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乳癌の再発、転移について。

[管理番号:2850]
性別:女性
年齢:39歳
田澤先生、はじめまして。
いつもQ&Aコーナーを拝見しております。
先月下旬に、両側乳癌の手術を受けました。
術前は、両側とも
TisN0M0 Stage0の診断で、右は乳首温存皮下乳腺全摘+エキスパンダー挿入、左は乳首を含めた乳腺全摘+エキスパンダー挿入、両側センチネルリンパ節生検 を施行されました。
センチネルリンパ節生検は術中迅速診断で、腫瘍の転移なし でした。
先日、手術の検体に対する病理組織診断を主治医の先生から説明されました。
→ 右乳腺は、浸潤成分は認めず非浸潤性乳管癌。
ER(+90%)、PgR
(+10%)、HER2(1+~一部2+)、Ki-67約10%
左乳腺は、
Lesion①浸潤成分を認め、浸潤癌、乳頭腺管癌。
浸潤成分の最大径1.8mm、脈管侵襲像は認めず、
g(+),f(-),s(-),ly(-),v(-),EIC(-),G2,NG1
ER(+99%)、PgR(+40%)、HER2(1+)、Ki-67約5%
Lesion②(術中に追加切除した乳頭)浸潤成分は認め ず非浸潤性乳管癌。
ER(+95%)、PgR(+70%)、HER2(1+~一部2+)、Ki-67約
20%
主治医の先生からは、左乳癌について、浸潤径1.8mmはとても小さく、再発リスクは低いが、タモキシフェンを5年間服用するよう説明されました。
田澤先生のご回答の中で、pT1a,pN0,luminal typeは超早期癌で、
先生のご経験の中でpT1aの再発は記憶がない、と拝見しました。
私の場合も、再発や転移のリスクはほとんどないと考えて暮らしていってもいいでしょうか? 
HER2陽性のルミナールB型はルミナールA型よりたちが悪いということですが・・・。
子供が小さく、再発や転移は不安に思っております。
タモキシフェンは何としてでも5年間服用するつもりです。
ご回答頂けましたら幸いです。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
右pTis, pN0
左pT1a(1.8mm), pN0
完璧な早期がんです。
○左は「浸潤癌が見つかりましたが」実質、根治と考えていいと思います。
 ホルモン療法はいらないと思いますが…
 
「主治医の先生からは、左乳癌について、浸潤径1.8mmはとても小さく、再発リスクは低いが、タモキシフェンを5年間服用するよう説明されました。」
⇒再発リスクは殆どゼロでしょう。
 タモキシフェンは副作用次第で「即刻」止めてもいいと思います。
 
「私の場合も、再発や転移のリスクはほとんどないと考えて暮らしていってもいいでしょうか?」
⇒全く心配ありません。
 
「HER2陽性のルミナー ルB型はルミナールA型よりたちが悪いということですが・・・。」
⇒「1.8mmは、サブタイプなどを気にするレベル」ではありません。(トリプルネガティブでもHER2タイプでも同様です)
 
「子供が小さく、再発や転移は不安」
⇒そんな心配は全く無用です。
 ご安心を。