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続発性(二次性)乳腺血管肉腫について(疑い)

[管理番号:8740]
性別:女性
年齢:46歳
病名:
症状:左乳房温存手術・放射線治療後のしこり
投稿日:2020年7月14日

お世話になります。
お忙しいところ申し訳ありませんが、私の妻のことについて質問させていただきます。
どうぞよろしくお願いします。

2016年11月に、左乳房温存手術を行い、手術後は放射線治療とホルモン療法を行い、現在はタモキシフェンを服用しています。
2017年8月に、手術した内部が長方形のように固くなり、エコー検査をしましたが、
「乳腺だろう」とのことでした。

 2019年1月に、左乳房2時の方向(乳癌の傷より外側)のやや深い所に、示指頭大ほどの可動するしこりに気付きました。
再度エコー検査をした結果、術痕とは少し離れた場所ですが、「手術の傷跡だろう」と言われました。

 2019年5月に、左乳房に痛みを伴う赤紫色のあざのようなものができ、心配になり受診しましたが、1週間後の受診の時には少し赤みも引けて来たこともあり、「(特に打撲した記憶はないのですが)打撲痕でしょう。
問題ありません」と言われました。
その後、赤みはおさまっているのですが、しこりが心配なので、今まで何度か担当医に針生検をお願いしましたが、異常が見られないのに、「針生検は出来ない」と言われています。

その後、色々調べていくうちに、稀に乳房温存手術後の放射線治療による続発性(二次性)乳腺血管肉腫と言う病気があることを知りました。
症状が似ている部分があったので、心配になり担当医に相談しましたが、「放射線治療をしてから2年位しか経っていないし、続発性の乳腺血管肉腫は稀なので考えられない。
エコーでも異常は見られないので、触知する部分は、しこりではなく乳腺で、手術をして取った部分が、中がへこんで目立ってきたのだろう。
悪いものではない」と言われています。

 エコーなどでは異常は見られないとのことですが、自分で調べると、原発性とは異なり、放射線治療による続発性血管肉腫は腫瘤を形成せず、診断が難しいため、誤認され確定診断が遅れた例も多いことを知りました。

 以上のことから不安は消えず、次の4点についてご質問いたします。

1 皮膚の色の変化(術後2年半頃に左乳房に痛みを伴う赤紫色のあざのようなものが出来、1週間ほどで色はおさまり、今も色はおさまっています)や、放射線照射部のしこり(担当医はしこりではなく乳腺と言っています)や、しこりも1年前に比べると少しだけ大きくなっているような気がする、何かが当たったり動かしたりすると時々痛むことがある、など、色々調べて、素人判断ですが続発性乳腺血管肉腫に症状が似ている部分があると思っているのですが、田澤先生からみて、上記内容だけでは判断が難しいと思いますが、放射線治療による続発性乳腺血管肉腫、または他の病気の可能性も考えられますでしょうか?

2 希望はエコーなど画像診断だけでなく、針生検で診断して欲しい(続発性血管肉腫の場合、針生検でも確定診断出来ない場合もあるかもしれませんが)と思っており、担当医に何度かお願いしていますが、聞いてもらえません。
セカンドオピニオンで別の病院を受診しましたが、担当医ではないため針生検などは出来ないと言われました。
針生検が確定診断するのに一番良いと思っているのですが、このように担当医でもセカンドオピニオン
でも受け入れられない場合、他にどのような方法がありますでしょうか?病院を変えたとしても、針生検をしてもらえるかどうか心配です。

3 担当医が言うように、エコーで異常箇所が見あたらない場合、針を刺す位置や場所が特定出来ないので、針生検は難しいのでしょうか?

4 診断が難しいと言われている続発性乳腺血管肉腫の場合、診断に一番有効なのは針生検で良いのでしょうか?他に診断方法はありますでしょうか?

 以上まとまらない内容で申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

※乳腺とは別の話になりますが、一昨年の12月に、乳癌手術後の放射線を受けた側の左乳首にほくろのようなものが出来、皮膚科を受診し検査したところ、メラノーマ(悪性黒色腫)と診断され手術を行いました。
初期であったため、現在は定期的な受診を受け様子を見ています。
皮膚科医師からは、あまり考えられないが、放射線照射による可能性も否定出来ないと言われました。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

仰るように原発性血管肉腫は「恐ろしく低頻度」ですが、照射後の「二次性」血管肉腫は、それよりはまだ頻度が高いので注意すべきと思います。
トップページの「乳癌以外の乳腺悪性腫瘍」をご参照のこと。

診断に針生検では不十分(ましてや細胞診など無意味)、きちんとMMTEしなくては「誤診の素」となります。

「発性血管肉腫は腫瘤を形成せず、診断が難しいため、誤認され確定診断が遅れた例も多い」
⇒要は…

 その存在(診断)を知らない乳腺外科医が多いので、(いよいよとなるまで)診断に至らないのです。

「放射線治療による続発性乳腺血管肉腫、または他の病気の可能性も考えられますでしょうか?」
⇒肉腫は進行性なので(私の症例も)、症状経過からは「強くは」疑いません。

 他の病気とは?そんな特殊なものはありません。

「病院を変えたとしても、針生検をしてもらえるかどうか心配です。」
⇒「確定診断希望メール」で当院でMMTEすれば診断できますよ。 
 
 紹介状なしに「こっそり」診断だけして、(知らぬ顔して)そのまま現病院に通院するのも問題ありません。(実際にそのようにしている方は数多い)

「 担当医が言うように、エコーで異常箇所が見あたらない場合、針を刺す位置や場所が特定出来ないので、針生検は難しいのでしょうか?」
⇒実際に「硬さ」があれば、その部位をMMTEで「広範囲に採取すればいいだけ」
です。(針生検でピンポイントに狙うには適していない場合でも)

「4 診断が難しいと言われている続発性乳腺血管肉腫の場合、診断に一番有効なのは針生検で良いのでしょうか?他に診断方法はありますでしょうか?」
⇒MMTE

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