[管理番号:3328]
性別:女性
年齢:46歳
いつも拝見し勉強させていただいております。
今回、どうにも納得いかないので、
先生のご意見をお聞きしたいと思いました。
よろしくお願いします。
市の乳がん検診のマンモ・エコーでひっかかり
が○センター紹介となりました。
その頃3センチくらいの大きさ。
が○センターにて再度マンモ、エコー、MRI、バネ式生検の結果
腫瘍も大きくなってきており、
4月→5センチ×3.9センチ
6月→7×6センチ
葉状腫瘍とのことで左乳房の腫瘍を切除することになり
入院いたしました。
全身麻酔し、葉状腫瘍のため大きめにマージンを取り・・
結果、左乳房全摘になりました。
左乳房全摘は私も了承していました。
手術から1か月、先日病理結果を聞きに行ってまいりました。
結果、乳管内乳頭腫 とのことでした。
葉状腫瘍とのことだったので、全摘もやむなしと決断しましたが乳管内乳頭腫なら全摘じゃなくてもよかったんじゃないかなとなんだか、今頃になってすっきりしない思いで居ます。
が○センターでは「再建」の決断ができたらまた来てくださいとのことです。
葉状腫瘍と思いきや、乳管内乳頭腫なんて結果、
よくあることなのでしょうか?
病理結果をくださいとお願いしましたが、断られました。
ガンの時でないと、病理結果はお渡ししないものなのでしょうか?
何のために左乳房全摘したのか・・・。
よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
Fibroepithelial tumorという病理組織用語があります。
これは「上皮性細胞」と「間質系細胞」の「両方の細胞の増殖」のあるもので、「線維腺腫と葉状腫瘍」があります。
これに対して「上皮性腫瘍」とは「上皮細胞の増殖のみ」が見られる腫瘍であり
①乳管内乳頭腫(①~④は良性であるが②~④は比較的めずらしい)
②乳管腺腫
③乳頭部腺腫
④腺腫
⑤癌
○なぜ、今回この分類を載せたかと言いますと…
術前組織診断で (fibroepithelial tumorである)「線維腺腫と葉状腫瘍)」は区別しずらい、同様に(上皮性腫瘍である)「乳管内乳頭腫と乳癌」は区別しずらいのですが、「fibroepithelial tumor」と「上皮性腫瘍」は組織像が全く異なります。
★つまり、術前組織診断で『乳管内乳頭腫と葉状腫瘍を誤ることは到底考えられな
い』のです。
「葉状腫瘍とのことで左乳房の腫瘍を切除することになり入院いたしました」「結果、乳管内乳頭腫 とのことでした。」
⇒「バネ式生検の結果」も「葉状腫瘍」だったのですか?
冒頭でコメントした通り、「fibroepithelial tumorである葉状腫瘍」と「上皮性
腫瘍である乳管内乳頭腫」を間違う筈はないのですが…
「葉状腫瘍とのことだったので、全摘もやむなしと決断しましたが乳管内乳頭腫なら全摘じゃなくてもよかったんじゃないかな」
⇒当然の疑問です。
術前診断に誤りが無かったのか、「術前の組織検査を確認」してみるべきでしょう。
「病理結果をくださいとお願いしましたが、断られました。ガンの時でないと、病理結果はお渡ししないものなのでしょうか?」
⇒がんセンターらしい。と言えばそれまでですが…
ただ今回は「術前診断と術後診断が異なり、結果として乳房全摘がなされた」わけ
なのだから、「当然、病理結果も示し、」(術前針生検の結果とともに)『術前診断
と異なった経緯を説明する義務』があります。