[管理番号:8182]
性別:女性
年齢:41歳
病名:乳腺症
症状:胸のしこり
はじめまして。
質問させていただきます。
先日右胸にシコリを見つけ、近所の乳腺外科を受診したところ、
エコーで1.7センチの低エコー領域があり血流もあるので、大きな病院で細胞を見てもらいなさいと言われ、検査に行きました。
マンモグラフィーでは所見無し。
尖刺吸引細胞診を実施し、2週間後の結果が悪性の疑い 二相性マイナス 粘液産生細胞
(粘液癌)細胞異形あり(腺癌)
とパソコンには書いてありました。
医師は、黒寄りのグレーだと言い、更に検査を。
との事で針生検、MRI検査をする事になりました。
覚悟を決めて、結果を聞きに行ったところMRI所見無し
針生検は、真ん中の辺りには悪いものは全く無い。
隅の方に尖刺吸引細胞診の時と似ている細胞があるとの話。
医師の勧めで、マンモトーム生検を実施したら異常なしでした。
半年後の経過観察となりましたが、凄くモヤモヤして不安が拭えません。
三度目の結果を聞きに行った時、アポクリン化生と打ち込まれたパソコン画面を見ました。
私は、正常の乳腺の中に粘液を産生するような細胞がある事が異常だと思いましたが、その事に関して説明をしてくれませんでした。
これだけの検査をして癌では無い事がわかったのに、尖刺吸引細胞診の結果を引きずるのは、おかしい。
と怒られてし
まいました。
シコリもあり、異常細胞があるかもしれないのに手術も何もしないのが不安です。
この状況で手術をしてくれる医者はいないと思った方が良いのでしょうか。
質問をまとめます
①粘液産生細胞出現、細胞異形は癌では無くても よくある事なのでしょうか。
②先生から見て、手術という選択肢はありますか。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
率直言って、(私からみると)診療に非常な違和感があります。
質問の本筋から脱線していることは承知の上、言わせてもらいます。
違和感①
「大きな病院で細胞を見てもらいなさい」と言った近所の乳腺外科
→??
「乳腺外科」なのですよね?
その医師は「乳腺外科医」なのですよね?
「疑わしい時には(自分で針の検査も一切せず)大きな病院へ(そのまま)紹介する?」
その医師の役割は何?
★乳腺外科医だったら、自分で診断しなさい(そのために、居るのではないの??)
違和感②
「エコーで1.7センチの低エコー領域があり血流もある」として紹介されて診察している「大病院」の医師
何故、最初からMMTEしないの?
結局、(最終的に)MMTEしたわけだから「MMTEでしか、確定診断と言えない」所見なわけですよね?
それでいて、最初に細胞診しているのは何故? 細胞診で良性だったら「それで終了」にするつもりだったの??
★私からみれば、非常に診療が「まだらっこしく」患者さんにとって「うんざり」するのでは?
前医で「怪しい」と紹介されてきた以上、細胞診をする意味がある?(「怪しい」と言われた以上、細胞診程度で「良性と確定診断」することはできないのです)
★★何故、このようなコメントを敢えてしたのかというと…
こういった診療姿勢が「そのMMTEの精度に信頼おけるのか?」の参考になると思うからです。
普段から(躊躇なく)MMTEしている私から見れば、(この手の医師は)「なるべくMMTEを避けている」ように見えるのです。(避けていなければ、最初からMMTEでいいのですから)
そのように避けている医師が「その手技に成熟する」ことは考えにくいですよね?
(そういうことです)
本題へ戻ります。
「①粘液産生細胞出現、細胞異形は癌では無くても よくある事なのでしょうか」
→勿論「よく」はありません。
ただし、(例えばMLL:mucocele like lesionのように)良性病変でもあります。
「②先生から見て、手術という選択肢はありますか」
→勿論、あります。
患者さんが気になっている以上、手術して行けない理由は全くありません。
手術したら如何ですか?
質問者様から 【結果2 】
検査の危うさ
性別:女性
年齢:43歳
病名:浸潤性乳管癌(乳頭腺管癌)
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]
田澤先生、こんにちは
1年以上前ですが質問にお答えいただき、ありがとうございました。
あれから、手術をしてもらう方向で2つ目の病院を受診しましたが、
「確実に悪いものがあるとわかっていなければ、手術はできません。」と言われました。
しかし、前にはマンモグラフィで写っていなかった微細線状石灰化が見つかった為、
2020年11月 針生検→乳腺症の診断
2021年1月 マンモトーム生検→浸潤性乳管癌の診断
となりました。
術前の画像診断→ほとんどDCISでリンパ節転移は無し
3月手術後の病理結果
乳房切除
浸潤がんの大きさ 12×7ミリ
組織学的グレード
リンパ管侵襲+ 血管侵襲−
リンパ節転移あり 2/13(ミクロ転移1 マクロ転移1)
切除断端 陰性
ER:7 PgR:5
HER2 陰性
Ki67 5%(術前16%)
↑手術時は、最終月経後5日、マンモトーム時は最終月経後14日のため差が出たのでは??と素人考えではありますが想像してしまいます。
主治医からは、TC療法1クールを提示されました。(その後ホルモン療法5年)
心配ならEC療法+タキサンでも良いという感じです。
田澤先生からしたら意味が無いと思われるかもしれませんが、EC療法+タキサンの治療をしようと思っています。
万が一、癌が残っていた場合に5年のホルモン療法で再発しなくなる理由がわからないからです。(寿命を引き延ばしたい)
毎年検査を受けていても、何回検査しても乳癌を見つける事ができない人がたくさんいらっしゃる事が、とても悔しいです。血液や涙で検査する方法が開発されていますが、結局画像中心とした検査で、「悪いとわかっていなければ治療できません。」と言われてしまうのでは・・。と思う今日この頃です。