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母親の乳がんの手術について

[管理番号:7263]
性別:女性
年齢:65歳
病名:
症状:

初めまして。
よろしくお願いします。

65歳になる母親の乳癌の手術についてご意見をお願いします。

昨年市の乳がん検診(マンモグラフィー)を受けたところ、要精密検査との結果を受けて市民病院を受診しました。

その市民病院では詳しい検査、手術、治療出来ないとのことで、通院に1時間半以上かかる大学病院を紹介されました。

大学病院でマンモトーム、針正検を受け、
その結果、ステージ0、非浸潤癌、乳管内に留まっており、他に転移を認めないとのことでした。
(説明を聞いたとき母は動揺していたため、あまり内容を覚えていないとこことですが石灰化という単語も言われたそうです)

大学病院では、全摘か部分切除かを選択して3月(下旬)日までに決めてきてくださいとだけ言われ悩んでいます。
手術日は4月(中旬)日と日も決定しています。

部分切除であれば、念のために放射線治療を受けることになるが、30日間毎日通院する必要があるとのことです。

そもそも全摘か部分切除かを患者に選ばせることが家族としても府に落ちません。
こちらのサイトを拝見していると同じように悩んでいる方が多いように思いますが、

①全摘するなら再発しない(根治する)、胸が無くなるのが嫌なら再建手術するという流れしかないのでしょうか?知識がないため、他に転移を認めていないごく小さな癌であれば、取り除いて終わりに出来ないものなのかと思ってしまいます。

②部分切除であれば、念のために放射線というのも引っ掛かりました。
もしかしたら、放射線も必要なく、部分切除のみでも大丈夫ではないかと言う考えは甘いのでしょうか?部分切除と放射線治療を選択した場合毎日バス、電車を使い通院することも体力的につらいと母は悩んでます。

③先生であれば、このような患者にどのような手術、治療を勧められますか?

つたない文章ですが、どうぞよろしくお願い致します。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

乳癌の治療は「局所治療」と「全身治療」に明確に分けましょう。

非浸潤ガンは「局所治療のみ」となります。(乳腺内に留まっているので、全身治療が不要のため)
局所治療は「浸潤癌も、非浸潤癌も区別なく同一」となります。

〇局所治療
 温存+放射線 もしくは全摘
 ★つまり温存した場合は(質問者のように)「非浸潤癌であろうと、術後照射は必須」となります。

「①全摘するなら再発しない(根治する)、胸が無くなるのが嫌なら再建手術するという流れしかないのでしょうか?」
→それは正しい。

「ごく小さな癌であれば、取り除いて終わりに出来ないものなのかと思ってしまいます。」
→これは「おそらく」勘違い。

 非浸潤癌=ごく小さい ではありません。
 「非浸潤癌=乳管内に留まっている」としても「乳腺に広く広がっている」可能性は十分にあるのです。(だから「非浸潤癌でも」術後照射が必須となるのです)

 ★浸潤しているか?していないのか?と「病変の拡がり」は全く無関係なのです。
(浸潤癌でも狭いcaseもあれば、非浸潤癌でも広いcaseもあります)

「②部分切除であれば、念のために放射線」
→これは「まぎれもない」標準治療です。

「放射線も必要なく、部分切除のみでも大丈夫ではないかと言う考えは甘いのでしょうか?」
→上記コメント通り。

「部分切除と放射線治療を選択した場合毎日バス、電車を使い通院することも体力的につらいと母は悩んでます。」
→一般論として…

 65歳なら通えると思いますが…

「③先生であれば、このような患者にどのような手術、治療を勧められますか?」
→放射線できないのであれば…

 全摘を勧めます。