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乳頭からのまとまった出血について

[管理番号:4801]
性別:女性
年齢:46歳
初めて質問させていただきます。
8か月前に健康診断で、
・両胸から乳頭分泌(白濁色)
・右胸に2mm×3mmの嚢胞
が見られるので要精密検査と言われましたが、
仕事が多忙で受診できないまま、放置していました。
すると先日、朝起きたらパジャマの右胸部分に500円玉大の出血跡(鮮やかな赤色)が
べったりと付着していました。
外傷は見当たらず、翌日、クリニックの乳腺科を受診しました。
クリニックではマンモグラフィーと超音波検査を行いましたが、
良性と思われる石灰化と嚢胞が見られるのみで、悪性らしき腫瘍は見つけられませんでした。
とはいえ、明らかにまとまった出血があるので、「乳管に悪性もしくは良性の腫瘍がある可能性がある」との見解で、分泌液の細胞診手配後、大学病院を紹介されました。
(その日は診察時に手で絞っても出血がありましたが、マンモグラフィーで手指が血まみれになるほど右胸から出血し、
夜も少量の出血が見られました)
翌日夜も、出血がありました(ティッシュで拭うと直径1mmほどの量)
目で見た限り、単孔出血と思われます。
痛みは全くありません。
昨日(前回の検査から1週間後)、大学病院の乳腺科を受診しましたが、
そのときには乳頭からの分泌は一切なく、右胸の乳頭にかさぶたが出来ていたのみとのことでした。
(絞っても何も分泌されませんでした。
今現在、分泌は止まっているようです)。
そこで、次回の生理がきたら、MRIの撮影日程を決めるという話になり、再度超音波検査を行い、
その日の診療は終了しました(前クリニックでの分泌液細胞診の結果はまだ出ていません)。
私が不安に思うのは、
・MRIできちんと乳がんかどうかの判断ができるのか
ということです。
今まで、乳頭分泌物があること自体は自分でも自覚していましたが、出血は初めての上、しかも突然これほどまとまった量の出血があったので、とても不安です。
大学病院では「次回の生理が来ないとMRIの日程を決められない」とのこと。
ストレスか年齢のせいかわかりませんが、次回生理の予定も遅れているので、いつ検査ができるかわかりません。
実は今月末で退職が決定しており、転職活動中です。
早ければ来月に
入ったらすぐ新しい職場で
働き始めるかもしれないのですが、もし、要手術となる可能性も考えると、
このまま就職話を進めてしまっていいのか不安に思います。
大学病院での診断を待たずに、乳管造影が可能な病院を受診した方がいいでしょうか。
(ただ、乳頭分泌が止まっている状態では不可とのことなので、そちらも不安です)。
最初に受診したクリニックの医師は「原因は特定させたい」ので、もし紹介先の大学病院で
判断できなければ、他の大学病院へ紹介・検査を受けてもらうことになるかもしれない
とおっしゃっていましたが、MRIの検査が終わるまで大学病院の判断を待った方がいいでしょうか。
診断が確定されるまでの間、待っているのが不安でたまりません。
以上、長くなりましたが、よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
まず乳頭分泌に関しては冷静になることが重要です。
決して「ブラックボックス」に入れずに(自分で)正しく状況を理解することです。
「・両胸から乳頭分泌(白濁色)・右胸に2mm×3mmの嚢胞」
⇒この両方とも「何故、要精査となるのか??」全く私には理解できません。
 (要精査と指示した)検診医の判断自体、「全くの誤り」と言えます(おそらく、乳頭分泌の意義を全く理解していない)
「そこで、次回の生理がきたら、MRIの撮影日程を決めるという話になり」
⇒このメールを途中まで読んでいて…
 「乳頭分泌で大学病院へ紹介」という「くだり」を見た瞬間、(大学病院の医師は)「きっとMRIを撮るだろう」という予測をしました。(命中ですね。)
「前クリニックでの分泌液細胞診の結果はまだ出ていません」
⇒そんなものは「全く無意味」です。
 「あぁ、血液ですね」で終了です。
「MRIできちんと乳がんかどうかの判断ができるのか」
⇒全く無意味です。
 MRIを診断目的で行おうとする発想自体、いかにも「大学病院的」といわざるをえません。
 きっと「MRIでは異常がないから…」で終了です。(自らエコーを放棄したことで、過度なMRI信仰ができているようです)
「突然これほどまとまった量の出血があったので、とても不安」
⇒出血に対する不安は人類共通です。
 ただ、私がみる限り「むしろ逆」の見かたをします。
1.(もしも乳管内病変が原因の血性分泌であれば)それだけ大量に出るのであれば「超音波で見える程度の大きさの病変」がある筈です。
  ♯超音波で見えない程度の小病変からの分泌としては量が多いと思います。(むしろ、年齢やストレス状況を考えると卵巣からのホルモン分泌が不安定で乳管の増生時に出血したのでは?と考えます)
2.血性(血液が混じる)というよりも「血液そのもの」という点⇒(乳管内腫瘍からの分泌というよりも、「よりダイレクトな傷からの出血」を想像させます)
3.「ストレスか年齢のせいかわかりませんが、次回生理の予定も遅れている」
「実は今月末で退職が決定しており、転職活動中」⇒卵巣は明らかに「不安定」となっています。(これは大注目すべきです)
「大学病院での診断を待たずに、乳管造影が可能な病院を受診した方がいいでしょうか。」
⇒大学病院でMRIを撮っても「何の解決にもなりません」が…
 分泌が止まっているのだから「乳管造影」はできません。
「ただ、乳頭分泌が止まっている状態では不可とのことなので、そちらも不安」
⇒気持ちは解りますが…
 私のコラムを読めば「乳管内病変は待つ事が重要」だと気づく筈です。(現状、超音波で見えるような粗大病変が無いのだから、全く慌てる必要がない状況だと理解できますか??)
 
 「浮きは沈むまで待て」これは釣り人への戒め(?)ですが、多くの乳頭分泌は
「一過性」であり継続しません。(継続しないものは、「どうでもいい分泌」だということです)
 ☆質問者の場合「血液」が気になる気持ちもわかりますが、「継続するのか?」その方が百倍も重要なのです。
「最初に受診したクリニックの医師は「原因は特定させたい」」
⇒このクリニックの医師は「乳頭分泌」について理解が乏しいのではないかと思います。
 それが余計に「質問者に不安を与えている」のかもしれませんね。
「診断が確定されるまでの間、待っているのが不安でたまりません。」
⇒解りましたか??
 まずは冷静になりましょう。(動揺する必要など全くありません)
 ☆「浮きは沈むまで待て」まさに、そういうことなのです。
  『今週のコラム 36回目 もしも本当に「乳管内病変が存在」すれば、「浮きの方から沈んでくれる」ので心配ありません。』をご参照ください。