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乳腺症で経過観察中のしこりについて

[管理番号:5507]
性別:女性
年齢:34歳
こんにちは。
現在、34才、妊娠25週の妊婦です。
不安に思うことがあり、先生にぜひご意見を
いただきたく、質問させていただきます。
よろしくお願いします。
20代後半から右胸の上側に気になるしこりが
あり、31才で家の近くの病院の外科(乳腺専門の先生ではありませんでしたが、乳腺治療に力を入れておられ、手術もたくさんしてみえました)を受診しました。
それから2年半ほど経過観察中です。
経緯は以下の通りです。
2015年1月
【A病院】エコー、マンモ、MRIをうけ、乳腺症と言われ経過観察に
2016年3月~5月
【A病院】エコー、マンモでは去年とあまり変わりないが、念のため針生検(細胞診だったかもしれません)
結果→浸潤性乳癌vs乳管内乳頭腫 鑑別困難
後日、さらに太い針で針生検(検査後、さらしのようにぐるぐる包帯を巻きました。
マンモトームだと思います。)
結果→乳腺症
同時に行ったMRIの検査は、去年と形状等変化がないので乳腺症との診断。
経過観察に。
先生が転勤されたため、B病院乳腺外科へ紹介。
2017年3月
【B病院】エコー、マンモ。
形があやしいが、前回と形や大きさが変わりないので、経過観察でよいと。
半年後、予約を入れると「経過観察の患者さんは乳腺の先生ではなく、外科の先生になります(かなり若い先生)」と言われ、不安になり、C病院乳腺外科へ紹介してもらう。
2017年9月
【C病院】妊娠中のため、エコーのみ
しこりが1.6ミリから3.7ミリになっているので針生検をする予定。
ここで、質問です。
①エコーの画像を見ると、どの先生も「うーん」といった反応で、乳癌に見えるのかなという感じです。
乳腺症でもそういったものは多いのでしょうか?
②A病院で受けた最初の針生検で、浸潤性乳癌
vs乳管内乳頭腫で鑑別困難と出た後、2回目の針生検で乳腺症となったのがずっと気になっています。
鑑別困難でも具体的な病名が出ているのに、2回目の針生検で乳腺症となることもあるのでしょうか?
③上記の検査で、非浸潤性ではなく、浸潤性という名前が出たことが不安で、もしそうだったら今はかなり進行してしまっていないかとすごく不安です。
いかがですか?
(当時の先生は、悪性でも非浸潤だと思うとおっしゃってました…)
④今回、しこりが大きくなっていましたが、妊娠の影響はありますか?
また、今回は技師さんがエコーをやられたので、先生が比べていた前回の画像と若干角度が違うような気がして、それで大きさが変わった気がしてなりません…もう一度エコーしてもらったほうがいいでしょうか?
⑤今回、良性の結果が出たとして、今後また経過観察中に大きさが変わったり、針生検になったりしたら、またかなり精神的に不安定になりそうです。
今の段階でしこりの切除をするというのはやりすぎでしょうか?
お忙しいところたくさん質問して申し訳ありません。
ご回答いただけますよう、よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
まず重要な視点として生検には精度の問題があり、上手く採れない医師も少なくは無いことの認識が必要です。
つい最近の話ですが、「前医で温存後」温存乳房内に自覚するような大きさの「シコリが出現」したため、「その病院で針生検して良性だったけど、どうしても心配」として当院を受診した患者さんがいました。
画像上シコリは「2cmもあり温存乳房内再発を疑う所見」であり、(前医で)「このシコリを外す筈が無いとは、思いますが、念のため(当院では)マンモトームしましょう」として採取したら、『採取した全てが、明らかな癌』という診断でした。
♯病理学的に「全く、疑いも無い様な所見」であり、「あの大きさのシコリで、どうやったら外すのだ?」と呆れた経験があります。
 これほど「大きなシコリ」で外されたケースは稀としても、実は「前医で良性⇒当院で乳癌」という例は「枚挙にいとまが無い」のです。(私が他院での「良性」という診断を信じられなくなっているのには、立派な理由があったのです)
●特に、危惧しているのは「診断にMRI」を用いたり、(組織診した筈なのに)
「6ヵ月後(時には3カ月!)経過観察」としたりするような医師の診断能力には疑問をもっています。(本来組織診は確定診であり、経過観察は不要なのです。「経過観察するのは診断手技に自信が無いから?」と疑ってしまいます)
「①エコーの画像を見ると、どの先生も「うーん」といった反応で、乳癌に見えるのかなという感じです。乳腺症でもそういったものは多いのでしょうか?」
⇒多くはありません。
 ただし乳腺症でも「adenosis」が(癌と思えるような)「結節=シコリ」を形成することもあります。
「鑑別困難でも具体的な病名が出ているのに、2回目の針生検で乳腺症となることもあるのでしょうか?」
⇒このあたりが…
 診断精度から来ている(つまり、上手く採れていなかった)可能性は、どうしても否定できないのです。

「今はかなり進行してしまっていないかとすごく不安」

⇒さすがに、進行しているものであれば診断は容易に付く筈です。
 診断がつかないということは「進行していない=微妙な病変」と想像します。
「しこりが大きくなっていましたが、妊娠の影響はありますか?」
⇒良性であれば…
 その可能性はあります。
「今の段階でしこりの切除をするというのはやりすぎでしょうか?」
⇒それが安全なように思います。