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乳がんの術後治療

[管理番号:6063]
性別:女性
年齢:62才
昨年10月末に妻(62才)の左乳房に乳がんがみつかり、以降、病気を理解するためにこちらのサイトを利用させて頂いております。
しこりは乳がんと診断され1月上旬に手術を行いこれから今後の治療を考えるところですが、田澤篤先生のご意見を伺いたく初めて質問させて頂きます。
よろしくご教示をお願い致します。
これまでの経緯は次の通りです。
昨年10月末に婦人科のクリニックでエコー検査を受けたところ、左の乳房に8㎜位のしこりがあり精査が必要と言われて、紹介された大学病院乳腺外科で受診を始めました。
大学病院では11月上旬の初診で、マンモグラフィー検査とエコー検査を受けたところ、マンモグラフィー上は両方の胸にびまん性の良性の石灰化があるものの問題無しでした。
エコー検査では左乳房に9×8×5㎜位で黒っぽく写っている所があり、形が少し不整で早期乳がんの可能性を否定できないため、針生検(乳腺エコー穿刺)をすることになりました。
右側にも5×4×3㎜位のしこりが有りましたが、こちらは線維腺腫の様な良性の可能性が高い、との事でした。
数日後、左乳房のしこりに針生検を実施し、2週間後に担当医から次の結果説明を受けました。
(病理組織診断)
Lt.breast, CNB
Adequate, maligant
Invasive ductal carcinoma, a3
ER(-)(<5%), PgR(-)(<5%), HER2 score2, Ki67 20-30%
(病理組織学的所見)
検体はヒダリ乳腺CNB標本2片。
2片ともに高度の異型性を有する細胞が索状に浸潤増殖するinvasive
ductal carcinoma,scirrhous carcinomaを認める。
乳管内病変もみられる。
また脂肪識への浸潤を伴っている。
nuclear grade:2(nuclear atypia:3, mitotic counts:1)
biomarker:ER (-) (AS:PS1+IS1=TS2), PgR (-) (AS:
PS1+IS1=TS2), HER2 score2,Ki67 20-30%
針生検でがんの診断が確定し手術をすることになり、がんの広がりを調べて術式を決定するため、11月末に造影剤を使用したMRIを撮って、リンパ節への転移の有無、乳管内進展の状況、右側の良性のしこりが問題無いかどうか、エコーではわからない様ながんが無いかどうか、
等を確認しました。
MRIの所見は、「ヒダリ乳房の内上より乳腺の辺縁近くに大きさが7㎜程の辺縁の不整な早期から不均一に造影されるがんと思われるしこりがみられる」「しこりから乳頭方向に小さな点状や線上の造影効果がみられる。
最も乳頭に近い点状の造影効果でも乳頭から2.5cm位は離れている。
乳頭方向への乳管内進展巣と思われる」「その他には両側乳房内に明らかな異常造影効果はない」「腋窩リンパ節への有意な腫大もみられない」、とのことでした。
MRIの結果からセンチネルリンパ節生検を行えることとなり、担当医からは乳房温存術も可能と言われましたが、残した胸が再発したらという不安を感じたくないという本人の意向で、全摘手術を受けることにしました。
手術は1月上旬に行い、当日朝に放射性同位元素の注射をして核医学検査を行い、午後に左乳房の全摘手術とセンチネルリンパ節生検を行いました。
手術は無事終了し、センチネルリンパ節生検では2つのリンパ節を取って、転移なしとのことでした。
手術後の病理検査の結果
が出たのは1カ月後位で、2月中旬に担当医から次の結果説明を受け、何点か確認をしました。
(病理組織診断)
Lt.breast cancer, BT+SNB
see comment, pN0(i-)(0/2)
ER(-)(0%), PgR(-)(0%), HER2:score2, ki67(10-20%)
(病理組織学的所見)
ヒダリ乳腺(Bt)・リンパ節;
組織型:特殊型、アポクリン癌
浸潤径:0.9×0.7cm
腫瘍径:3.4×2cm
波及度:f
脈管侵襲:ly(-),v(-)
nuclear grade:2, histological grade:2
(nuclear atypia:3, mitotic counts:1, glandular
formation:3)
リンパ節:SLN 0/2 (gef;HE+CKAE1/3)
biomarker;
ER(-)(AS:PS0+IS0=0), PgR(-)(AS:PS0+IS0=0), HER2:score2, ki67(10-20%)
・病期(ステージ)の説明はありませんでした。
・針生検では乳管がん(硬がん)でしたが、アポクリンがんという結果でした。
「針生検は一部なので、取れた組織による、アポクリンがんは全体をみないとわからないこともある」、とのことでした。
・「腫瘍径が大きいのは乳管内進展が伸びていたためで、しこりの大き
さは変わっていない」、とのことでした。
また「非浸潤部とは乳管内進展のことで、しこりは全部浸潤部だ」、とのことでした。
私はしこりが
浸潤部と非浸潤部に分かれるのだと理解していたので、しこりの大きさがエコー、MRIともに7~9㎜位だったため、浸潤径は5㎜以下になるのではと期待していましたが、理解が間違っていた様です。
MRIでは乳管内進展が十分写っていなかったそうで、結果としても乳房温存術をせず全摘手術にして良かったと思いました。
・波及度はfですが、「乳腺というのは脂肪と乳腺の物なので、非浸潤がんを除いて全てfにはなる」、とのことでした。
MRIでしこりは乳腺の辺縁近くとのことだったので心配しましたが、胸筋や胸壁への波及はありませんでした。
・断端の評価を聞きましたが、「温存術の人は断端を評価するが、全摘の人は全部取っているわけだから断端の評価は無い、従って断端は陰性だ」、とのことでした。
・HER2については、「手術の標本で全体像を見て一部でも強く染まっていたらスコア3に上がることがあり、遺伝子の検査をしなくてもHER2陽性だということがわかるが、全部取ってもやはり中間位ということだったので、全体の中間の中でも一番濃い所を病理の先生が選んで、そこを遺伝子の検査に出す。これの結果が出るのが2週間後位だ」
とのことなので、3月上旬にもう一度病院へ行って、遺伝子の結果をみてから今後の話をすることになっています。
手術後の標本も針生検の標本と同様に、サブタイプはHER2かトリプルネガティブということになりました。
担当医は、「HER2が陽性だった場合、抗がん剤と抗HER2療法という組み合わせをお勧めする。
HER2が陰性だった場合、一応1cm以上であれば抗がん剤をお勧めするが、ご本人の場合はアポクリンがんといって乳がんの中でも少し悪性度が弱いがんのタイプなので、陰性だった場合はおそらく、経過観察が良い治療かなと思う」、という話をされていました。
これから担当医と今後の話をするにあたり、田澤先生のご意見を伺いたく質問をさせて下さい。
1.術後抗がん剤治療の目的は局所再発と転移再発の防止、ということでしょうか。
2.担当医にHER2とトリプルネガティブの違いを質問したところ、
「ハーセプチンという薬が出てからはHER2の方が治療しやすくなったのは間違いないが、HER2陽性の方が脳転移が多かったり、5年以降に転移があったりする。
トリプルネガティブは抗がん剤しかないが、5年再発しなければほとんどの人がもう完治したと言っても良いくらい早期に再発する。
逆に言うとある程度期間がたったら安心して良いというのが早くわかるというのはある」という説明を受けました。
田澤先生のご意見はいかがでしょうか。
3.HER2とトリプルネガティブの転移再発率は、抗がん剤をしない場合とした場合とでは、れぞれいくつになるのでしょうか。
4.NCCNガイドラインによると、0.6~1.0cmの腫瘍の場合、
HER2では「術後化学療法およびトラスツズマブを考慮」、トリプルネガティブでは「術後化学療法を考慮」、と同じ「考慮」になっていますが、なぜ担当医はHER2では「治療」を勧め、トリプルネガティブでは「経過観察(抗がん剤治療はしない)」を勧めるのだと思われますか。
HER2ではアポクリンがんということは考慮されないのでしょうか。
5.妻と私は、再発を防ぐために出来る限りのことをやりたいとは思っていますが、やはり抗がん剤とかのダメージがわからないので、先生方のご意見を聞いて、どちらが本人にとって良いかを考えたいと思います。
HER2の場合、トリプルネガティブの場合のそれぞれについて、
田澤先生であれば我々にどの様な術後治療を勧められますか。
その理由もお聞かせ下さい。
6.保険適用外で OncotypeDXやMammaprintといった遺伝子検査がある様ですが、これらを行うと何がわかるのでしょうか。
7.抗がん剤や抗HER2療法を行う場合、田澤先生であれば、どの様な薬の種類、投薬方法、投薬の周期、期間を勧められますか。
また治療はいつまでに開始すれば良いものなのでしょうか。
以上、質問が多くて申し訳ありませんが、よろしくご教示をお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「1.術後抗がん剤治療の目的は局所再発と転移再発の防止、ということでしょうか。」
⇒(用語が解り易いように)「遠隔転移再発の防止」と理解してください。
 局所再発は(全摘の場合には)およそ考えられませんが、(万が一の際には)「手術で取り除く」ものだと理解してください。
「担当医にHER2とトリプルネガティブの違い」「田澤先生のご意見はいかがでしょうか。」
⇒その主治医のコメントも悪くはありませんが…
 トリプルネガティブは「単なる除外診断(ER, PgR, HER2の3つが陰性であるというだけが共通である)」であり、「一つの性格」として論ずること自体ナンセンス。
 トリプルネガティブの中には
 ①増殖能力が高く、(その替り)抗癌剤も効き易いもの
 ②増殖能力が高いが、抗癌剤も効きにくいもの
 ③増殖能力も低く(大人しい)、抗癌剤も効きにくいもの
  当然ながら(単なる除外診断なのだから)上記のようにバラバラな集団となります。
  ★一般的にアポクリン癌は上記③に該当する。(質問者の倍もmitotic counts:score1 や Ki67=20-30%であることから)これに該当しそうです。
 HER2タイプは抗HER2療法の出現により「最も予後良好」とまで言えるようになった。とも言えます。
 「脳転移」云々は、(単に)「臓器制御が強力なために、(抗癌剤がblood brain barierを通過しないため)脳転移だけがfocusされると理解した方が賢明です。
「3.HER2とトリプルネガティブの転移再発率は、抗がん剤をしない場合とした場合とでは、れぞれいくつになるのでしょうか。」
⇒アポクリン癌でしかもpT1bなので(どちらにしても)10%以下となるでしょう(予後良好)
「なぜ担当医はHER2では「治療」を勧め、トリプルネガティブでは「経過観察(抗がん剤治療はしない)」を勧めるのだと思われますか。」
⇒担当医の考えている事を正確に推測することはできませんが…
 ★★我々治療する側にとっては(効くのか解らない抗癌剤を勧めるよりは)「HER2陽性の場合には(再発率を半分にするほどに強力である)抗HER2療法を勧める」方が、重要だと考えているからではないでしょうか。
「HER2の場合、トリプルネガティブの場合のそれぞれについて、田澤先生であれば我々にどの様な術後治療を勧められますか。その理由もお聞かせ下さい。」
⇒HER2の場合 抗HER2療法を勧めます(非アンスラサイクリンレジメン) 
理由上記★★
 トリプルネガティブの場合 抗癌剤は勧めません 理由 上記★
「6.保険適用外で OncotypeDXやMammaprintといった遺伝子検査がある様ですが、これらを行うと何がわかるのでしょうか。」
⇒ルミナールタイプでの適応なので、質問者には全く無関係です。
「7.抗がん剤や抗HER2療法を行う場合、田澤先生であれば、どの様な薬の種類、投薬方法、投薬の周期、期間を勧められますか。」
⇒非アンスラサイクリンレジメン
 TC(ドセタキセル+エンドキサン)+HER(ハーセプチン):3週間に1回を4回⇒HER単独:3週間に1回を14回
 weeklyPTX(パクリタキセル)+HER:毎週を12回⇒HER単独:3週間に1回を14回
「また治療はいつまでに開始すれば良いものなのでしょうか。」
⇒決まりはありませんが…
 3カ月が一つの目安でしょう。
 
 

 

質問者様から 【質問2 乳がんの術後治療】

性別:女性
年齢:62才
早々に回答をいただき恐縮しております。
田澤先生からの回答を妻と拝見し、理解を深めることが出来ました。
ありがとうございます。
来週、
担当医からHER2の遺伝子検査の結果を聞いて、今後の治療について相談をする予定です。
再度質問をさせて頂きます。
針生検の病理診断は乳管がん(硬がん)で、手術後の病理診断はアポクリンがんでしたが、この様な事はおこるのでしょうか?アポクリンがんであることが今後の治療の判断にも影響する様ですが、手術後の病理診断が正しいと考えて良いでしょうか?
波及度についてですが、手術後の標本には胸筋、胸壁、皮膚は含まれていないと思いますが、標本が無いのになぜ胸筋、胸壁、皮膚への波及が陰性だと言えるのでしょうか?
別のQ&Aで先生が、「weeklyPTX(パクリタキセル)は通院が多いことを除けば効果と副作用が高い次元でバランスされた良い治療」だと回答されているのを拝見しましたが、これは「効果は高いが副作用は比較的少ない」という意味でしょうか?
TC(ドセタキセル+エンドキサン)とweeklyPTXはどの様な違いがあるのでしょうか?
担当医から「HER2は5年以降に転移があったりする。
トリプルネガティブは5年再発しなければほとんどの人が完治したと言っても良いくらい早期に再発する」と説明されていますが、妻の様に増殖能力が低いと思われる場合(アポクリンがん、mitotic counts:1、ki67:10-20%)でも、トリプルネガティブが遠隔転移再発する場合は早期なのでしょうか?
別のQ&Aで先生が「再発率は浸潤径、リンパ節転移個数、核グレード、年齢などを考慮して過去の統計から推定する」と回答されていたのを拝見しましたが、先生のご経験でも、遠隔転移はこれらの要因に相関して再発するものなのでしょうか?
また再発率は、HER2とトリプルネガティブのそれぞれについて、無治療の場合の数値と抗がん剤治療をした場合の数値を推定できるのでしょうか?
以前担当医から「トリプルネガティブの中には抗がん剤が全く効かない人が1割位いる」という説明を受け心配しております。
田澤先生からの
回答でも②③の様に抗がん剤が効きにくいものがあり、妻は③に該当しそうだとのことですが、トリプルネガティブだった場合、遠隔転移再発した時はどの様に治療がされるのでしょうか?
手術後の治療を考えつつ、どうしても遠隔転移再発の不安の方を考えてしまい、その質問もさせて頂きます。
大変お忙しいことと思いますが、
よろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「手術後の病理診断が正しいと考えて良いでしょうか?」
⇒その通りです。
「標本が無いのになぜ胸筋、胸壁、皮膚への波及が陰性だと言えるのでしょうか?」
⇒腫瘍の浸潤が脂肪組織までに留まっているからです。
「TC(ドセタキセル+エンドキサン)とweeklyPTXはどの様な違いがあるのでしょうか? 」
⇒直接比較はありません。
 通院のし易さの違いと捉えても大きな間違いはありません。
「トリプルネガティブが遠隔転移再発する場合は早期なのでしょうか?」
⇒あくまでも一般論です。
 気にしない様にしましょう。
「遠隔転移はこれらの要因に相関して再発するものなのでしょうか?」
⇒そこまで(自分の中で)分析していません。
「また再発率は、HER2とトリプルネガティブのそれぞれについて、無治療の場合の数値と抗がん剤治療をした場合の数値を推定できるのでしょうか?」
⇒統計的な数値であれば、存在します。(どちらか判明してから考えましょう)
「トリプルネガティブだった場合、遠隔転移再発した時はどの様に治療がされるのでしょうか?」
⇒抗癌剤です。(再発癌には程度の差こそあれ、通常効果があります)
 
 

 

質問者様から 【質問3 乳がんの術後治療】

性別:女性
年齢:62才
毎回迅速に回答をいただきありがとうございます。
田澤先生からの回答を拝見し理解を深めることで、状況を冷静に認識する様に努めています。
ありがとうございます。
術後治療を判断するにあたり、田澤先生のご意見を伺いたく、また質問させて頂きます。
先日、担当医からHER2の遺伝子検査の結果を聞きました。
FISH検査の結果は増幅なし、判定は陰性で、サブタイプはトリプルネガティブに確定したそうです。
前回HER2/トリプルネガティブが決まっていない段階で担当医の意見を聞いた時は、「HER2が陰性だった場合は、アポクリンがんで少し悪性度が弱いタイプなので、経過観察が良いと思う」と言われ、田澤先生からも抗がん剤を勧めないというご意見を頂いたので、トリプルネガティブの場合は経過観察にしようと考えていました。
ところが今回担当医からは「浸潤径が0.6~1cmの範囲なのでご相談だ。
再発乳がんの4割がトリプルネガティブだから、アポクリンがんだろうが何だろうが、トリプルネガティブは少し再発率が高いということは間違いない。
アポクリンがんは、術前の抗がん剤治療で消えるのはすごく少ないが、必ず小さくはなるので、再発予防にはある程度意味がある」と言われました。
担当医の意見が経過観察から抗がん剤治療に変わった様に思われ、気持ちの整理が出来ずにいます。
田澤先生は今回の担当医の説明について
どう思われますか?
また担当医から「抗がん剤をする場合はアンスラサイクリンとタキサンの2剤を半年間だ。
トリプルネガティブの中にタキサンが効かない患者が一定数いるのがわかっているので、個人的にはトリプルネガティブの患者はアンスラサイクリンを省くことはせず、両方を勧めている」と言われました。
今回のケースで抗がん剤治療をする場合、田澤先生はどういう処方をされますか?
遠隔転移再発率を聞きましたが、担当医が使っている情報ではわからない様です。
田澤先生が他のQ&Aでも回答されているAdjuvant!
Onlineサイトで無治療の場合の再発率、抗がん剤治療をした場合の再発率は、それぞれいくつになるでしょうか?(5年、10年)
※病理検査結果は、浸潤径:0.9×0.7cm、リンパ節:SLN 0/2 、
nuclear grade:2、 histological grade:2(nuclear
atypia:3, mitotic counts:1, glandular formation:3)、
ki67:10-20%、組織型:特殊型/アポクリンがん、トリプルネガティブ、年齢:62才、です。
よろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「今回のケースで抗がん剤治療をする場合、田澤先生はどういう処方をされますか?」
→抗癌剤を勧める事自体ありません。(担当医の言っている理屈は私には全く響きません)
「サイトで無治療の場合の再発率、抗がん剤治療をした場合の再発率は、それぞれいくつになるでしょうか?(5年、10年)」
→サイトで調べると(5年はそもそもありません)
 10年再発率は無治療で16% 抗癌剤すると13%となりますが…(私自身の印象では、その半分でしょう)
 
 

 

質問者様から 【質問4 乳がんの術後治療】

性別:女性
年齢:62才
お忙しいところ毎回ご親切に回答をいただきありがとうございます。
術後治療を判断するにあたり、また田澤先生のご意見を伺いたく、質問させて頂きます。
抗がん剤治療をどうするか悩んでいる我々に、以前、担当医がマンマプリントを紹介してくれ、ER受容体が陰性の乳がんでも遺伝子検査で再発リスクを判定出来ると聞き、申し込んでいました。
一方で田澤先生からマンマプリントは「ルミナールタイプでの適応」という回答をいただき、日本乳癌学会の乳癌診療ガイドラインにも「多遺伝子アッセイの多くはホルモン受容体陽性乳癌に対して検討されており、ホルモン受容体陰性乳癌に対しては勧められない」という記載を発見し、不安に感じていました。
今回マンマプリントの結果が出て、ハイリスク/-0.088という結果でした。
担当医からは「病理を見るとアポクリンがん、グレード:
2、Ki67:10-20%、などからローリスクになると思っていたが意外だった。
アポクリンがんだから細胞増殖が遅いと思っていたが早いのかもしれない。
これをふまえると抗がん剤治療をお勧めする」という説明がありました。
トリプルネガティブ乳がんに対するマンマプリントの正確性については
「トリプルネガティブに可能な遺伝子検査はマンマプリントしかないということもあるが、マンマプリントを基準にトリプルネガティブ患者に対する多くの臨床試験が行われており正確性も担保されている」と説明されました。
田澤先生から「アポクリンがんであり、トリプルネガティブの中でも増殖能力が低く、抗がん剤も効きにくいものに該当しそうなので、抗がん剤を勧めない」というご意見を頂いていましたので、経過観察にしようと考えておりましたが、今回の結果を聞いて、また悩んでおります。
今回の結果についてどう考えればいいのでしょうか。
田澤先生のご意見を伺わせて下さい。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
私の回答に変更はありません。
(主治医が何を言おうと、マンマプリントがどうであろうと)私なら抗癌剤は勧めないという事です。
同じ様な質問は、控えていただくようにお願いします。