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乳ガンのステージとハーツー陽性乳ガンの治療法について

[管理番号:8372]
性別:女性
年齢:42歳
病名:乳ガン
症状:
投稿日:2020年3月11日

いつもQ&Aを拝読しております。
的確な回答に勇気付けられた事が多々有ります。
ありがとうございます。

早速質問です。

2019年3月に乳ガン告知後、手術、術後抗がん剤をし、現在はハーセプチンのみ単独投与中です。

ステージ2A リンパ転移無し 脈管侵襲無し ホルモン陰性 ハーツー強陽性
ki64:71% 核グレード1(病理前は2でした)

術後の病理診断後、主治医より『がん自体は大きかったが、湿潤部分と非湿潤部分があった。
ミリ単位の湿潤部分が複数であった為、何センチのがんで有るかは分からない』と説明を受けました。

術前のCTでは、4~5センチ近くの大きさでした。

①ガンの大きさが不明でもステージは確定出来るものなのでしょうか。

また、現在ハーセプチンのみ投与中ですが、パージェダは必要ないのか二、三度主治医に確認しましたが『あなたの場合は必要無いですよ。
もっとステージが進んでいる人だけだよ』と言われています。

②ステージ2Aリンパ転移無しではパージェダは本当に必要無いのでしょうか。

東京都や大阪ではパージェダを追加している方はいらっしゃるようにみえます。
((九州)在住です)

もともとのガンが大きかったようですし、ki値が高かった為、ちょっと心配です。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「①ガンの大きさが不明でもステージは確定出来るものなのでしょうか。」
⇒この病理所見は微妙ですね。(病理医の匙加減と言えます)

 「ミリ単位の湿潤部分が複数であった為、何センチのがんで有るかは分からない」
⇒この記載からすると、「最大浸潤径は1cm以下=pT1]とも思えますが、(病理医が)「4cmの範囲に浸潤部分が複数あり、それらに連続性も否定できないから浸潤径が4cmの可能性がある=pT2」と解釈し
 pT2,pN0,pStage2Aと解釈しているようです。(少なくとも)主治医は

 実際に、(そのレポートを見ていないので)病理医が上記いずれ(pT1 or pT2)と結論しているのかが判断できません。

「②ステージ2Aリンパ転移無しではパージェダは本当に必要無いのでしょうか。」
⇒pertuzumabの(術後補助療法としての)適応は(日本の)ガイドライン上

1.リンパ節転移陽性
2.リスクが高い

この2の解釈が「医師の裁量」となっているのが実情です。
一般的には「腫瘍径が大きい」もしくは「グレードが高い」と解釈されているようです。

 その意味では(その主治医の解釈として)質問者は「(pT2と捉えてはいるが)実際はミリ単位の浸潤だし」という気持ちがありそうです。

「東京都や大阪ではパージェダを追加している方はいらっしゃるようにみえます。」
⇒都道府県の問題ではありません。

 そもそも「pT2とすべきか?」という解釈の問題となります。
 病理医の解釈次第という面はありますが、(たとえpT2と解釈したとしても)
「普通のpT2とは異なり」pertuzumabの適応なしという主治医の判断には妥当性がありそうです。