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乳腺症 乳汁分泌

[管理番号:2639]
性別:女性
年齢:38歳
田澤先生、いくつか質問させてください。
よろしくお願いします。
①この3ヶ月程前から両胸が痛みます。
年末に受けた人間ドックでエコーもマンモも問題ありませんでした。
心配だったので乳腺科でも診てもらい乳腺症と言われました。
(エコーのみの診察でした)
年齢によるものだと言われましたが、今まで胸が痛いなんて感じたことなくいまだに不安です。
右胸だったり左胸だったり両胸がチクチクするような針で刺されたような痛みがあります。
乳腺症ってこんなに不快なものなのでしょうか?
また新たに受診が必要でしょうか?
乳腺科の先生であれば乳腺症と乳癌の区別はたやすくできるものですか?(失礼な発言申し訳ありません)
②卒乳して1年が経ちます。
胸を絞るとほんの少し黄色~白っぽい色乳汁が出ます。
(両胸から出たり、片側からだけ出たりします)
これも乳腺科で伝えて血が混じっていなければ大丈夫と言われました。
血が混じると乳癌の可能性があると教えてもらってから、毎日チェックのために絞るクセがついてしまいました。
でも絞った刺激で逆に血がでてしまいそうで怖いです。。。
毎日絞らなくてもいいですか?
やはり絞って毎日自己チェックする方が早期発見につながるのでしょうか??
実際に血性や血性に関わらず乳汁が出て、乳癌や乳腺の病気と診断される方は自分でわざわざ絞らなくても、下着に付くなどの症状があるものなのでしょうか?
どのようなことに注意しておけばよいでしょうか??
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
私のように、毎日外来診療をしていると「いかに、乳房痛で心配されている方が多いか!」を日々実感する毎日です。
「①この3ヶ月程前から両胸が痛みます。年末に受けた人間ドックでエコーもマンモも問題ありませんでした。心配だったので乳腺科でも診てもらい乳腺症と言われました。」
⇒その通りです。
 ご心配なく。
 
「(エコーのみの診察でした)」
⇒年齢的には「エコーだけで十分」です。(しかも年末にマンモも検診してますね)
 
「年齢によるものだと言われましたが、今まで胸が痛いなんて感じたことなくいまだに不安」
⇒全く心配ありません。
 「今まで感じた事無く」とありますが、だからこそ「年齢によるもの」なのです。
 それまでの(若い年齢では)「そのような症状は無い」ことが多いのです。
 
「右胸だったり左胸だったり両胸がチクチクするような針で刺されたような痛み」
⇒典型的な「女性ホルモンによる刺激症状」です。
 更に「脇」とか「背中」なども痛くなることがあります。
 質問者にとっては「不安」だとは思いますが、毎日「同様の訴えの患者さんを診察して、異常がないことを確認している」私には「不安には感じません」
 
「乳腺症ってこんなに不快なものなのでしょうか?」
⇒その通りです。
 逆にいうと、「そのような症状を引き起こす病気」は(乳がんも含めて)無いのです。
 
「また新たに受診が必要でしょうか?」
⇒不要です。
 ご安心を。
 
「乳腺科の先生であれば乳腺症と乳癌の区別はたやすくできるものですか」
⇒勿論です。
 しかも「症状をどう考えても」乳癌とは結び付きません。
 
「②卒乳して1年が経ちます。胸を絞るとほんの少し黄色~白っぽい色乳汁が出ます。」
⇒当たり前の事です。
 心配ありません。
 「卒乳後、数年」続くことも「ザラ」です。
 
「(両胸から出たり、片側からだけ出たりします)これも乳腺科で伝えて血が混じっていなければ大丈夫と言われました。」
⇒「血性は無関係」です。
 「両胸からでている」時点で「全く心配」ありません。
 
「血が混じると乳癌の可能性があると教えて」
⇒これは(私から言わせると)誤った考え方です。
 むしろ分泌は「片側の単孔性」であるかどうかが重要です。
 「妊娠、出産、授乳、卒乳から暫く」は「血性分泌があっても異常ではない」ことが多いです。
 
「絞った刺激で逆に血がでてしまいそうで怖いです。」
⇒「血性」から「考え方」を変えましょう。
 ○乳癌を含めた「乳管内病変」は「通常、1つの乳管から発生」するので「単孔性」となるのです。(乳癌だからといって、血性となるわけではありません)
 
「毎日絞らなくてもいいですか?」
⇒不要です。
 「卒乳後に分泌が有る事自体」は「無意味」なことです。
 分泌から「頭を切り替え」ましょう。
 
「やはり絞って毎日自己チェックする方が早期発見につながるのでしょうか??」
⇒違います。
 「早期発見」は「しこりに注意すること」なのです。
 ○分泌は「下着につく」ことで十分です。
 
「実際に血性や血性に関わらず乳汁が出て、乳癌や乳腺の病気と診断される方は、自分でわざわざ絞らなくても、下着に付くなどの症状があるものなのでしょうか?」
⇒それが、「圧倒的に多い」です。
 
「どのようなことに注意しておけばよいでしょうか??」
⇒「月に1回の自己検診(シコリのチェック)」です。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生、よろしくお願いします。
両胸の痛みはホルモンバランスの乱れによる乳腺症であることは理解でき不安もなくなりました。
ありがとうございました。
また別件で質問させてください。
現在第2子を不妊治療中です。
体外受精に挑戦しようとしています。
第1子も体外受精でした。
不妊治療にあたりプラノバールやエストラーナテープというホルモン剤を使用しています。
第1子の時も使用していました。
(3年前です)
プラノバールやエストラーナテープをインターネットで調べると「乳腺症の人には注意して投与」と書いてありました。
私の乳腺症がどれ程の乳腺症かは分かりませんが、乳腺科の先生からは、
特別薬が必要と言われた訳ではなく年齢によるものと言われています。
確かに言われてみれば、プラノバールやエストラーナテープを使用してから、両胸の痛みが強くなった気もしますが、そこまでひどくありません。
不妊治療の先生は私が乳腺症であることを知りません。
次回受診の際に言ってみますが、乳腺症の私はプラノバールやエストラーナテープなど不妊治療の際に使用するホルモン剤は使用しないほうが良いのでしょうか??
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
乳腺症は「決して、病気ではありません」
女性は誰しも、いつかは「卵巣機能が低下して分泌が不安定となる」時期がきます。
(60歳、70歳でも閉経していないなんてあり得ないのです)
ただ、「それに伴って起こる症状(乳房痛や不快感、乳腺が硬くなる程度)の程度が様々」なわけです。
其の程度が強く「病院を受診した際に」何か病名をつけようとすると(正確に言えば「乳腺症は病名ではありません。症状を表す用語です」)乳腺症となるのです。
「次回受診の際に言ってみますが、乳腺症の私はプラノバールやエストラーナテープなど不妊治療の際に使用するホルモン剤は使用しないほうが良いのでしょうか??」
⇒全く無関係です。
 「乳腺症」は病気ではありません。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生いつもありがとうございます。
また質問させてください。
乳汁分泌の件です。
今年1月に胸を絞ると乳汁分泌があったので細胞診をしてもらって異形細胞は認めません。
という結果でした。
報告書の出現細胞という欄に好中球1+、リンパ球1+、組織球1プラスとありました。
赤血球の欄は空白でした。
先週になって胸を絞ってみるとやや黄色くなっていたので心配になり、別の病院で、また細胞診をしました。
報告書には異形細胞は認めません。
とあるのですが、白血球1+、赤血球を少量認めます。
導管円柱上皮細胞を極めて少数認めます。
とありました。
乳汁に血が混じっていたら良くないと聞いていた私は、先生に赤血球を少量認めるとはどういう事か?と尋ねたら絞りすぎで血が混じっているのかな?と返答がありましたが、そこまで絞っていません。
この数ヶ月の間に血が混じって乳癌の症状が出たのでしょうか??
また導管円柱上皮細胞を極めて少数認めます。
も以前はなかったので不安になっています。
そもそも赤血球が少量あっても、異形細胞は認めません。
とあるので心配不要なのでしょうか?
細胞診判定の欄にはnegativeクラス分類Ⅱとありました。
先生は赤血球を少量認めます。
とあっても特別重要視してなく、問題ありませんよ。
という感じでした。
私が聞いても確かに血が混じっていたら乳癌ってこともあるけど、あなたの場合は違うでしょう。
とおっしゃっていました。
田澤先生のご意見、診断をお聞かせください。
混乱しており乱文失礼しました。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
乳汁分泌ですね。
「分泌液の細胞診」など何の意味もありません。
「田澤先生のご意見、診断をお聞かせください。」
⇒申し訳ないですが…
 全く無駄な診療にしか見えません。「乳管造影はできない」のでしょうか?
○異常乳頭分泌の診療
 「乳頭分泌の何が本質」なのか?
 これは『乳管内病変(乳がんも含む)があるのかどうか?』これに尽きます。
 乳管内病変を考えれば…
 ①多孔性分泌は全く無意味(同時に複数の乳管内病変が発生しているなんて考える事自体ナンセンスなのです)
 ②単孔性であれば、その乳管内に「しこりがあるのかどうか?」⇒それは『乳管造影しかない』のです。
★分泌液の中に「赤血球がある」これは単に出血しただけにすぎません。そんなことは「何の意味も無い」ことです。
 「出血=癌ではないのです」