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病理結果の中間リスクとOncotype DXの高リスク

[管理番号:4019]
性別:女性
年齢:48歳
はじめまして。
こちらで自分と似た症例を文字通りしらみつぶしに読みあさりましたが、どうしても答えが出せずにいます。
似た質問は確かにありましが下記に言及しているものはなかったように思うので、よろしくお願い致します。
 
■病理レポート
浸潤径23mm/リンパ節転移なし/リンパ・静脈侵襲なし/ホルモン陽性/グレード2/Her2陰性/Ki67:30-40%
主治医にも進められOncotype DXを実施しハイスコア(35)という結果が戻り化学療法の適応になりました。
抗がん剤はAC-TかTCを選ぶように言われ色々調べたのですが、Oncotype DXの高リスクの場合の化学療法の選択方法は見つけられませんでした。
  
そこでTC療法について調べてみると、中間リスクの「短期間の化学療法で十分とされる患者」とありました。
高リスクの場合はAC→T、EC→T、FEC→Tなどと書いてあることが多いです。
この場合の高リスクとは、ステージ3やステージ2b以上、リンパ節転移有り、グレード3などと示している場合も有ります。
 
上記に従うと私は高リスクではないし、St.Gallenのリスク分類では中間リスクに入ります。
ですがOncotype DXでは高リスクに入ってしまいます。
田澤先生は、アンスラタキサンは「トリプルネガティブ」や「ルミナールBハイリスク」で行うべきものと他の方に回答されているのも読みました。
私の場合、ルミナールBで“Oncotype DX”ハイリスクです。
 
全体の病理結果と細胞遺伝子を調べたものでは違う検査だという事は分かってはいるのですが、自分をどの位置に置いていいのか分かりません。
 
個々の遺伝子を分析して“ 再発スコア ”としては“ 高い ”のだからAC→Tの方が良いのか、それとも田澤先生がこちらで何度もおっしゃっている「ルミナールで早期(高リスクではない)なのでTC」でよいのかご教示ください。
 
Oncotype DXが今手元にないので詳しい数値は書けませんが、私の場合ER、PR共に値がPositiveの下から3分の1ぐらいの位置にあり、タモキシフェンの効果が少ないのではと危惧しています(Oncotype DXの説明書きにも高値の方が
効果があると書いてあり、再発スコアの計算にも使われているとありました)。
その事もあり今のうちにAC→Tで治療した方が良いのかもしれないと迷いが生じてしまったのです。
だからと言って6ヶ月もかかる治療を受けるのには躊躇しているのも事実です。
よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
Oncotype DXでの「RS>30(ハイリスク)」と化学療法を選択する上での「中間リスクや高リスク」の関係性ですね。
確かに、全く違う概念(Oncotype DXでのリスク分類はステージとは必ずしもリンクせずに純粋に化学療法をしなくてはならない=ハイリスクという考え方)と思います。
○ルミナールタイプとして考えると
 ステージ低い、RS低い:ホルモン療法
 ステージ低い、RS高い:ホルモン療法+化学療法(TC)
 ステージ高い、RS低い:ホルモン療法
 ステージ高い、RS高い:ホルモン療法+化学療法(アンスラタキサン)
 以上が妥当だと思います。
「ルミナールで早期(高リスクではない)なのでTC」でよいのかご教示ください。」
⇒「TCでよい」と思います。