[管理番号:339]
性別:女性
年齢:47歳
こんにちは。
ホームページの丁寧なご回答を拝見しました。
ご助言をいただきたく投稿します。
宜しくお願いします。
2009年秋の人間ドックのエコーで両胸に異常が見つかりました。(マンモは異常なしでした)
その後乳腺外科を受診したところ、経過観察になり、2010年春には左胸だけを細胞診をしました。カテゴリーは3でした。
その後10年秋と12年2月は経過観察でした。
その後、受診せず今年2月の自治体の検診を受けたところ左胸に異常が見つかりました。
マントーム生検をし、非浸潤がんと診断され、がん専門病院に通院しています。
CTやMRIをしたところ右胸にも異常が見つかりました。
左胸は非浸潤がん、ステージはⅠに近い0。
右胸は非浸潤がん、Ⅰの可能性もある0。
グレードは両方とも2、エストロゲン、プロゲステロン陽性、ハーツー1+です。
両胸とも広がりが大きいらしく、全摘手術をする予定です。
右胸は、画像→針→マントームと進んで発見されたもので、「医師によっては温存にするかもしれないが、がんになりやすい(張り付いている?)タイプの胸なので、全摘を勧める」とのことでした。(あいまいな表現ですみません)
広がりが大きいなら全摘で、きちんと治して前向きに生きていきたいと思う一方、温存の可能性があるなら皮下乳腺全摘や皮膚温存乳房切除術などの希望を医師に伝えようか考えています。
広がりが大きい場合、また広がる可能性がある場合には、全摘が最適でしょうか。
お忙しいとは存じますが、ご助言を宜しくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
長い経過からすると、「もう少し、きちんとした診断」がされていたら、「数年前に診断されていた」ように思えます。
それでは回答します。
回答
「皮下乳腺全摘や皮膚温存乳房切除術などの希望を医師に伝えようか考えています。広がりが大きい場合、また広がる可能性がある場合には、全摘が最適でしょうか。」
⇒「皮下乳腺全摘(乳頭乳輪温存乳房切除)は現段階では信頼性に劣り」、手放しで勧められる手術術式ではありません。
乳癌学会ガイドラインでは
①腫瘍と乳頭が十分離れている
②術後の乳頭壊死の危険を承知する。
これが条件となってはいますが、「きちんと検討された治療」ではないことを「頭にいれて」おいた方がいいでしょう。
※それに比較すれば、「皮膚温存」乳房切除は安心感がありますが、「乳房切除であり、(術後照射がないのに)針生検の通った皮膚をそのままにする事に一抹の不安を覚えます。
理想は(針生検の通った皮膚を含めた)通常の「乳房切除」であることは間違いありません。
それでも「乳頭乳輪温存乳房切除」や「皮膚温存乳房切除」を選択する際には、上記リスクは避けれないのです。
質問者様から 【感想2】
お忙しいところ、ご回答いただきありがとうございました。
問題点を指摘していただき、大変参考になりました。
他の方の質問も、自分の症状と比較しながら読んでおります。
先生の回答は、質問者の意図を的確にとらえ大変わかりやすいです。
今後とも、患者のためにこの場を続けてください。宜しくお願いします。
質問者様から 【質問3】
こんにちは。
先日はご回答ありがとうございました。
再質問があります。よろしくお願いします。
先日腫瘍内科を訪れ、セカンドオピニオンを受けました。
主治医の紹介状持参です。
セカンドオピニオンの医師から、
私のがんはおとなしいタイプなので、
「すぐには手術をしないで、しばらくホルモン療法をする」と提示されました。
ホルモンをエサに増殖するタイプなので、エサを断つことでがんがなくなる、とのことでした(私はそう理解しました)
手術後もホルモン療法を行うと思われるので、ホルモン剤が効くかどうかも確かめられる。
効かない場合は、次の手を考える。とのことでした。
結果を持って主治医と話し合ったところ、
この治療は標準ではなく、臨床の段階、がんが消えるわけではなく、ゼロになる可能性は低い。
左胸は浸潤がんの可能性も捨てきれずしっかり診る必要がある。
手術で、リンパ節転移がないとわかれば、理論上は術後のホルモン療法は必要ない。
治療のチャンスを逃すのはよくない。
とのことでした。
どの本やネットにも、非浸潤がんの治療は、手術が基本とあります。
やはり手術が適切でしょうか。
左胸は先に手術をして、右胸は左胸の結果を待ってから手術をする、ということは考えられますか。
「質問番号:261 全摘に悩んでいます。」の方への回答をみると、「根治性」が最優先とのことですが、
決断がつきかねています。
お忙しいところ恐縮ですが 、ご助言をお願いします。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
それでは、回答します。
回答
「やはり手術が適切でしょうか」
⇒「非浸潤癌」は「病変をキチンと切除」することが最も肝要です。
逆に病変さえ、(きちんと摘出してしまえば)全身療法は不要となります。
「左胸は先に手術をして、右胸は左胸の結果を待ってから手術をする、ということは考えられますか。」
⇒(右乳癌と左乳癌は全く別物)なので、「左胸の結果を待ってから」とする意味がありません。
◎左の結果がどうあれ、右の治療(手術)は必要です。
左右、別々にする意味は全くありません。
◎癌の治療で『根治性を優先』するのは当然です。
せっかくの『早期発見』を無駄にするのは 辞めるべきです。