[管理番号:49]
性別:女性
年齢:20歳
田澤先生
こんにちは。
私は、乳癌になる前に、予防をしたいと思います。
乳癌を予防する方法はあるのでしょうか?
少しでも乳癌になるリスクを減らしたいです。
よろしくお願いいたします。
A.回答
こんにちは。田澤です。
乳癌の予防ですね。大変良い姿勢だと思います。
食事を含めた、ライフスタイルについては良く研究されています。
因みに、(子宮頚がんワクチンのような)ワクチンによる予防や、薬による予防はありません。
回答
◎ホルモン環境
1番にあげなくてはならないのは、出産及び授乳です。
出産 | 初産年齢が若いほど乳癌リスクは低い。 出産数が多いほど乳癌リスクは低い。 |
授乳 | 授乳経験は乳癌リスクを低下させるし、授乳期間は長いほどリスク低下する。 |
※理由
女性ホルモンであるエストロゲンが乳癌発生に関わっていることは間違いなく、妊娠出産を経験しないと閉経まで長期間「エストロゲン高値状態が続き、乳腺がエストロゲンの脅威に曝され続ける」事となり、これが乳癌の発生に大きく関わっています。
ここで、妊娠⇒出産が起こると、
妊娠期に一時的にエストロゲンは上昇しますが(これが乳腺発達にかかわります)出産時にエストロゲンが急速に低下します。更に授乳を行うとエストロゲン低下状態がより継続します。
つまり、●出産により急激にエストロゲン低下し、授乳によりそれが持続する」ことが乳癌リスク低下の理由です。
○食事
摂取した方がいいもの
残念ながら、これを食べると乳がんになりにくい。というものは見つかっていません。
「大豆などイソフラボン」や緑茶なども候補には挙がりましたが、あまり関係なさそうです。
リスクを上げるもの
アルコール、喫煙
脂肪摂取・体重増加(これは閉経後の方のみです)
※閉経後は卵巣からではなく、脂肪組織から女性ホルモン分泌が起こることと関係があるようです。
参考までに
近年の日本での乳癌増加(実に30年間で5倍!に増えています)の一番の原因は、このホルモン環境の変化です。
食事の欧米化により脂肪摂取増加(閉経後の)も一因ではあるでしょう。
※トップページの「乳癌の現状」にグラフを載せています。
晩婚化・少子化が正に当てはまる事は見ての通りです。
その根本的な改善には政治レベルでの取り組みが必要(非正規労働の増加、働く女性の環境、子育て支援など)なことは言うまでもありません。