［管理番号:5888］
性別:女性
年齢:45歳
田澤先生こんにちわ。
いくつか教えていただきたいことがあります。
よろしくお願いいたします。
11月少量の血性分泌(一つの穴のようです)。
2センチくらいのしこり。
を発見し乳腺外科を受診。
マンモ、エコーをして癌の疑いが強いといいことで針生検をしました。
結果、判定不能？になり癌の疑い強いので、きちんと確定診断までしましょうということで、外科生検でしこりを摘出をしました。
結果、乳がんではなく乳管内乳頭腫でした。
安心したものの、いろいろ疑問かでてきましたので、よろしくお願いします。
(1)この結果により、しこりは乳管内乳頭腫の確定診断になりますか？
しこりが原因の分泌の場合、しこりをとれば分泌は終わるという認識でいいですか？
(2)二週間たち、分泌物がやはりあります。
しこりと分泌の原因は別だったのでしょうか？分泌物が不安で心配なのですが、少量のため、乳管造影はできないそうです。
少量でもでれば、乳管せんようくいきせつじょはできますか？
もし、手術をしてみて、
しこりと同じ乳管だった場合は、その手術は意味ないものになりますか？
(3)乳管内乳頭腫は近辺に非浸潤性乳がんを発生しやすいだから、乳管せんよう区域切除がよいと書いてあったのですが、
私のように外科生検による診断にしてしまってる場合は、あとから乳管せんよう区域切除はできますか？
できない場合は、半年に一回とかのエコーで経過観察してれば、早期でみつかりますか？
以上三点なのですが、わかりにくい文章ですみません。
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
乳管内乳頭腫のような乳管内病変は同一乳管系に多発する事も珍しくはありません。
（今週のコラム71回目の図を参照）
今週のコラム　７１回目　　『乳管内の腫瘍を想像させる分泌なのかだけが重要』なのです。
このように複数の腫瘍があるとして、その内の一番大きなものが分泌の原因とは限らず、（エコーで見えないような）小さな腫瘍が「分泌の原因」となることもあります。
「(1)この結果により、しこりは乳管内乳頭腫の確定診断になりますか？」
⇒この２ｃｍのしこりの確定診断とはなります。
「しこりが原因の分泌の場合、しこりをとれば分泌は終わるという認識でいいですか？」
⇒勿論です。
　（同一乳管系の）他に「分泌の原因となる」腫瘍が存在しているのでは？と想定します。
「しこりと分泌の原因は別だったのでしょうか？」
⇒そう考えます。
　
　そもそも「分泌の原因がそのシコリ」という確証は無かった筈です。
「少量でもでれば、乳管せんようくいきせつじょはできますか？」
⇒通常は可能です。
「もし、手術をしてみてしこりと同じ乳管だった場合は、その手術は意味ないものになりますか？」
⇒そんなことはありません。
　（分泌の原因となっている）その乳管内にある「別のシコリが（エコーで見えない程小さいとしても）摘出できる」と思います。
「(3)乳管内乳頭腫は近辺に非浸潤性乳がんを発生しやすいだから」
⇒正確にいうと…
　「同一乳管系に」です。
「あとから乳管せんよう区域切除はできますか？」
⇒その後も分泌が続けば（質問者はこれに相当しますが）、当然できます。