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乳管癌 ステージIIb

[管理番号:5490]
性別:女性
年齢:46歳
はじめまして。
お忙しいところ恐れ入りますが、宜しくお願いいたします。
昨年6月に乳癌検診で異常なかったが、9月に右乳房に硬い部分を感じ、医大病院受診。
マンモグラフィーでもエコーでも見つからなかったが、しつこく訴えて、12月に針生検で乳管癌と診断。
(6月の検診時に見逃されていたと考えられますか?それとも進行が早いのでしょうか?)

諸事情により別の病院で治療することになった。
再度エコー:乳腺症がベースにあり、非常にわかりにくいと言われた。
追加検査:MRIとPET
〔抗癌剤投与前〕
大きさ:広い範囲(径7cm位)で非浸潤、一部浸潤。
    浸潤3~4cm位。
(針生検では2cmと出たが)
病気分類:IIb
腋窩リンパ節転移:あり 2個
ER:陽性(強)
PgR:陽性(強)
組織学的異型度:1
HER2:0
Ki67:61%
脈管侵襲:なし
主治医は、全摘手術ということで予定を立てようとしたが、混んでいてすぐに出来ないのと、Ki67が高いなどの理由から、術前化学療法となった。
(乳首に近いところの癌を消失させて、再建のための乳首を残せないか?とも考えたそうです。
最終的に乳首は残していません。)
今年1月末より抗癌剤投与開始。
(EC 4クール + ドセタキセル 4クール)
(田澤先生のQ&Aを拝見して、こういったケースでの術前化学療法はよろしくないのは承知しています。治療後にこちらのサイトを知りました。)

今年8月に乳房切除術(右)および腋窩リンパ節郭清術を受けた。
〔病理検査結果〕
大きさ:8.5cm×7.0cmの範囲でパラパラとした癌が残存。
繊維化している。
    浸潤癌として残っているのは3個で最大2mm。
腋窩リンパ節転移:なし(消失)
ER:陽性(8/8)
PgR:陽性(8/8)
核グレード:2
HER2:0
Ki67:23%
T1NOMO Stage IA
なお、4年前に卵巣癌で卵巣摘出しているので閉経している。
(卵巣癌については経過観察中)
関係あるかわかりませんが、未婚で出産していない。

今後の治療については、
内分泌療法と放射線治療の予定。
そして、再発予防強化としてゼローダの内服を追加という案もある、それはやるかやらないか選択してくださいと言われた。
理由として、1. 病理検査結果で、浸潤癌残存がある。
      2. 核グレードが2である。
      3. Ki67が高い。
      4. 4年前の卵巣癌治療で化学療法やったのに乳癌を発症しているのが気になる。
主治医によると、
1 の浸潤癌残存の大きさが1.5cm以上あったら、内服を勧めるが、2mmなので積極的には勧めないとのこと。
4 についてですが、
卵巣癌の時の抗癌剤はシスプラチンで、週1投与を4回というものだったですが、シスプラチンが乳癌に効くものなのでしょうか?
(予想外の提案をされたことに驚いて、その時は聞けませんでした。)
田澤先生はQ&Aで、手術不能でも再発でもない場合にゼローダは適用外とおっしゃってますし、今回、選択しないつもりですが、
ゼローダを勧められるほど、悪性度が高く、再発リスクが高いのか?と心配になっています。
先生の見解を教えていただけますと幸いです。
また、放射線治療ですが、重い副作用や晩期障害の例はありますか?
以上、宜しくお願い申し上げます。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「6月の検診時に見逃されていたと考えられますか?それとも進行が早いのでしょうか?」
⇒「再度エコー:乳腺症がベースにあり、非常にわかりにくいと言われた」に答えはあります。
「乳首に近いところの癌を消失させて、再建のための乳首を残せないか?とも考えた」
⇒本来は非常にリスクが高く、決して勧められないことです。
 結局「最終的に乳首は残していません。」というのは幸いでした。
「再発予防強化としてゼローダの内服を追加という案もある、それはやるかやらないか選択してください」
⇒とんでもない「適応外診療」です。
 おそらく担当医は今年、日韓合同で発表された論文を基に言っているのでしょうが…
 「保険適応」と「論文発表レベル」は全く異なることを自覚しなくてはいけません。
「1 の浸潤癌残存の大きさが1.5cm以上あったら、内服を勧めるが、2mmなので積極的には勧めないとのこと。」
⇒どちらも誤り(上記)
「シスプラチンが乳癌に効くものなのでしょうか?」
⇒4年前の抗癌剤など・
 全く馬鹿げた発想です。
「田澤先生はQ&Aで、手術不能でも再発でもない場合にゼローダは適用外とおっしゃってますし、今回、選択しないつもり」
⇒当たり前です。
 質問者はもしかして勘違いしているのかもしれませんね。
 これは「標準治療とか、医師個人の裁量」というレベルの話ではありません。
 「知らなかった」では済まされないレベルなのです。(犯罪レベルということです)
 保険適応(添付文章に明記)は法律であり、「医師個人の勝手な思い込み」では済まされないのです。

「ゼローダを勧められるほど、悪性度が高く、再発リスクが高いのか?と心配」

⇒適応外診療を平気で勧める医師が何を考えているのかは全く不明です。(知りたくもありません)