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片側一部分の乳管拡張で要精密検査

[管理番号:2206]
性別:女性
年齢:40歳
先生よろしくお願いいたします。
<状況>
12月下旬の健康診断の中の乳がん検診(エコー、触診)で、左乳管拡張の所見ありで(触診は所見なし)、要精密検査となりました。
昨日1/13、同じクリニックでマンモを撮って、週一で来られてるという乳腺専門医に見ていただきましたが、マンモでは右に小さな石灰化が3つあるが良性所見、左は所見なしでした。
触診でのしこりはなし。
マンモの時に、押さえられたせいか乳汁のような分泌物でケープが汚れた事を話し、医師が乳頭を押さえ確認したところ、左側だけ白い分泌物が出ました。
断乳したのは一昨年の10月です(子供は7カ月でした)。
昨日の医師は、断乳後でも片側だけ、しかも一部の乳管のみ拡張することは通常ないので、マンモに問題がなくてもこのままスルーできない。
今後は、
3カ月後再エコーか、その前にMRIか…と言葉を濁されたので、とりあえず来月の生理予定日の5日目を狙ってMRIの予約(別の検査センターにて実施)をしました。
また家に戻ってから、別の乳腺専門のクリニックの予約をしたところです。
これは3月初旬しか予約が取れませんでした。
エコーの画像を見ての説明はなく、乳房の図の乳頭の上あたりが塗りつぶされてるのを見ただけです。
両胸陥没乳頭で、特に右が吸いにくかったため、授乳は左の時間が長
く、乳房の大きさもかなり違います。
子供は1人です。
12月の検診まで、生理後のセルフチェックでしこりを認識したことは無かったのですが、エコー検査後、気になって生理前にチェックしてみると、左の乳頭の上あたりにコロコロしたブドウのようなしこりがありました。
生理後には触ってみても見つかりません。
12月のエコーは生理後10日ごろ受けました。
昨年までの5年間、海外駐在している間、乳がん検診を受けていませんでした。
<質問>
片側で一部のみの乳管拡張では、乳がんの可能性が高いのでしょうか?
もし乳がんの可能性が結構高い場合、今後の検査や診察はもっと急いだ方がいいのでしょうか?
長々とすみません。
昨日の診察後疑問が色々出てきて不安になり、インターネットで調べてさらに不安になり、落ち着かないでいるところ、こちらのQ&Aにたどり着きました。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「医師が乳頭を押さえ確認したところ、左側だけ白い分泌物が出ました。断乳したのは一昨年の10月です(子供は7カ月でした)。」
⇒「白色≒ミルク」の分泌は「気にする必要」ありません。
 しかも1年少し前まで授乳なのですから…
 
「昨日の医師は、断乳後でも片側だけ、しかも一部の乳管のみ拡張することは通常ないので、マンモに問題がなくてもこのままスルーできない。今後は、3カ月後再エコーか、その前にMRIか…と言葉を濁された」
⇒正直言って、「診療経験が浅い」のではないでしょうか。
 そもそも「白色分泌」は気にする必要がないのに、「1年少し前まで授乳」していれば、私であれば、「心配ありません」で特に何もしません(勿論経過観察も不要です)
 
「とりあえず来月の生理予定日の5日目を狙ってMRIの予約(別の検査センターにて実施)をしました。」
⇒きっと「大学病院から週1回来ている」医師なのでしょう。(MRIが好きなところをみると)
 
「片側で一部のみの乳管拡張では、乳がんの可能性が高いのでしょうか?」
⇒全く考える必要ありません。
 患者さんに「余計な心配をさせるような」診療があるとしたら、悲しいことです。
 
「もし乳がんの可能性が結構高い場合、今後の検査や診察はもっと急いだ方がいいのでしょうか?」
⇒もう少し臨床経験の豊富な医師に診てもらえば「安心」されるでしょう。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生
先日は迅速かつ丁寧なご回答いただきありがとうございました。
先生のご回答は非常に心強く、おかげで平常心を取り戻すことができました。
感謝の気持ちでいっぱいです。
貴重な質問枠を使っては申し訳ないと思い、お礼の投稿は自粛しておりましたが、追加の質問があり、本日合わせて投稿させていただきます。
先日の田澤先生のご回答と、Q&Aの中にMRIは乳がんの診断には無意味とありましたので、予約していたMRIはキャンセルするつもりでいたのですが、1カ月以上先の乳腺専門クリニックの予約まで何もないのが不安で、迷った挙句そのまま受けてしまいました。
病院ではなくMRI専門の施設でした。
数日前、前回と同じ医師(大学病院から週一で来られてる方でした)から結果報告を受けました。
「MRIの結果だと、左に腫瘤があるみたいです。
乳管拡張と同じ領域(乳頭の内側上部)なので、やはり専門の病院で診てもらってください。
」と言われました。
MRI画像はPCの不調で見れませんでした。
「腫瘤…それは形とかで悪性ぽいとかわかるんですか?」と聞くと、医師は「2.5cmの腫瘤…血液のかたまりかも…とありますね…赤や茶色の分泌はありませんか?」と言われました。
2.5cmと聞いて動揺して、「分泌は白いのだけです。
2.5cmは大きいですよね。
今日撮ったエコー(紹介状添付用にと、診察前に技師の方が撮ったもの)でも腫瘤のようなものが見えるんですか?」と聞いたら、「このエコーでは見えないです。
乳管拡張はあります。だから最初は非
浸潤がんの疑いがあると思ったんですけどね…でもそこそこ大きくても、マンモでも触診でも見つからず、エコーでかなり時間をかけてやっと見つかるものもあるんですよ。
専門の病院で、エコーしながら見つけてもらってください。
たぶん針を刺して確認することになるでしょう。」と言われました。
あとは紹介状の宛先などを聞かれて診察が終わりました。
前回同様、病院を出てからどんどん不安になっています。
現在も乳頭からの分泌は白色で、赤や茶色といったものは出ていませんが、2.5cmの腫瘤と聞いてからは、その部分を自分で触ると、これシコリかな?と思うようなものも触れるような気がします。
前回の質問の際に、片側の一部分での乳管拡張でも白色分泌の場合は、断乳後一年ちょっとだと気にしなくていいとおっしゃっていただきましたが、腫瘤があるとなると、やはり乳癌の可能性を考えないといけないでしょうか?
また2.5cm程度の腫瘤でも、マンモやエコーに写らないこともあるんでしょうか?
お忙しい中恐縮ですが、宜しくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
まず、最近「乳頭分泌」に関心を持っていらっしゃる方が増えた事に素直にうれしく思います。
今まで「無駄に経ただ、当然ながら「シーソーのバランス」を例に出すまでも無く、「一方から、極端に流れる」傾向も認めます。つまり「無駄な心配」です。
「乳頭分泌」を何も特別難しく考える必要はありません。
♯ちなみに患者さんから聞いた話ですが、 ある乳腺外科過観察されて」挙句の果てに「やっぱり癌でした」みたいな(大学病院的な)診療には辟易していました。
皆さんが、「自分の身は自分で守る」的な発想をしていくことに頼もしさを感じます。
医が「血性分泌」の「潜血反応」を見て、(患者さんに一言)「血が混じっていますね…」 それで終了です。 
 何の意味がある??? 何のために「潜血反応」しているの???  
「何のための検査なのか」全く理解していないのです。
 
○乳頭分泌は「乳管内病変の手掛かり」としての意味合いを持っているのです。(それ以上でも、それ以下でもありません)
 そのためには「以下の条件」を満たさなくては全く無意味です。
 ①単孔性であること  「乳頭状病変」は1本の乳管に発生します。
 ②白色でないこと   「乳頭状病変」は「ミルク」など産生しません。
 ♯私は、今まで「どれ位の数の乳管造影」をして、「どれ位の数の乳管区域切除」をしてきたか「全く数え切れませんが、白色は1例もありません」 検査をしようと思った事もありません。
 勿論「白色分泌を伴う乳癌」など見た事もありません
(無いのです)
 
 ★色については一般的に血性を疑う色(赤、茶、黒)や黄色が「乳管内病変」を疑います。
 (完全な無色透明は、かなり確率が低く、緑色はまず違います)
 
「片側の一部分での乳管拡張でも白色分泌の場合は、断乳後一年ちょっとだと気にしなくていい」
⇒上記コメント通りです。
 「白色分泌」の癌などありません。(ただのミルクです)
 
「腫瘤があるとなると、やはり乳癌の可能性を考えないといけないでしょうか?」
⇒診断目的に「MRIを用いる」ことを私は決して認めません。
 超音波で見える、その「乳管拡張」が本当に「非浸潤癌を疑う所見=腫瘤非形成性病変」を疑うのであれば、「マンモトーム生検」すべきでしょうが、ただ「白色分泌があるとすれば、単なる「正常分泌に伴う乳管拡張」と考えるのが妥当だと思います。
 ○そんな「分泌の意味も解らず」やたらと「MRIを多用」する「大学病院の医師」が描いているストーリーを私が信用することはありません。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生
以前に乳管拡張について質問させていただいていた者です。
お忙しい中いつも丁寧なご回答ありがとうございます。
少し前倒して、やっと乳腺専門のクリニックでの受診ができました。
前の健康診断を受けたクリニックの非常勤の乳腺専門という医師によると、触診でもエコーでもしこりはない(MRIでは腫瘤あり)とのことだったのですが、今回のクリニックではすぐにしこりを指摘され、エコーでも見せていただき、針生検をしました。
針生検の際、たまった液体を抜いた上でしこりに針を刺すと言われ、医師はしこりの形が綺麗なので多分良性でしょうと言われました。
しこりの大きさは1.4cm程度です。
結果は乳腺症と乳管内乳頭腫、今後は6ヶ月後エコーをして、大きくなっていたら摘出手術とのことでした。
針生検の結果は以下です。
左乳腺:針生検4本
検体:適正
判定:正常あるいは良性
判定組織型:Mastopathy,IDP
所見:間質の繊維化は軽度ですが、アポクリン化生が目立つ腺菅構造が増生しています。
また乳頭状に増生する上皮成分や腺菅の嚢胞状拡張も認めます。
多彩な組織像を呈するMastopathyとIDPの存在が考えられる組織像です。
今回の検体では明らかな悪性所見は認めません。
現在も下着につくような色のついた乳頭分泌はなく、白いものが乳頭に少しある時があるといった感じです。
以下質問です。
①乳管内乳頭腫はその周りに癌を伴う場合が多いとのことですが、上記の所見で特にその傾向が見られるなどはありますが?
②何れにしても今後のリスクを考えて、早く摘出したほうがいいのだと思っています。
乳頭分泌がない場合は、対象の乳管を全部取るということはできない
のですよね?そのしこりとその周辺のみの摘出でも、将来癌になるリスクを大幅に軽減できるのでしょうか?
③現在しこりの大きさが1.4cmとそこそこ大きいと感じるのですが、これが2-3cmになってからの手術だと手術の傷跡や変形なども大きくなるのでしょうか?
④田澤先生に手術をお願いすることはできますか?今回のクリニックでは手術はできず、またどこまで摘出するのかなどの判断は、経験豊富な先生による手術が安心だと考えました。
また乳管内乳頭腫の手術は、入院期間や通院回数は一般的にどれくらいでしょうか?(関東在住ですが遠方で、子供が小さく親元も遠いため覚悟しておきたいのです。)
またしても長い質問になってしまい申し訳ありません。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「今回のクリニックではすぐにしこりを指摘され、エコーでも見せていただき、針生検をしました。」
⇒今度はきちんとした診療をされたようで何よりです。
 
「乳管内乳頭腫はその周りに癌を伴う場合が多いとのことですが、上記の所見で特にその傾向が見られるなどはありますが?」
⇒誤りではありませんが…
 「癌を伴う場合が多い」と言う表現は、やや「過剰」ですね。⇒「同一乳管に現在
(同時性)もしくは将来(維持性)に癌ができる可能性がある」
 私の経験を含めると、正確には「乳管内乳頭腫ができた乳管には現在もしくは将来的に、増殖性病変ができやすい。それが癌の可能性もある」
 
「何れにしても今後のリスクを考えて、早く摘出したほうがいいのだと思っています。」
⇒その考え方はいいと思います。
 
「乳頭分泌がない場合は、対象の乳管を全部取るということはできないのですよね?」
⇒その通りです。
 
「そのしこりとその周辺のみの摘出でも、将来癌になるリスクを大幅に軽減できるのでしょうか?」
⇒有る程度のマージンをつけることで、そのように考えます。
 
「現在しこりの大きさが1.4cmとそこそこ大きいと感じるのですが、これが2-3cmになってからの手術だと手術の傷跡や変形なども大きくなるのでしょうか?」
⇒比較すれば、そうなります。(癌でなければ、凄い変形とはなりませんが)
 
「田澤先生に手術をお願いすることはできますか?」
⇒それは可能です。
 ただし、「手術日程が混んでいる」ことは考慮に入れてください。
 それでも経過観察よりは早いとは言えますが。
 
「また乳管内乳頭腫の手術は、入院期間や通院回数は一般的にどれくらいでしょうか?」
⇒入院期間は2泊3日(前日入院、翌日退院)
 通院回数 
1週間目に創部確認
2週間目に病理結果
 だけです。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

田澤先生
いつも丁寧なご回答ありがとうございます。
先生の回答を読んで、少し冷静になり、落ち着きました。
今のところ乳管内乳頭腫との診断なのですが、最初の病院での対応に不信感を持っていたせいか、色々不安でスッキリせず、気がつけばネット検索で色々調べてまた不安になるという感じで、情けないです。
こんなことをしていても仕方ないので、摘出するにしても、少し経過観察するにしても、
先生の診察を予約しようと決めたのですが、紹介状等なしで大丈夫ですか?
今手元にあるのは、マンモ(最初の病院で撮ったもの)とMRIのCD-ROM、針生検の結果の紙です。
また初診の時にもう一度先生による針生検など
を受けることは可能ですか?
前回の針生検は2/(下旬)ですが、短い間隔だとちゃんと検査できないなどありますか?
また話は変わるのですが、先生は乳管内乳頭腫は摘出を勧められてると思うのですが、先生の患者さんの中にも経過観察されている方もいらっしゃるのでしょうか?前回は早めに摘出を考えていると書いたのに、矛盾する質問ですみません。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
「摘出するにしても、少し経過観察するにしても、先生の診察を予約しようと決めたのですが、
紹介状等なしで大丈夫ですか?今手元にあるのは、マンモ(最初の病院で撮ったもの)とMRIのCD-ROM、針生検の結果の紙」
⇒大丈夫です。
 
「また初診の時にもう一度先生による針生検などを受けることは可能ですか?
前回の針生検は2/(下旬)ですが、短い間隔だとちゃんと検査できないなどありますか?」
⇒可能です。
 希望があれば、そのままやる事に何の躊躇もありません。
 (ある程度の大きさがあるならば)前医と同じ(バネ式)針生検よりも「マンモトーム生検の方がいい」ように思います。
 検査の間隔は関係ありません。
 
「また話は変わるのですが、先生は乳管内乳頭腫は摘出を勧められてると思うのですが、
先生の患者さんの中にも経過観察されている方もいらっしゃるのでしょうか?」
⇒患者さん自身が希望すれば、そうしていますが、その選択をする方は(実際には)あまり多くはありません。