[管理番号:107]
性別:女性
年齢:41歳
こんにちは。
今週、マンモト―ム検査を受けることになりました。
触診・エコーともに異常は見られませんが、マンモグラフィーで石灰化が近い範囲で見られるとのことで、マンモト―ムを受けることになりました。
検査に対する不安と、結果に対する不安がありますが、先生のホームページを見ていると、私の症状はもし癌だとしても早期の発見だと思っています。
そこで教えていただきたいのが、もし癌だった場合、治療方法はまず手術による切除ですか?
その場合、3泊程度の入院で、後はすぐ仕事に復帰できますか?検査を受ける病院では、もし癌だったら手術ですか?と聞いても、結果が出てから治療方法は考えましょうと言われました。
自分の体が一番大事なので、もしもの時は何をおいてもきちんと治療は受けます。
ただ、年度末ということもあり、先の仕事のことも気になっています。
検査結果が出てからでは動けない部分もあるので、ある程度の準備をしておきたいのですが、どのような治療方法になっていく可能性があるのか教えていただけますか。
少ない情報での質問、申し訳ありません。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「乳癌プラザ」を読んでいただいてありがとうございます。
文面からは「石灰化3部作」を読んでいただいていると思います。
事実そのままの内容ですので、是非参考にしていただいて結構です
それでは回答します。
回答
「もし癌だった場合、治療方法はまず手術による切除ですか?」
⇒その通りです。
乳癌の治療は「局所治療」と「全身治療」の組み合わせですが、
早期乳癌で局所治療である「手術」をしないことは全くありえません。
とにかく「手術」をして病巣を取り除くことが第1となります。
(参考に)
進行乳がんでは「手術ができない」もしくは「全身療法としての抗がん剤を先行してから」という選択肢がありますが、早期乳癌では手術以外の選択肢はありません。
「その場合、3泊程度の入院で、後はすぐ仕事に復帰できますか?」
⇒当院(江戸川病院)では、3泊4日でやっています。(仕事が忙しい方では2泊3日対応もしています)仕事の復帰もすぐにできます。
但し、病院によってはもう少し長期間となることもあるでしょう。(医師の手術技術によります)
「どのような治療方法になっていく可能性があるのか?」
- まずは手術です。
乳房温存術+センチネルリンパ節生検となります。
※「マンモグラフィーで石灰化が近い範囲で見られる」ということなので、「乳房全切除」は不要でしょう。
非浸潤癌を疑っても、現在のガイドラインではセンチネルリンパ節生検が標準となっています。(センチネルリンパ節生検では、術後のトラブルはありません)
- 次に放射線照射です。
たとえ、最終的に「非浸潤性乳管癌」となっても「術後温存乳房照射」は必要です。
- 全身療法としては内分泌療法の可能性があります。(状況からして、抗がん剤の可能性は殆どありません)
内分泌療法はタモキシフェンという内服薬とゴセレリンなどの皮下注射があります。
ただ、これらは必須ではありません。
特に「非浸潤癌」であった場合には、副作用と天秤にかける必要があります。
質問者様から 【2】
今日、マンモトームの結果が出ました。
今回の検査では、明らかな悪性所見はないとのことで、ほっとしました。
今年に入り、要精検となったことで、不安な日々を過ごしていました。
しかし、そんな中、今まで全く知らなかった乳癌について、自分なりにネットや本で調べました。
『乳癌プラザ』もかなり読ませていただきました。
すごく詳しく、わかりやすいので、ありがたかったです。
自分の体を知るいい機会にもなったと思います。
これからも、検診をきちんと受けます。ありがとうございました。
田澤先生から 【2】
こんにちは。田澤です。
先日「石灰化があり、この先予定しているマンモトーム生検でもし癌だったら」という事で、その後の「治療の流れ」について前もって質問されていた方ですね。
「癌で無かった」との事、おめでとうございます。
病理結果は「乳腺症と乳腺症に伴う分泌型石灰化」だったのでしょうか。
前向きに捉えている姿勢は大事だと思います。
「乳癌検診」は女性にとって一生つきあうべき検診です。
※70歳代、80歳以上にも乳癌が多い事はトップページの「乳癌の現状」でご確認いただいていると思います。
これからも「乳がんプラザ」を参考に、検診を継続してください。