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乳がんかもしれません・・・

[管理番号:2556]
性別:女性
年齢:44歳
 
 

質問者様の別の質問

別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:「先日は大変お世話になりました。

 
 
いつも拝見しております。
もっと早くに質問したかったのですが、なかなか問い合わせフォームにつながらず、今日初めてつながりました。
毎年乳がん検診は受けておりました。
昨年11月、触診では問題なし。
マンモで左右非対象で要精密検査となり、受診しなければとは思いつつ忙しさにかまけて、ようやく2月下旬重い腰をあげました。
大きい大学病院に行くのは抵抗があり、数えるほどしかない個人の乳腺外科を受診しました。
自覚症状としては左乳房上部内側に硬いしこり?のような何かはあるなという感じでした。
エコーをしてもらったところ、8ミリのしこりがあり、その場で細胞診をしました。
結果、多分サンプリングエラーだと思うのですが結果が出なかったと言われ、
「紹介状を書くのでPETを撮ってきてください。
それではっきりわかるから」と言われました。
しかし、既に田澤先生の質問を拝見していたので、癌が確定したわけでもないのにPETを撮りに行く事に不信感を感じ、針生検できないか?と質問したところ、針精検して結果がはっきりしないからPETを撮ってきてほしいと言われました。
どう考えても、私がしてもらった検査は細い注射針で行う細胞診です。
他に確定診断する方法としては、外科生検と言われ、PETをする前に外科生検査する事で話が決まりました。
その日が3月(上旬)日」です。
その間、太い針で検査する組織診は話に出てこず、なぜ、いきなり外科生検なのか・・・と悩み、病院に電話をすると、その病院ではできないようでした。
しかも紹介して組織診はできるが1泊の入院になるかもしれないと言われ・・・
仕事もしているので、とにかく白黒はっきりさせる為、本日午後、外科生検査を受けに行ってまいります。
まだ癌と確定した訳ではありませんが、いくつかの不信感があり、外科生検の結果が出たら、転院したいと考えております。
もし外科生検査で癌が確定したら、どのような検査に進んでいくのでしょうか?
今行っている病院の診察関して、田澤先生はどう判断されますか?
まだ結果が出ていないなかでの質問で大変申し訳ありません。
田澤先生のお言葉を拝見し、無駄な治療や、必要ない検査はしたくないので、今後また質問させていただきたいと思います。
宜しくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
正直な感想からすると、「とても見るに堪えない診療内容」と思います。
全国各地で、このような診療に曝されている方達がいることを思うにつけ、とても悲しくなります。
「マンモで左右非対象で要精密検査」
「局所的非対称性陰影」ですね。
「エコーをしてもらったところ、8ミリのしこりがあり、その場で細胞診」
「結果、多分サンプリングエラーだと思うのですが結果が出なかった」
「「紹介状を書くのでPETを撮ってきてください。それではっきりわかるから」
⇒全く「目を覆いたくなる」診療です。
  
「しかし、既に田澤先生の質問を拝見していたので、癌が確定したわけでもないのにPETを撮りに行く事に不信感」
⇒全くその通りです。
 あまりにも「馬鹿げた」診療です。
 
「太い針で検査する組織診は話に出てこず、なぜ、いきなり外科生検なのか・・・と悩み、病院に電話をすると、その病院ではできない」
⇒そのクリニックは「乳腺専門」ではないのですか?
 今時、「針生検」をできない乳腺専門医など世の中に居ないと思っていました。
(冗談では無く)
 
「しかも紹介して組織診はできるが1泊の入院になるかもしれない」
⇒これは100%ありえません。
 針生検で入院????
 とても想像できません。
 
「まだ癌と確定した訳ではありませんが、いくつかの不信感があり、外科生検の結果が出たら、転院したいと考えております。」
⇒勿論そうすべきです。
 とても「まともなレベル」ではありません。
 
「もし外科生検査で癌が確定したら、どのような検査に進んでいくのでしょうか?」
⇒(外科生検後ではありますが)MRIで拡がり診断を行います。
 「癌の拡がり」を確認の上「乳房温存術(浸潤癌ならばセンチネルリンパ節生検が必須)」となります。
 その他の検査など全く無用です。
 「8mmの癌」で「PETだの、CTだの骨シンチなどは行ってはいけません」
 
「今行っている病院の診察関して、田澤先生はどう判断されますか?」
⇒全く「規格外」です。
 「針生検ができない」のに乳癌の手術をしている事自体が「全く、私の想像を超えて」います。
 それでは、「かなりの(微妙な)病変」が「確定診断されることなく」経過観察という名のもとに、「進行、増大」することになり、 (それとは逆に)「細胞診だけで癌と診断されて手術されることによる誤診の問題」の両極端のリスクがあり、とても「見るに堪えない」思いです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

先日初めて質問させていただきました。
田澤先生のご回答を拝見し、現在通っている病院に大変不信感を抱いております。
私の通っている病院は、乳腺外科専門ではなく外科の中に乳腺外科も併設しています。
数少ない病院(大学病院以外では数えるほどしかないので・・・)の中で、日本乳癌学会 乳腺専門医の先生がおられるという情報から、通院を決めました。
しかし、現状は先日お話したとおりです・・・
先日、外科生検をしてまいりました。
細切れに採取したという事だったのですが、細かくする事により、明確な結果が得られるのか、多少不安を感じております。
結果はまだ出ておりませんが、外科生検の結果も信用していいものか・・・
外科生検をしても判断がつかないという事はあるのでしょうか?
結果が出てからになりますが、転院を希望しております。
が・・・私の住む地域の数少ない病院の中で、正確な判断をしてもらえるのか、とても心配です。
であれば、地方在住ですが思い切って田澤先生に診察をお願いしたいと思っております。
可能でしょうか?
この場合、紹介状などは必要ですか?
セカンドオピニオンではなく、通常の診察になるのでしょうか?
ご多忙承知のうえで、ご回答頂戴できれば幸いです。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「田澤先生のご回答を拝見し、現在通っている病院に大変不信感を抱いております。」
⇒前回の回答の通りです。
 針生検ができない(もしくは、まともにできない)「乳腺専門医」など、想像できない(したくない)のですが…
 
「先日、外科生検をしてまいりました。細切れに採取したという事だったのですが、細かくする事により、明確な結果が得られるのか、多少不安を感じております。」
⇒「細切れに採取」とは、どういうことでしょうか?
 せっかくの「外科生検」なのだから「病変を壊さない様に、きれいに」摘出すべきですが??
 私も不安に感じます。
 
「外科生検をしても判断がつかないという事はあるのでしょうか?」
⇒ありません。
 「病変そのものを完全に評価」するわけですから、100%ありえません」
 ♯ただし、「病変自体を取り逃がし」ている場合は話は別です(さすがに、それは無いと思います)
 
「であれば、地方在住ですが思い切って田澤先生に診察をお願いしたいと思っております。可能でしょうか?」
⇒可能です。
 来院は大変だとは思いますが、体のことを考えればその方がいいと思います。
 
「この場合、紹介状などは必要ですか?」
⇒必要です。
 外科的生検している以上、病変の中心部は切除されている(筈)なので、その病となります。
 
「セカンドオピニオンではなく、通常の診察になるのでしょうか?」
⇒質問者の希望からすれば「通常の診察」となります。
 強いて言えば「このQandA」が「セカンドオピニオンの場」と言えない事もありません。
 ○セカンドオピニオンは「一切の診察や検査はできず」ただ、前医での診療内容を確認してその「妥当性」についてコメントすることをいうのです。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生、こんにちは。
外科生検の結果が出ましたので、ご連絡させていただきました。
よくわからない部分もありますので、教えて下さい。
【病理検査報告】  
病理組織診断  Benign,biopsy
所見 リンパ球の浸潤が目立ちますが、異形は見られません。
   明らかな腫瘍性病変は見られませんが、座滅がひどくはっきりしないところも
   
   あるので、follow upお願いします。
医師からは、「悪いものななかった。
硬かったからもしかしてと思ってたけど・・・
乳腺症でしょう。
 でも、検診はちゃんとしないとダメなので、来月(1カ月後)に
 
来てくださいね」とのことでした。
前回の内容で、外科生検時、細切れに採取したと記載いたしましたが、小さな液体が入った瓶の中に、細かく切った肉片(白っぽいもの)が7~8個くらい入っておりました。
私は素人なので、これが外科生検と思ってましたが、田澤先生のお返事を拝見し、
きれいに組織を取り出しているとは思えず、大丈夫かと心配でした。
細切れの採取というのは、通常行うことなのですか?
腫瘍が小さいが為に仕方ないのでしょうか?
その医師は「ほとんど油(脂肪)」とおっしゃってましたが、肝心の組織は採取できたか不安でした・・・
所見内容で気になった所は、
①リンパ球の浸潤とは?特に気にする事もない内容なのかと他のメールを読んでいて思いましたが、何なのだろう?放置していて問題ないものなのか?お聞きしたいと思いました。
②座滅がひどくはっきりしない→これは、取り出した組織の損傷がひどいので、明確な判断ができないという事でしょうか?
外科生検で皮膚を切開したのに、意味がなかったものではないかと心配です。
はっきりしないということは、悪いものの可能性も否定できないと解釈していいのでしょうか?
③まだ紹介状の話を医師にしていませんが、紹介状は頂いてから、期限はありますか?
田澤先生の病院は大変混み合っているようなので、どのタイミングで紹介状をいただこうかと・・・
④遠方在住の為、どのように診察の予約をとればいいですか?
やはり外科生検の結果が不明確なのであれば、このままモヤモヤしているよりも、
田澤先生に確定診断していただきたいです。
仕事の兼ね合いもあり、思い立って今日行こうという事ができませんので、確実に診察できる時に伺いたいと思っております。
⑤外科生検の傷がまだ残っている状態ですが、そこから組織診を行うことになるのでしょうか? 既に切除になっていてわからない場合もありますか?
長くなりましたが、しこりははっきりとあるようです。
生検をしてから尚腫れている
ように感じるのは気のせいでしょうか?
切除した刺激によって、病変が悪さをすることなどはないですよね?
お忙しいところ申し訳ありませんが、お返事お待ちしています。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「前回の内容で、外科生検時、細切れに採取したと記載いたしましたが、小さな液体が入った瓶の中に、細かく切った肉片(白っぽいもの)が7~8個くらい入っておりました。」
⇒これは、何でしょうか?
 「針を使わずに行う)「針生検」のようなものをイメージしてしまいます。
 
 ○外科生検とは、「腫瘍部分をそっくり切り取ること(腫瘍を摘出する)」を言います。
 
「細切れの採取というのは、通常行うことなのですか?」
⇒聞いたこともありません。
 
「腫瘍が小さいが為に仕方ないのでしょうか?」
⇒腫瘍が小さければ、(尚の事)「腫瘍をそっくり、そのまま」採取しやすいわけです。
 
「その医師は「ほとんど油(脂肪)」とおっしゃってましたが、肝心の組織は採取できたか不安でした・・・」
⇒その可能性もありそうです。
 
「①リンパ球の浸潤とは?特に気にする事もない内容なのかと他のメールを読んでいて思いましたが、何なのだろう?」「放置していて問題ないものなのか?」
⇒これは、全く気にすることではありません。
  
 組織反応が起きると、「リンパ球浸潤」は普通におこります。
 乳腺症なんかでもあります。
 
「②座滅がひどくはっきりしない→これは、取り出した組織の損傷がひどいので、明確な判断ができないという事でしょうか?」
⇒そう言う意味です。
 起こりがちなのは「電気メスによるザ滅」です。
 
「外科生検で皮膚を切開したのに、意味がなかったものではないかと心配です。」
⇒確実に、「その部分」から組織を採取したという「確証がない」ように感じます。
○もしも私が「外科的生検」をするならば(8mmであれば、触知しないことが想像できるので)超音波で確認しながら「色素でマーキング」します。
 そして、その(色素でマーキングした)部分を確実に摘出するのです。
 ♯そうしないと、「果たして、これで目的の部分が採取されているのだろうか?」
と、疑心暗鬼となるのです。(担当医はもしかして、内心疑心暗鬼になっているのかもしれません)
 
「はっきりしないということは、悪いものの可能性も否定できないと解釈していいのでしょうか?」
⇒悪性を強く疑う訳ではないけど「確証がない」ということです。
 
「③まだ紹介状の話を医師にしていませんが、紹介状は頂いてから、期限はありますか?」
⇒特にありません。
 
「④遠方在住の為、どのように診察の予約をとればいいですか?」
⇒秘書へ連絡した方が(こちらにとっても)解り易くて助かります。
 どのように日程を組むのが最適かを(場合によっては)何回かやり取りして、調整できます。
 超音波を見てからにはなりますが、「超音波で気になる部位」がもしあれば、
「その場でマンモトーム生検してしまう」ことが想定されます。
 
「外科生検の傷がまだ残っている状態ですが、そこから組織診を行うことになるのでしょうか?」
⇒(実際に見て見ないと解らない事ですが)おそらく、そうはならない筈です。
 なぜかというと、「外科的生検であれば」腫瘍の真上の皮膚切開をしている筈です。
 しかし、「針生検(マンモトームを含む)」は「腫瘍から離れた部位から刺入して、横に刺すのです。
 ♯トップページの「腫瘤非形成性病変」の中で、「針が斜めに入っている様子」がわかります。
 ただ、(あれば模式的であり)実際は、もっと針を「寝かせて、なるべく横方向となるようにして」行っています。(針が奥へ突き刺さらないように安全のためです)
 
「既に切除になっていてわからない場合もありますか?」
⇒それであれば「逆に、外科的生検できちんと病変が採取されていた」ということとなり、「一件落着」となるわけです。
 勿論、その「可能性」もあります。
 
「生検をしてから尚腫れているように感じるのは気のせいでしょうか?」
⇒実際に「瘢痕化」するので、(一次的に)硬く腫れます。
 
「切除した刺激によって、病変が悪さをすることなどはないですよね?」
⇒それはありません。
 ご安心を。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

田澤先生、おはようございます。
先月20日に乳癌プラザを通して、遠方より受診させていただいた○○です。
その節はお世話になりました。
昨日、検査結果を郵送でいただき中を拝見して愕然としてしまいましたが、
地元の病院で正しい判断がなされなかった事がはっきりし、
田澤先生に確かな結果を出していただけて良かったと思います。
私が乳癌であった事は田澤先生のコメントではっきりわかったのですが、検査結果の文面を少々かみくだいて教えていただきたいのですが。
私は浸潤癌ですか?
乳癌の中の何とゆう癌なのでしょうか?
グレード3と記載がありましたが、顔つきの悪い進行の早い癌という事でしょうか?
ちなみにサブタイブ等詳細もわかりましたら、このサイトを通して教えていただきたいのですが。
何分、今すぐにでも直接伺って詳しくお聞きしたいのですが、そういう訳にいかず、
このサイトだけが田澤先生とのホットラインなので・・・
私はまず何から進めていけばいいですか?
田澤先生の診察を強く希望しております。
宜しくお願いします。
ちなみに、健診で悪い結果が出たのが昨年11月、進行の早い癌であれば、他に転移など可能性はありますでしょうか?
ただただ自分がどんな状況で、これからどう進めばよいのか心配でならない現状です。
宜しくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
私も、(他院で外科的生検までして、良性との診断だったのに)癌だったことには少々驚いています。(つまり腫瘍でないところを外科的生検したということになり、常識では考えられません)
診察時にお話したように「生検後の瘢痕組織」では無く、「純粋に腫瘍として捉えると形態は癌でも矛盾しない」わけです。
ただ腫瘍径も小さく「早期である」ことは間違いないので治療にむけて前向きに頑張りましょう。
 
「私は浸潤癌ですか?乳癌の中の何とゆう癌なのでしょうか?」
→病理レポートには「medullary carcinoma(髄様癌)」となっています。
 ♯髄様癌は「特殊型」にあたります。
 ただし、当院の病理医からは「髄様癌ではなく、通常の浸潤性乳管癌ではないか」と直接コメントをもらっています。
 いずれにせよ「手術して病変全体を評価して細かい組織型は確定」しますが、浸潤癌であることは間違いありません。
 
「グレード3と記載がありましたが、顔つきの悪い進行の早い癌という事でしょうか?」
→あまりグレードに拘らないようにしましょう。
 早期であることが最も重要なのです。
 
「ちなみにサブタイブ等詳細もわかりましたら、このサイトを通して教えていただきたいのですが。」
→サブタイプ(ER, PgR, HER2)については、現在検索中(癌との確定診断がでてから検索がスタートするのです)です。
 結果が出たら何らかの形(郵送またはメール)でお知らせします。
 
「私はまず何から進めていけばいいですか?田澤先生の診察を強く希望しております。」
→さすがに、前の病院での診療は止めるのが正解です。(診断が酷すぎます)
 小平秘書 へ連絡ください。
 検査や手術日などの日程を予め相談できます。
「乳腺外科秘書室(小平)問合せフォーム」からご相談ください。
こちらのリンクをクリックしてください。

 
 
 
 

 

質問者様から 【質問5】

田澤先生、こんにちは。
管理番号2556 ○○です。
先日、田澤先生より確定診断していただき、その後、術前検査から手術日程にいたるまで、秘書中川様にお世話になっております。
まだサブタイプについて結果は出ていないと思うのですが、私の中で温存にしたら良いのか、全敵出にしたら良いのか考えています。
田澤先生が温存か全敵かを判断するには、
MRIによる広がり診断を見ての判断となりますか?
温存、全敵、それぞれのメリット、デメリットを教えていただきたいです。
温存ですと、術後放射線が必須なのでしょうか?
だとすれば全敵出の方が良いかとも考えております。
ちなみに全敵して、片側の健康な乳房を残す場合、バランス等不自由になるのでしょうか?
もし不自由があるとしたら、健康な乳房も一緒に摘出することもあるのですか?
あともう1つ質問させて下さい。
両手を万歳すると、癌を患っている左側の脇の下が右に比べると真ん中あたりが腫れている?ふくらんでいる?感じですが、乳癌と関係ありますでしょうか?
今後、手術に至るまでお世話になります。
何卒、宜しくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。
超音波で見る限りは「腫瘍径も小さく」温存の適応がありそうだと思ってはいますが…
術式選択にはMRIでの拡がり診断が必要です。
「田澤先生が温存か全敵かを判断するには、MRIによる広がり診断を見ての判断となりますか?」
⇒上記の通りです。
「温存、全敵、それぞれのメリット、デメリットを教えていただきたいです。」
⇒温存
・メリット 
乳房を残せる(唯一のメリット)
・デメリット 
放射線照射が必須
断端陽性となると再手術を検討しなくてはならない
温存乳房内再発が(放射線照射をしても)10年で5%位はある
 
 全摘のメリットとデメリットは温存の真逆になります。
・メリット 
放射線照射が不要
断端陽性とはならない
局所再発がない
・デメリット
 乳房が残せない
「温存ですと、術後放射線が必須なのでしょうか?」
⇒その通りです。
 温存手術は「照射が前提」の術式なのです。
 
「ちなみに全敵して、片側の健康な乳房を残す場合、バランス等不自由になるのでしょうか?」
⇒殆どありません。
 最初に、そのように感じる方もいらっしゃいますが直に慣れます。
 乳房の大きさ(重さ)にもよりますが…
 
「もし不自由があるとしたら、健康な乳房も一緒に摘出することもあるのですか?」
⇒それはありません。
 
 
「両手を万歳すると、癌を患っている左側の脇の下が右に比べると真ん中あたりが腫れている?ふくらんでいる?感じですが、乳癌と関係ありますでしょうか?」
⇒無関係です。
 副乳だと思います。(左右差はあります)
 
 

 

質問者様から 【質問6】

田澤先生、こんにちは。
管理番号2556 ○○です。
先日、秘書中川様よりサブタイプについてのご連絡をいただきました。
ルミナールタイプとお聞きしましたが、AorBどちらになりますか?
ちなみにKi67の数値もおわかりになるのでしょうか?
治療方針に関しては術後の病理の結果をみて決定すると思うのですが、術前に出た結果と大きく変動する事はあるのでしょうか?
この場をお借りして自分の癌がどんな癌なのか教えていただければと思い、ご連絡させていただきました。
初期乳癌とお聞きしましたが、今後を考え全敵希望といたしました。
できれば抗がん剤はしたくありません。
もし術後抗がん剤適用なのに、それを受けない場合、再発リスクや予後は大きく変わるのでしょうか?
手術についてですが、全敵希望で入院が3泊4日のところ私の都合で2泊3日でご了承いたたいたのですが、特に気をつけなければならない事等はありますか?
今月、術前検査と診察に伺った際、全敵後に準備する物等わからない事があります。
入院の説明もあるとおうかがいしてますので、その時確認させていただいてよろしいでしょうか?
お忙しいところ申し訳ございませんが、宜しくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答6】

こんにちは。田澤です。
Ki67は「手術標本で病変全体でカウント」します。
なので術前組織診(マンモトーム)ではオーダーしていません。
「ルミナールタイプとお聞きしましたが、AorBどちらになりますか?」
「ちなみにKi67の数値もおわかりになるのでしょうか?」
⇒上記コメント通りです。 
 Ki67が解らないとルミナールA/Bの区別はできません。
 
「治療方針に関しては術後の病理の結果をみて決定すると思うのですが、術前に出た結果と大きく変動する事はあるのでしょうか?」
⇒あまり変動は大きくありませんが、ルミナールタイプの場合には「化学療法を追加すべきか」というラインは結局、術後「Ki67の結果」を待たなければ何とも言えません。
 
「もし術後抗がん剤適用なのに、それを受けない場合、再発リスクや予後は大きく変わるのでしょうか?」
⇒「適応がある場合」とは、(抗癌剤をやることで)「改善が期待される=上乗せ効果がある」場合となります。
 それは(もしも、その際に抗ガン剤を行わなければ)「その上乗せ効果の分」だけ損をするわけです。
 ただし、ルミナールタイプでしかも早期の場合には(例えBであっても)「その上乗せ分」は「数字として小さい」と予想されます。
 
「手術についてですが、全敵希望で入院が3泊4日のところ私の都合で2泊3日でご了承いたたいたのですが、特に気をつけなければならない事等はありますか?」
⇒特にありません。
 便宜的に「温存は術翌日退院(2泊3日)、全摘は術翌々日(3泊4日)退院」としていますが、過去にも(仕事が忙しく)「全摘だけど翌日退院」とした方もいらっしゃいました。
 痛み止めさえ飲めば特に問題ないと思います。
 
「入院の説明もあるとおうかがいしてますので、その時確認させていただいてよろしいでしょうか?」
⇒その通りです。
 入院案内がありますので、御心配なく。
 
 

 

質問者様から 【質問7】

 田澤先生、こんにちは。
つい先日○日に田澤先生に手術をしていただいた、 ○○です。
その節は大変お世話になりました。
今日で退院○日目となりますが、痛みもなく普段の生活を取り戻しております。
全摘出で2泊3日で退院させていただきましたが、一昨日より普通に仕事もできております。
退院時ろくに御礼を伝える事ができなかったので、この場をお借りして田澤先生に御礼をお伝えしたく、質問にはなりませんが貴重な1枠使わせていただきました。
私は地元の病院で外科的生検までしたのに確定診断されず、この乳がんプラザを通して江戸川病院に転院した1人です。
地方(山形)在住で、県外の病院に1人で受診するのは大変勇気のいる事でした。
乳がんプラザを拝見し、私の質問に対しても大変親身に回答して下さる田澤先生を信頼し、地方より安心して診察・手術を受ける事ができました。
また、入院中も田澤先生はご自身の時間をさいて、必ず傷の様子を見に来て処置して下さいました。
余談になりますが、手術当日の夜回診に来られた際、蛍光色のスニーカーを履いていて、【きっと市川の外来から走って戻ってこられたのかな?】とまだ麻酔がさめきれない中思っておりました。
膝も完全回復したようで良かったです。
また来月、病理の結果と今後の治療についての診察にうかがいますので、今後とも宜
しくお願いいたします。
また、この乳がんプラザを通して、乳がんや診察に対する疑問・不安を抱えている方
が全国に沢山いらっしゃる事を知りました。
でも田澤先生にお任せすれば、何も心配いりません。
私が身をもって現在進行形で体
験しております。
どなたかがこのメールを見て、1人でも不安から解放され、安心され、疑問が解決す
る事を願います。
田澤先生を信頼し、地方より受診して本当に良かったです。
本当に本当にありがとうございました。
【追伸】
退院時貼っていただいた、防水パットが端の方からはがれてきました。
はがさないように気をつけますが、万一はがれた時は市販の防水パットを使ってはり
なおした方がいいですか?
ちなみにSteri-Strip購入しました!!
 

田澤先生から 【回答7】

こんにちは。田澤です。
このようなメールをいただくと素直にうれしいです。
遠方からの方も多いので、私は(仙台時代よりも)江戸川にきてから、より一層「術後の創トラブルがないように」細部に注意して手術しています。
その中で、満足していただけることが何よりの喜びです。
「手術当日の夜回診に来られた際、蛍光色のスニーカーを履いていて、【きっと市川の外来から走って戻ってこられたのかな?】とまだ麻酔がさめきれない中思っておりました。」
⇒その通りです。
 良く気づきましたね。
 金曜日は「夕方の市川外来」が終わって、ランニングで江戸川に戻り「術後患者さんたち」を診る事にしています。
 余談ですが…
  ドコデモFMでデイトFM(仙台)を聞きながら走っているのですが、金曜日は「ひまりの輪⇒RIP SLYME SHOCK THE RADIO⇒高橋優のリアラジ」へと続く番組はお気に入りです。
「膝も完全回復したようで良かったです」
⇒ありがとうございます。
 ただ…(本当に、考えたくはないのですが)必ず5年以内には「また、やってしまう」ことになるのです。(5年以上空いたことは無いですね)
 『これも定めと生きていくのか♪(大都会)』すみません。少しふざけすぎました。
「退院時貼っていただいた、防水パットが端の方からはがれてきました。はがさないように気をつけますが、万一はがれた時は市販の防水パットを使ってはりなおした方がいいですか?」
⇒術後1週間目までは、そのようにしましょう(実際は4,5日で十分なのですが)念のため。
 
 

 

質問者様から 【質問8】

田澤先生、こんにちは。
管理番号2556 ○○です。
田澤先生に手術していただき、あれから1カ月たちました。
術後順調に回復しているようで、不自由なく生活できてます!
本当にありがとうございます。
来週、術後初めての診察があり、江戸川病院へうかがいます。
気になっている病理の結果も、出てる頃ですね。
今回は気になる事がいくつかあり、メールさせていただきました。
① 術側の脇の下から腕にかけて、今までなかった一本の筋のようなものが出てきました。
手をのばすと、筋が出てひっぱられる痛みを感じるのですが、何だと思われますか?
② 手術して全摘したまわりの皮膚が硬くしこりのようになっている箇所があるのですが、手術をした為、一時的になるものなのですか?
③ 最近になって思い出したのですが、3年前に受けた健診で、術側とは反対の乳房がマンモグラフィーで要精検でした。
しこりなどの症状がなかったので、そのまま翌年の健診を迎え、翌年も翌々年も健診で異常が出なかったので、現在に至るのですが、来週、診察にうかがった際に右側を見ていただけないでしょうか?
硬いものが触れるような気がするのですが、乳腺なのか判断がつきません・・・
③が一番気になり、心配になりました。
お手数おかけしてスミマセンが、宜しくお願いします。
 

田澤先生から 【回答8】

こんにちは。田澤です。
順調に回復しているようで何よりです。
「① 術側の脇の下から腕にかけて、今までなかった一本の筋のようなものが出てきました。手をのばすと、筋が出てひっぱられる痛みを感じるのですが、何だと思われますか?」
⇒これは血管炎ですね。
 センチネルリンパ節生検の創部の影響で「皮下の浅い血管が炎症性に一時的に硬く」なののです。
 しばらくするとなくなります。
「② 手術して全摘したまわりの皮膚が硬くしこりのようになっている箇所があるのですが、手術をした為、一時的になるものなのですか?」
⇒そのとおりです。
 次第に硬さが取れてきます。
「来週、診察にうかがった際に右側を見ていただけないでしょうか?」
⇒大丈夫です。
 診察の際に(忘れない様に)おっしゃってください。
 視触診、超音波を行います。

「秘書室メール」はこちらをクリックしてください。