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乳がん転移を早く見つける意味がない、につきまして

[管理番号:7412]
性別:女性
年齢:55歳
病名:乳がん転移
症状:今は特になし

お世話になります。

13年前に初発左乳がんにて温存手術、センチネルにて小さいリンパ転移1個のみFECとドセ各4クール、放射線治療60グレイを受けました。
ハーツータイプ
当時は初発患者にハーセプチン適応無。

8年後(2014年)局所再発にて全摘(広背筋より同時再建)ハーセプチン単独投与にて受けるも4か月後に心臓に影響あり本人希望にて中止。

昨年末定期健診にてCA15-3上昇(78)のためPET-CT受けたところ
肺・肝臓・鎖骨リンパに転移認められました(自覚症状なし)
ハーセプチン・パージェタ・パクリタキセル投与開始し、3ヶ月投与後奏功ありたまたま別で胃カメラにて食道癌があったためその治療に切替(OPなしCF療法と放射線治療)
今に至ります。
現在は無治療ですが、来月より乳がん治療再開予定です。

もし奏功したまま、転移巣が大きくなっていなければまだしばらく無治療を希望したいのですがいかがでしょうか。

以前より、“乳がん転移は早くみつかっても、意味がなく生存率に変わりはない”という説を何度も目にしてきました。

たまたま主治医の方針で定期健診で腫瘍マーカーを調べみつかったわけですが
病院の方針によっては採血せず、フォローはマンモとエコーのみというところもあるようです。

転移していても自覚症状もなかったのでもう少し様子見をお願いするのは得策ではないでしょうか。

転移治療では吐き気など大きな副作用はないものの、日常生活に支障をきたすレベルの
指先指紋割れ疼痛を生じステロイド軟こうなどいただきましたが今ひとつ効き目はなかったです。

長くなりましたが、“乳がん転移は早く見つけても意味がない” という説についてどのように受け止めればよいかお考えをいただければ幸いです。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「もし奏功したまま、転移巣が大きくなっていなければまだしばらく無治療を希望したいのですがいかがでしょうか。」
→印象としては…
 「3か月で無治療」は、やや物足りないですが…

 第1目標(マーカーの正常化及び、評価可能病変の画像上CR)を達していれば、第2目標(その状態を可能な限り維持する)に移行します。
 ★ただ、その場合でも「無治療」の前に「pertuzumab+trastuzumabのみ」という期間をはさむべきでは?(と思います)

「長くなりましたが、“乳がん転移は早く見つけても意味がない” という説」
→これを「額面通り」に受け取ってはいけません。

 これは昔から「read time bias」という「尤もらしい」話で語られてきましたが…

★このように考えましょう。(私自身の考えです)
1.再発治療にスタンダードがない
2.治療薬が(かつては)限定的だった(選択肢が少なくなった)

いままで、「read time bias」として片づけられてきた背景には上記1,2があるのです。

それに対して、
(特に質問者のような)HER2陽性のタイプでは「trastuzumab」や「pertuzumab」の登場によって、予後の改善が著しいのです。
「無治療」と「それらの治療の恩恵に預かった人」では、予後は全然違うと思います。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

乳がん転移治療奏功後につきまして
性別:女性
年齢:55歳
病名:乳がん転移
症状:今は特になし

7412にて
タイトル通り質問させていただいた者です。

先日乳がんの転移フォローとして
血液検査とCTを受けましたが

マーカーは正常値でCTでも転移巣(肺・肝臓・鎖骨リンパ)はほぼ消失していました。

ただ同時期に発症した食道がんは
残骸が残っており(FP療法と放射線)
来月ESDを受ける予定です。

乳がん腫瘍内科主治医からはそのESDが終わったら
乳がん治療を再開しましょう(ハーセプチン・パージェタ・パクリタキセル)と言われていますが

もう何もないのに治療する必要があるのか・・
食道がんは食事や呼吸などQOLに大きく係わるので完治を目指したいですが

乳がんの方は無症状だし、検査結果もよいしたまたま早くみつかって治療が奏功したのだから乳がん治療を再開はいかがなものかと思ってしまいます。

もしくは最低でも今年のみは治療を受けて様子を見るのはどうかと考えますがいかがでしょうか。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

質問者には(前回の質問と同様の)read time biasが頭から離れないのと、「無症状だから、このままにしたい」という2つの考えがあるようです。

再発治療にはスタンダードがないのですが、私が気になるのは質問者の「食道がんは食事や呼吸などQOLに大きく係わるので完治を目指したいですが乳がんの方は無症状だし」という発言です。

乳がんも遠隔転移が進行すればQOLを大いに損ないます。
私が思うに、「いい状態を長く維持するにはどうしたらいいのか?」という考え方を持っていただきたい。
乳がんを(そのまま)放置すれば進行してQOLを大いに損なうのです。

「いい状態を長く維持するには?」
→(担当医の言うように)「ハーセプチン・パージェタ・パクリタキセル」を3か月行い→(その後)「ハーセプチン+パージェタ」を暫く続けること

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

乳がん転移治療奏功後につきまして2
性別:女性
年齢:55歳
病名:乳がん転移
症状:なし

お世話になっております。

以前、管理番号7412にて

乳がん転移早く治療するのに意味はないのでは?
で質問させていただき、さらに奏功後としての質問させていただいた者です。

「read time bias」など勉強になりました。

乳がんの転移(肺・肝臓・鎖骨リンパ)が発覚したのが
2018年11月、年明けよりハーセプチン・パージェタ・パクリタキセルにて2ヶ月程度で転移巣ほぼ消失
治療は3ヶ月弱で一旦終了。

その後食道がん治療のためFP療法(5FU・シスプラチン)2クールと放射線治療、消失しないためESDにて除去しました。

その後(7月終わり)乳がん治療再開。

その後も乳がんマーカーは正常値のままです。

食道内科医より食道オペを勧められてはいますが(FP療法直後に憎悪したので)
侵襲が大きいため拒否。

今は乳がん治療に専念しています。

パクリタキセルは今までで12回受けました。

食道にも少しは効くのでもう少し続けるつもりです。

ハーセプチン・パージェタは再開してから特に副作用もないので
(最初の頃は指先の酷い荒れと下痢がありましたが)

こちらももう少し続けるつもりですが
年内くらいで一度休薬しようと思うのですがいかがでしょうか。

ハーセプチン・パージェタにより
完全奏功(言葉がただしいかわかりませんが完解?)
は症例としてあるものでしょうか。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

「ハーセプチン・パージェタにより完全奏功(言葉がただしいかわかりませんが完解?)は症例としてあるものでしょうか。」
⇒質問者自身が、(画像上)完全緩解(cCR)のようです。

 ★質問の意図が、「根治した症例があるのか?」であれば、それは
traszutumab+pertuzumabに限らず、あらゆるサブタイプに存在します。(遠隔転移再発でも5%程度で根治があるとされています)

  そもそもpertuzumab自体、「新しい薬」なので、長期予後についての検討はまだできていません。

 
 

 

質問者様から 【質問4 】

管理番号7412 乳がん転移早く見つける意味がない にて質問させていただいた者です
性別:女性
年齢:55歳
病名:乳がん、食道がん、間質性肺炎
症状:特になし

管理番号7412 乳がん転移早く見つける意味がない
にて質問させていただいた者です。

その後もハーセプチン パージェタ 、休みながらパクリタキセル 投与を受けてきましたが

先日薬剤性間質性肺炎(食道放射線治療によるものも影響あるとのこと)と診断され
入院、プレドニン 40mg服用治療を受けています。

幸い当初主症状だった熱発もすぐ治まり
その他症状はなく経過は順調です。

以降は、パクリタキセル 治療は受けられなく
また、何かで挿管を伴う全身麻酔オペは受けられないと思ってよいでしょうか。
(エマージェンシー以外)

あと、今後の乳がん治療について
私が、セカンドオピニオンをお願いすることは可能でしょうか。

 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。

「私が、セカンドオピニオンをお願いすることは可能でしょうか」
⇒間質性肺炎となると…

 無理はできなくなります。
 まずはtrasutuzumab+pertuzumabだけで経過をみることとなるでしょう。(この回答がセカンドオピニオンと考えてもらって差し支えありません)

 
 

 

質問者様から 【質問5 】

乳がんになった原因(素朴な疑問)
性別:女性
年齢:56歳
病名:乳がん再発転移(現在消失)
症状:特になし
投稿日:2020年5月22日

7412にて何度か質問にお答えいただいた
乳がん転移(ハーセプチン・パージェタ・パクリで転移巣消失)
食道癌同時罹患(こちらは頸部リンパ転移など)の者です。

乳がんになった原因ですが
よく、女性ホルモン治療(不妊症など)という事を耳にします。

私は初発・再発・転移時全てホルモンマイナス・ハーツー強陽性なのですが思えば
現在成人している娘2人共妊娠時子宮口が開きウテメリンを飲んでいましたが
それは乳がんになった原因ということはないでしょうか。

お忙しいところ恐縮ですが以前から気になっていた素朴な疑問です。

ご返答いただければ幸いです。

 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。

「女性ホルモン治療(不妊症など)という事を耳にします」
⇒不正確な情報

 更年期に行うホルモン補充療法で「エストロゲン+プロゲステロン」であれば上昇しますが、『不妊治療で乳癌リスクが上昇するというエビデンスは無い』ですよ。

「妊娠時子宮口が開きウテメリンを飲んでいましたが
それは乳がんになった原因ということはないでしょうか。」

⇒無関係です。
 ご安心を。

 
 

 

質問者様から 【質問6 】

乳がんあまり高値でないマーカーで胸椎転移はありますか
性別:女性
年齢:56
病名:乳がん転移
症状:片肩腕激痛
投稿日:2020年9月18日

お世話になっております。

以前7412で何度か質問させて頂いた消化器がん転移と同時に、乳がん転移(肝・肺)している者です。

乳がん転移ハーセプチン パージェタパクリで
消失し、途中別部位治療を挟みながら通算10ケ月ハーセプチン パージェタは投与し

今年に入って無治療です。

腫瘍マーカーはずっと一桁(転移時CA15-3は 78)

その代わり消化器がんの方は憎悪してゆき、胸水も貯まりました(癒着術にて奏効)

先日就寝中、肩腕に超激痛を生じCTを受けたところ頸椎胸椎に転移あり、折れているとのこと。

その1週間、やや腕が痛いと消化器医に伝えていましたが
私の状況でいきなり胸椎転移はあまりないとのことで安心していたから驚きです。

それで、CA15-3を測ってもらったところ44.8でした。

多少高値であるといえ、大きな数字ではないと思いますが、この骨転移はいきなりの
乳がんからの転移の可能性はありますか?
(ややこしいことに、消化器転移マーカーSCCは18.5と高値 ただ、胸膜播種あり)

もし、乳がん骨転移としたら
またハーセプチン パージェタを希望して骨転移に関して闘えますか?
(消化器転移は対象療法しかありません)

申し遅れましたが
ハーツータイプです。

ご教示いただければ幸いです。

 

田澤先生から 【回答6】

こんにちは田澤です。

「多少高値であるといえ、大きな数字ではないと
思いますが、この骨転移はいきなりの乳がんからの転移の可能性はありますか?」

⇒十分あります。(と、いうか普通はそう考えます)

 一桁⇒44.8は十分な根拠になります。

「もし、乳がん骨転移としたら
またハーセプチン パージェタを希望して骨転移に関して闘えますか?」

⇒抗がん剤(paclitaxelのretryも含め)を併用しなくてはいけません。(ただし照射が優先します)