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乳房温存術後の一部乳輪壊死について

[管理番号:7617]
性別:女性
年齢:50歳
病名:乳癌
症状:

今後がとても不安です。

先生のご意見を宜しくお願い致します。

2019年7月(中旬)日に左乳房部分切除術を受け、(下旬)日に退院しました。

病理検査の結果はまだ出ていませんが、術前の検査では腫瘍径は8.5mmで広がりはなく局限とのこと。
タイプはルミナルAでした。

乳輪乳頭が無くなる事に抵抗があり温存手術を選択し、リンパへの転移もなくステージ1で無事に手術が終わったと思ったのですが、術後の合併症?血流不良?により乳輪乳頭の1部が壊死した状態になってしまいました。
術後は放射線治療、ホルモン治療の予定でしたが、まずは乳輪乳頭壊死の治療が優先と言うことで、総合病院の形成外科を紹介され診察を受けましたが、今の状態ではいつから放射線治療を始められるかわからないとの事です。

私としては、傷を治さなければ放射線治療を受けられない事も理解していますか、5カ月以内に放射線治療が受けられなければ局所再発の確率が上がるのでは?と、とても不安です。

このような事が可能なのかもわかりませんが、もう一度全摘手術を受けて放射線治療なしの方が良いのでしょうか?
半年以上経ってからの、放射線治療でも効果はありますか?
またホルモン療法は、いつから始めれば良いでしょうか?
まだ病理結果がでていませんが、術前の検査結果から、私の再発・遠隔転移の可能性は高いでしょうか?
この先、先生ならどのように治療を進めていけば良いか、ご意見を宜しくお願い致します。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「このような事が可能なのかもわかりませんが、もう一度全摘手術を受けて放射線治療なしの方が良いのでしょうか?」
⇒それは選択肢としてありますが、「傷の治りが悪いから、全摘する」というのは、再手術を行う理由としては一般的ではありません。(再手術を行う理由としては「病理結果で広がりが広く、取りきれていない」が一般的です)

 ただし、「傷の治りが悪く、放射線がスムーズにできないから不安なので」という理由で再手術(全摘)を行っても何ら問題はありません。

「半年以上経ってからの、放射線治療でも効果はありますか?」
⇒一応5か月以内というエビデンスがありますが…

「半年以上では効果が無い」などということはないでしょう。(1cm以下の小さな腫瘍なのだから、尚更慌てる必要はないでしょう)

「またホルモン療法は、いつから始めれば良いでしょうか?」
⇒今でしょ(笑)

 創傷治癒遅延とは関係ないと思いますよ。

「まだ病理結果がでていませんが、術前の検査結果から、私の再発・遠隔転移の可能性は高いでしょうか?」
⇒ここでいう「再発」とは「局所再発」ですか?
 「局所再発」には再発率などは存在しません。(「腫瘍の拡がり」や「手術のマージンの取り方」で、千差万別なので)

 「遠隔転移再発」と言い換えれば…
 5%以下となりそうです。