・何があっても対処できるのだから、レアケースに怯えなくても良い。

と、やはり強く温存を勧められます。

たくさんの症例を経験されたベテランの先生なので、「温存でも完治できます」という言葉を信用したい気持ちはあるのですが、最初にお世話になったクリニックの先生が、「怖いから全摘、という選択もアリだと思いますよ。
先生は温存推進派ですから」と仰ったのも多少引っかかっています。

必要以上に温存したがる先生ならば、話を半分にして考えなければいけないのかなという迷いが生じております。

そこで、今後の判断材料として、ご質問させていただきたいと思います。

どうぞ宜しくお願い致します。

①「局所的な4センチの広がり」は標準治療的にみて、温存の適用になるのか
②断端陽性の場合、追加切除ではなく追加照射で大丈夫なのか
③統計上、温存部に浸潤がんが芽を出す比率はどれぐらいか
④非浸潤で確定した場合「DCIS向けのオンコタイプDX」検査を受けた方が良いか。
⑤部分切除で経過を見つつ、恐怖感に耐えられなければ全摘、といった選択は可能か。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

〇一般論として
 温存可能かどうか?は
 1.大きさとしては「相対的」な要素が強い  同じ4cmでも(乳房の大きさによっては)「体積の10分の1程度」ということもありえるし、「体積の3分の1もしめてしまう」ということもあり得るのです。
 2.部位 結構関係します。 同じ4cmでも「端の4cm」と「乳頭近くの4cm」では全く異なります。(端の場合は薄いのでvolumeとして小さいのです)
 3.方向 乳頭方向の4cmは「実は」どうでもいいこと(本来、乳頭方向への乳管内進展を前提とした手術となるから)

 上記は、実際に画像を見て診察をしない限り判断はできないのです。

「①「局所的な4センチの広がり」は標準治療的にみて、温存の適用になるのか」
→不明(上記通り)「〇〇cmまでが温存の適応」などという数字は無いのです。

「②断端陽性の場合、追加切除ではなく追加照射で大丈夫なのか」
→程度によります。(広範囲の断端陽性ならば、追加切除すべきでしょう)

「③統計上、温存部に浸潤がんが芽を出す比率はどれぐらいか」
→そんな数字はありません。(多くはありません)
 手術のやり方(術者)によって異なるでしょう。

「④非浸潤で確定した場合「DCIS向けのオンコタイプDX」検査を受けた方が良いか。」
→不要(そもそも抗がん剤の適応自体が無いのに、何のためのOncotypeDX?)

「⑤部分切除で経過を見つつ、恐怖感に耐えられなければ全摘、といった選択は可能か。」
→勿論!
 現実にそういう方はいらっしゃいます。(何の問題もありません)

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