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オンコタイプDXに関して

[管理番号:8522]
性別:女性
年齢:38歳
病名:浸潤性乳管癌
症状:胸のしこり
投稿日:2020年5月13日

田澤先生初めまして。

始めて質問させていただきます。

明後日手術を控えております。

いつも田澤先生のブログを拝見させていただき、とてもとても勉強になり、参考にさせていただいております。
有難う御座います。

ご質問ですが、
私は、術前の針生検で
腫瘍径:10mm×11mm×12㎜
浸潤性乳管癌、stage Ⅰ
Luminal型(悪性度1、ER 陽性(7/8)、PgR  陰性(0/8)、ki-67 10%~14%)

これまでの田澤先生のコメントを拝見させていただきますと腫瘍径とstageが予後に大きく影響するとおっしゃられておられますが、オンコタイプDXの計算式を見ますとホルモン受容体が大きく影響しているような式になっています。

更に、色々な方がオンコタイプDXの結果を示されているのを拝見しますと、仮にリンパ節転移があったとしてもER、PgRが共に陽性の患者さんは再発スコアが比較的低リスクであるのに対し、リンパ節転移が無くてもER、PgRのどちらかが陰性のの患者さんは良くて中間リスク、高リスクという結果になっている傾向があるように思われます。

①実際のところ、オンコタイプDXはどのくらい信用できるものなのでしょうか。

②私は一般的には早期乳癌と思われる症例と自分では思っておりますが、PgRが陰性なので、仮ににオンコタイプDXを依頼しても中間リスクあるいは高リスクで戻ってくることは概ね推測されます。
低リスクで戻る可能性はありますでしょうか。
40万円と高額ですので事前に推測するままの結果ならあまり期待できる検査だとは思えないのが本音です。

すみませんが、ご教授お願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「①実際のところ、オンコタイプDXはどのくらい信用できるものなのでしょうか。」
⇒勘違いしないでください。

 あくまでもルミナールタイプで「抗がん剤をすべきか?」と言うための検査です。
 その目的としては、現時点で「これに勝るものはない」と言えます。(海外の主要国のガイドラインに入っています)
 ★それ以外の「Ki67]、「グレード」や「PgR陰性」などの単体での評価より優れていることは明らか

「②私は一般的には早期乳癌と思われる症例と自分では思っておりますが、PgRが陰性なので、仮にオンコタイプDXを依頼しても中間リスクあるいは高リスクで戻ってくることは概ね推測されます。
低リスクで戻る可能性はありますでしょうか。」

⇒頭でっかちになっているようですね。

 PgR陰性よりはKi67の方が数倍参考になります。
 Ki67=10~14%なのだから 80%の確率で「low risk」となります。
今週のコラム 220回目 30までは(抗がん剤の対象となる可能性が)十分に低く、OncotypeDXの恩恵を受ける中核は「31-45」だと理解できます。』参照してください。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

センチネルリンパ節転移について
性別:女性
年齢:38歳
病名:浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2020年5月22日

田澤先生、こんにちは。

以前オンコタイプDXについて迅速な御回答ありがとうございました。
誤解していた点もあり、大変参考になりました。

先週無事に手術が終わり、今、病理診断の結果を待っているところです。
お忙しい中申し訳ございませんが、今回も質問させてください。

術前病理では腫瘍径12mm、腫瘍部位BD、ステージ1、悪性度1、KI67 14%、ER陽性、HER2陰性、リンパ節転移無しでしたが、
術中に1.4mmセンチネルリンパ節転移(1/1に微小転移あり)、
レベルIまで腋窩リンパ節郭清を行なったみたいです。

主治医からの説明では、ステージ2以上、更にステージ3になる可能性まで指摘されています。
術前ではステージ1だったので、ステージ3までは想定しておらず、とても動揺しています。

そこで質問ですが、
①ステージ3までの可能性を説明されたのは、私にその可能性が高いからでしょうか??医師はどの患者さんにも可能性として説明はされるのでしょうか?

②手術時に非センチネルリンパ節の腫れ等は肉眼で確認し怪しいと分かるものなのでしょうか??

③また、肉眼で腫れていた場合は転移している可能性は高いのでしょうか??

④腫瘍部位がセンチネルリンパ節と距離もあるBDで腫瘍径が比較的大きくはないのに腋窩まで転移したのは、もともと転移しやすい癌なのでしょうか??
宜しくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「①ステージ3までの可能性を説明されたのは、私にその可能性が高いからでしょうか??医師はどの患者さんにも可能性として説明はされるのでしょうか?」
⇒あくまでも「可能性」として一般論として話したと思いますよ。

 追加郭清したのだから、(結果として)リンパ節転移が4個以上だと3Aとなるのです。

「②手術時に非センチネルリンパ節の腫れ等は肉眼で確認し怪しいと分かるものなのでしょうか??」
⇒「明らか」なものはありますが、(術前エコーで怪しくなかったわけだから)肉眼では判断つかないと思います。

「③また、肉眼で腫れていた場合は転移している可能性は高いのでしょうか??」
⇒「硬く」無い限り、判断はできません。

「④腫瘍部位がセンチネルリンパ節と距離もあるBDで腫瘍径が比較的大きくはないのに腋窩まで転移したのは、もともと転移しやすい癌なのでしょうか??」
⇒「転移」は明確に「血行性転移(血管に入って遠隔転移すること)」と「リンパ行性転移(リンパ管に入ってリンパ節転移すること)」に明確に分けましょう。

 「リンパ行性転移」があったからといって、それが「血行性転移しやすい」とは限りません。