[管理番号:4901]
性別:女性
年齢:45歳
先月右胸右上部に出来た腫瘍の精密検査の検査が出ました。
ルミナルA 1cmの浸潤がんで他に転移なしとのことです。
手術を勧められており、変形の程度が少なければ、温存希望です。
担当の先生には、「変形はします。どうなるかはやってみなければわかりません。5cmくり抜き、合計15cm程度の傷あとがつきます。」とだけ説明を受けました。
私の病状で、現在の標準治療ではそうなのでしょうか?
出来るだけ傷あとは少なくしたいと考えております。
変形の程度は、人それぞれだとは思いますが…。
もし全摘の場合は、乳頭乳輪が残せるのでしょうか?
術後の生存率は変わらないと聞いております。
また、今治療を始めたら、子供は望めますか?
田澤先生のご意見をいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
まず、物事は整理してシンプルにしましょう。
1.(MRIでもそれ以外の拡がりなど確認できなければ)1cmの乳癌で温存は当然の選択肢です。
もしも「1cmの乳癌で温存困難」だとしたら、「一体、温存手術が適応される患者さんが存在するのか?」 そう思いませんか?
「乳房温存」に関しては、勿論「乳頭との位置関係」や、「もともとの乳腺の大きさ」など他にも因子はありますが、一番重要なのは「大きさ」です。
☆一般的には2cm以下は「温存しても十分な整容性が保たれる」と考えられます。
2.全摘の場合の「乳頭乳輪温存の条件」は、「腫瘍と乳頭との距離が十分に長い」「腫瘍径が小さい」です。
3.妊娠出産に関しては、「妊娠出産」⇒(その後)「ホルモン療法開始」で十分です。
「私の病状で、現在の標準治療ではそうなのでしょうか?」
⇒上記とおりです。
傷跡が15cmが妥当かどうかは別として、温存術の適応はありそうです。
「もし全摘の場合は、乳頭乳輪が残せるのでしょうか?術後の生存率は変わらないと聞いております。」
⇒2の条件に合致するなら大丈夫です。
「また、今治療を始めたら、子供は望めますか?」
⇒ホルモン療法を後にすればいいのです。