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乳頭分泌液

[管理番号:588]
性別:女性
年齢:43歳
そちらの病院にお伺いしたいのでいくつか
質問させてください。
一ヶ月くらい前に気が付いたのですが
左胸の乳頭から分泌物が出ます。
押すと(絞り出すと)出る感じで、色は黄色みがかった透明です。
いつも同じところから出るようです。しこりはないと思います。
右胸は絞っても出ません。
それで胸を意識しているせいか
胸が張って痛い、チクチクする時があります。
出産は2回。 一度 授乳中乳腺炎(?)になった事があります。
乳がん検診の記録を見たところ
2011年より受けていませんでした。
(2011年マンモグラフィーで 左胸に石灰化・良性との事)
どのような病気が予想されるのでしょうか。
そちらの病院にお伺いしたいのですが
どのような検査をして結果はいつ分かるのか。
(病状によって違うのだと思いますが)
何日後に検査結果をまた聞きに行く、 
または 手術の場合はどのような手術で何日必要なのか。
仕事をしているため、都合をつけて早めに病院に予約 お伺いしたいと思っています。
お忙しいところすみません。
よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 メール内容からは「単孔性分泌」のようですね。
 是非当院を受診してください。

回答

「どのような病気が予想されるのでしょうか。」
⇒「黄色みがかった透明です。いつも同じところから出る」からすると、明らかに『乳管内病変』です。
 この場合の「乳管内病変」としては『乳管内乳頭腫か乳癌(しこりが無ければ非浸潤癌)』となります。
 どちらの可能性が高いかは、「乳管造影の所見」「年齢」「分泌液の正常(色)」によります。
 
「どのような検査をして結果はいつ分かるのか。」
⇒乳管造影をします。
 結果は、その日の内に解ります(乳管から造影剤を注入 0.1~0.2ml程度⇒そのままマンモグラフィーを撮影)
 
「手術の場合はどのような手術で何日必要なのか。」
⇒乳管造影の結果、「明らかな乳管内病変の存在が示唆=造影欠損の存在」されれば、「乳管区域切除」を行います。
 
 これは、(術中に分泌乳管に色素を注入し)「染色された乳管を摘出する」という全身麻酔下の手術(手術時間は30分程度)です。
 2泊3日(前日入院、翌日退院)です。
 退院後、すぐにでも仕事復帰できます。(安静不要)
 
○全体の流れを示すと
 (当日)乳管造影⇒「乳管内病変の存在確認」(乳管区域切除の方針となれば、その日の内に全身麻酔の検査:採血、心電図、呼吸機能、胸部レントゲンを撮影すれば、途中来院不要です)
 (後日)乳管区域切除(2泊3日)
 (術後2週間目で病理結果)ここで、(良性である)「乳管内乳頭腫であれば、治療は終了」
 乳癌であれば、追加治療の相談(どの程度の乳癌かによります)
 ♯上記のように「頻回の通院は不要」です。
 
 
 

 

質問者様から 【質問2 区域切除術について】

先日は丁寧な回答をありがとうございました。
早速 予約を取らせていただきました。
勇気を出してこちらのQ&Aに相談し
診察の予約をする事が出来て本当に良かったです。
もしも悪いものがあるなら早く見つけて治療をしたいです。
乳間内乳頭腫だった場合の
乳管区域切除術について教えてください。
手術による 傷の大きさや 乳房の変形などはどの程度なのでしょうか?
(乳管内の病変の範囲や大きさ(?)などによって違うのだと思いますが)
全身麻酔での手術などしたことがなく
大きな手術でないと聞いても少し緊張します。
こちらの皆さんのQ&Aを読ませていただいたり
先生の回答・解説を読んでとても勉強になりました。
自分の乳房に関心を持って毎月セルフチェックする事。
女性なのだから乳がんの知識をきちんと持って
早期発見・早期治療が大切なのだと改めて気がつきました。
これから診察・治療でお世話になります。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

 こんにちは。田澤です。
 「単孔性分泌」で当院予約していただきありがとうございます。
 きちんとした診療をしますので、御安心ください。

回答

「手術による 傷の大きさや 乳房の変形などはどの程度」
⇒傷は「傍乳輪切開」と言って、「乳輪に沿った切開」なので「3~4cm」となります。
 ただし、乳輪のラインに沿うので、傷は全く目立ちません。
⇒乳房の変形は殆どありません。
 切除する乳管系は「非常にvolumeの小さなもの」です。
 乳腺全体の10分の1以下でしょう。
 ♯余程の事(超音波で広範囲に腫瘍が解る状態)でもない限り、『乳管内の病変の範囲や大きさ(?)』とは関係ありません。
 
「大きな手術でない」
⇒その通りです。
 手術時間は20分程度です。
 ただ「全身麻酔が必要」なのは、「目的の乳管だけ」を正確に摘出するためなのです。
 局所麻酔では「麻酔薬が入る」時点で、正確さを失ってしまうのです。
○乳管造影及び乳管区域切除の精度はお任せください。