[管理番号:7254]
性別:女性
年齢:28歳
病名:
症状:しこり、発赤
現在生後半年の子どもの授乳中です。
左胸にしこりがあり、乳腺外科を昨年11月に受診しました。
その際しこりのようなものは特に写らず、おそらく乳腺が硬く触れているのだろうとのことでした。
(その際、後述する後に乳腺炎になる箇所については特に指摘はありませんでした)
今日別のクリニックを受診したところ、しこりについては同じく特に何も写らなかったのですが、1ヶ月程前乳腺炎に罹った箇所の乳腺が通常の乳腺と比べて変化している、と言われました。
エコー画面を見せて頂きましたが、通常乳腺は白っぽく写っているのに対しその箇所は黒いもやがかかったように、全体的に黒っぽく見えました。
先生は、乳腺炎になって乳腺が変化しそれがまだ治っていないか、もしくはもともとそこに何かがあってそれが乳腺炎の原因になった可能性もあるので注意して様子を見る必要がある、この前も乳腺炎になった箇所に乳がんが見つかった人がいたから、として、1ヶ月後にまた受診することになりました。
その時に通常乳腺のように白く戻っていれば問題ないとのことでした。
乳腺炎になった際の経過と現状は以下の通りです。
・2月中旬、左胸A領域の一部に2~3センチ大の発赤、強い痛み、39℃の発熱(しこりや母乳の詰まりは無し)
・乳腺炎と診断、抗生物質と解熱剤を処方され2日後には症状が治まる
・現在、朝方(母乳が溜まってパンパンの状態)のみ乳腺炎になった時と同じ箇所が赤くなることがあり、搾乳もしくは授乳すると赤みが消える
・触るとしこりというよりは、その部分だけ乳腺が硬くなってゴリゴリしているような感触
・時々ビリビリするような軽い痛み(乳腺炎の時のような圧痛はなし)
そこで田澤先生にご教示頂きたいのですが、
①乳腺炎が治って1ヶ月が経ちますが、1ヶ月経っても乳腺が変化したままということはあり得るのでしょうか?
②『もともと何かがそこにあって乳腺炎の原因になった可能性』の『何か』とは具体的にどのようなものが考えられるのでしょうか?
エコーで見た限りではしこりのようなものは写らず、先生も今の時点で明らかにがんと思えるようなものはない、とおっしゃっていたのですが、がんが隠れていて、それが乳腺炎を引き起こしたという可能性もあるのでしょうか?赤みがあるということで炎症性乳がんが頭をよぎり、不安を拭いきれずにいます…
ご多忙中恐縮ではございますがご教示頂けますと幸いです。
宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「①乳腺炎が治って1ヶ月が経ちますが、1ヶ月経っても乳腺が変化したままということはあり得るのでしょうか?」
→うっ滞性乳腺炎ならば、「同じ部位がうっ滞する(炎症をおこすまでには至らない程度に)」ことは、容易に想像できます。
「②『もともと何かがそこにあって乳腺炎の原因になった可能性』」
→そんなものはありません。
「がんが隠れていて、それが乳腺炎を引き起こしたという可能性もあるのでしょうか?」
→絶対にありません。
私は、そのような言い方をする医師を信用していません。
「今は良性だけど、後で癌ができるかもしれない(見つかるかもしれない)」みたいな言い方は単に「現在の診断に自信がない」ことの裏返しに過ぎません。(実際には「診断能力の著しい欠如」に他なりません)
★診断は100%でなくてはいけません。(本当に「癌があるかも?」などと思うなら、その部位をMMTEすればいいだけの話です。Simple is best)
「赤みがあるということで炎症性乳がんが頭をよぎり」
→100%誤り。
「炎症性乳癌に炎症なし」
炎症性乳癌とは癌が原因で皮下のリンパ管が広範に閉塞することで(実際は炎症ではないが ★ここがポイント)『あたかも、乳房全体が炎症があるかのように、真っ赤に浮腫状になること』なのです。
質問者は①実際に炎症があった(炎症性乳癌に「炎症無し」です)
②乳房全体が真っ赤に腫れてはいない(炎症性乳癌は、「全体」が真っ赤になるのです)
以上2点より、1000%炎症性乳癌ではありません。
ご安心を。