[管理番号:6841]
性別:女性
年齢:61歳
病名:右乳線腫瘤、浸潤性乳癌癌
症状:
先生へ、お忙しい中申し訳ありません。
私の母(61)の事です。
とても不安なのでご返信頂けますと嬉しいです。
母は12年前に一度片側乳房全摘をしております。
術後も良好、定期的に必ず検診、マンモも受けてまいりました。
半年前に嚢胞が見られましたが大丈夫だと言われ経過観察しておりました。
しかしやはり本人が気になり、他の病院を受診、触診、エコー、マンモを受けました。
結果、触診、エコーではシコリは見当たらずでしたが1年前にはなかった石灰化がマンモで見られ、念のため組織検査に出しました。
その結果が昨日出ました。
病理組織所見
CNB 15mm、15mm
検体適正
組織学的に2本の組織片では、線維性結合組織を背景にして腺管形成や
索状配列を示し増殖するcarcinomaを認めます。
p63およびCK5/6の免疫
組織化学的検索により、
浸潤癌の所見が確認され、浸潤性乳管癌に合致し、硬癌を考える組織像。
核グレード分類:nuclear grade 1
核異型スコア2
核分裂像スコア1
と記載されています。
また、HER2 判定結果1+
PR判定結果50%
ER判定結果90%という報告書を頂きました。
これらの説明を教えて頂きたく思います。
検査を受けました病院の医師からはほとんど説明もなく紹介状書くからあとはそっちで…的な感じでありましたので不安です。
母が沈んでおりますので、支えながら助けてあげたいのです。
悪性度が強く、予後や転移など不安です。
素人ながら調べたりすると、硬癌はよくない?などと書かれてあったりと日に日に不安になっています。
ご返信よろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
○いまだに「硬癌がよくない」などと書いている人がいる??
とても信じられない。 これについては「お知らせ」の中の『もしも『まだ』硬癌が心配な人がいたら、まず『スキルス乳がんについて』をご一読ください。』を参照してください。(馬鹿馬鹿しいから、それ以上「硬癌」について悩むのは止めましょう)
この機会に、その「スキルス乳癌について」を読み返しましたが…
とんでもない誤解を(しかも)「医師から受けている」ことには呆れるを通り越して…
★結論からいいます。
全く無駄な心配をしている。
冷静になりましょう。
「触診、エコーではシコリは見当たらずでしたが1年前にはなかった石灰化がマンモで見られ」
→この意味を冷静に考えてみましょう。
エコーで写らないのですよ????
これで進行していると本気で思うのですか?????
冷静になれば「超早期だから」マンモでの石灰化だけで「偶然」見つかったのです。
「p63およびCK5/6の免疫組織化学的検索により、浸潤癌の所見が確認」
→この意味が解りますか?
これは、「浸潤癌かどうかさえも、免疫染色しなくては確認できない程度」ということです。
つまり、パッと見(通常のHE染色)では「非浸潤癌かな?」と思わせる程度の超早期がんだということです。
「核グレード分類:nuclear grade 1 核異型スコア2 核分裂像スコア1 」
→これは、まさに(冒頭の)「スキルス乳がんについて」にでてきた「典型的なおとなしい硬癌」だということです。
(参考に)
『核グレード』は①核異型の点数+②核分裂の点数の「2項目の和」です。
①核異型 弱い:1点
中間:2点
強い:3点
②核分裂 5個未満(10視野で):1点
5~10個 〃 :2点
11個以上 〃 :3点
○『核グレード(NG) 核異型の点数+核分裂の点数』
2点、3点 :核グレード(NG)1
4点 : 〃 2
5点、6点 : 〃 3
「悪性度が強く、予後や転移など不安」「素人ながら調べたりすると、硬癌はよくない?などと書かれてあったりと日に日に不安」
→全くナンセンス。
超早期がんなのに、そんな心配をしているなんて…(ここまで無駄な心配をしていることには戦慄さえ覚えます)
実際は「石灰化だけで見つかる程度の超早期がんで再発などしません(10年生存率100%)
今回の回答を読んで、正しい理解をしていただければ甚大に存じます。
質問者様から 【質問2 乳癌診察、検査希望です】
性別:女性
年齢:61歳
病名:浸潤性乳癌、右乳腺腫瘤
症状:
田澤先生、先日はご丁寧にご返信をして頂きましてありがとうございました。
先生からのお言葉に救われ、母も少し冷静になっております。
昨日(中旬)日、紹介状を書いて頂きました病院を受診致しました。
画像をもう一度比較するとの事で、またマンモをしました。
その後、採血、採尿、心電図、肺機能、腹部、胸部レントゲン、CTを検査。
MRIとPET検査は後日となりました。
昨日は母に付き添いました所何故か一緒に診察室に入ることは出来ないと話され、母だけ説明を聞きました。
母だけでは思うように聞きたい事も聞けず…診察始まってすぐに手術のお話だけして頂いた様です。
詳しくは何も分かりませんが、医師からは2カ月後の手術、5ミリだから
部分的切除を考えるとだけ話され、後は後日の検査結果次第との事。
もちろん検査結果次第だということはその通りだと理解しております。
母は13年前に乳癌片側全摘をした際、術後の経過は良かったものの後
から精神的なショックで鬱病になってしまいました。
そして数年前には心臓の手術を都内でして頂きました。
そちらの先生も田澤先生の様にメールでご相談を丁寧にしてくださり、
一度予約を入れて受診させて頂いたのち、病気について手術や治療について説明をしてくださいました。
そのような経験から、是非一度田澤先生に診察、必要であれば検査をして頂きご説明をして頂きたいのです。
来月11月(上旬)日に心臓の手術を受けました病院を定期検診にて受診することになっており、もし可能であれば8日、9日で田澤先生の受診予約をお願い出来ませんでしょうか?
母は膝関節痛で治療もしており、病院にいる母の介護も交代でありまして…無理を承知でお願いしております。
申し訳ありません…
またお日にちが難しい場合には早めの受診を希望したいです。
希望は2日、3日続けて診察から検査結果までお時間をお願い出来たら嬉しいです。
今月中にMRI検査がありますが、
こちらの病院にて結果のデータを出して頂けない場合には、改めて田澤先生に診察、検査をして頂けますでしょうか?
CTやMRI、マンモなど日が絶たないうちに改めて検査をするのは問題ないのでしょうか?
今はまず乳癌の症状、手術、治療などきちんと把握をしたいです。
よろしくおねがい致します。
本当に申し訳ありません。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
ちょっと、待った!!
あんな早期乳癌(6841を読み返しました)でCTとかPETを予定している????
全く馬鹿げている!!
絶対に拒否しましょう。(ルーティンだから予定しているのでしょうが、無駄な検査なのは明らか!!)
部分切除(温存手術)のためにMRIは撮影すべきですが(全身麻酔のために「採血、採尿、心電図、肺機能検査、胸部レントゲン」も必要です)、CTやPETはあまりにも無駄すぎる。
「もし可能であれば8日、9日で田澤先生の受診予約をお願い出来ませんでしょうか?」
⇒月曜日と金曜日は手術日なので外来していません。
なので火曜日水曜日か、水曜日木曜日のどちらかしか選択肢はないのです。
ご希望ならばトップページの「手術申し込みフォーム」から申し込んでください。
質問者様から 【質問3 乳癌、病理検査の結果】
性別:女性
年齢:61歳
病名:右乳腺腫瘤、浸潤性乳がん
症状:
田澤先生、昨日はお忙しい中早急のご返信ありがとうございました。
先生からのお言葉、本当に感謝しております。
すぐに返信をしてしまい申し訳ありません。
お許しください。
母に先生からの返信を話しました。
昨日ご紹介を受けました病院へ行ったところ、
MRI検査は急ですが22日、PET検査は翌日の23日にしますと話されました…
田澤先生からの下記のお言葉を頂き、
『あんな早期乳癌(6841を読み返しました)でCTとかPETを予定している?
全く馬鹿げている!!絶対に拒否しましょう。
(ルーティンだから予定しているのでしょう
が、無駄な検査なのは明らか!!)』
こちらでのMRI検査、PET検査を一度キャンセルしようと思います。
こちらの病院にキャンセルの連絡を入れなくてはならないので早急にメールを書いております。
やはり田澤先生に一度診察して頂き、検査、結果までを無理を承知でお願い致したくご連絡致しました。
「もし可能であれば8日、9日で田澤先生の受診予約をお願い出来ませんでしょうか?」
⇒月曜日と金曜日は手術日なので外来していません。
ワガママを言ってしまい申し訳ありません。
火曜、水曜、木曜で東京へ行ける日があります。
また無理を承知でお願いしております。
10月24日、25日、30日、31日、
11月1日です。
2日続けての診察から検査結果までをお願い申し上げます。
父が時間が空いたら癌が酷くなるのではないか、大きさや転移など、前回のこともあり気にして心配しております。
もし上記の診察日が無理である場合、間が空く事は問題ないのでしょうか?
母も父も、私の主人も意見は同じであり、
周りもきちんと把握したい、母が精神的に少しでも安心できるよう後悔の無いようにしたいと思っております。
また鬱病になったりしないかと正直不安でもあります。
気丈に今はしていますが夜になると、私ばかり…と前回の様に嘆くようになっており少し心配しています。
診察、検査をして頂き、まず結果をきちんと知りたいのです。
昨夜、田澤先生からの返信にありましたように『手術申し込みメール』へ記入させて頂き、診察希望日も上記の希望で記入させて頂きました。
田澤先生に診察、検査、結果を是非お願い致します。
度重なる質問、急な診察のお願いと本当に申し訳ありません…
宜しくお願い申しあげます。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
了解しました。
心配なさらなくとも、遅くならないような案内ができます。(手術申し込みメールで案内します)
質問者様から 【質問4 手術に向けて質問がございます。】
性別:女性
年齢:61歳
病名:右乳線腫瘤、浸潤性乳癌硬癌
症状:
田澤先生へ
お世話になっております。
先日(東北)から伺い10月31、11月1.2日と母の診察、検査をして頂きました。
MRIの検査結果も先生から翌日にすぐに直接メールをして頂き、心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。
先生にお会いするまで母は気丈にはしておりましたが、やはり過去に乳癌や心臓手術をしているせいか不安にかられてしまい、また鬱にならないかと家族で心配しておりました。
先生にお会いして的確で迷いのない説明を伺うことができ、まずは本当に安心しております。
本当にありがとうございます。
いくつか手術をむかえるにあたり、お尋ねしたいことがありまして、こちらにまたメールさせて頂きました。
不安な為くだらない事を質問してしまいますがお許しください。
①母の友人、知人にも乳癌の方がおりその方々は放射線治療や抗がん剤で髪の毛が抜けカツラになりました…そのような方々をみたり話を聞く中で自分も髪の毛は抜けると思っております。
診察の際にも母から先生へ髪の毛が…と質問しましたが、術後の治療で髪の毛は大丈夫でしょうか?もちろん髪の毛より命が大切なのは本人も分かっているのですが、心配なようです…申し訳ありません…
②MRIの検査結果では転移の可能性はゼロに近いものでしょうか?
③術後、またいつか再発という可能性はやはりありますか?
④今現在、膝の治療で鍼に行っております。
手術の近くまで鍼治療は継続していても問題はありませんか?
⑤手術の翌日に退院ですが、(東北)で少し遠方なので術後の経過や痛みなどで、帰りが大丈夫か心配です…
質問ばかりで本当に申し訳ありません。
田澤先生に今回手術をお願いでき、ほっとしております。
よろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
質問内容は先日「秘書メールで回答」した内容とほぼ同じようですが…
このQandAで、他の閲覧者の方にも共有できるという心遣いでしょうか。
「①母の友人、知人にも乳癌の方がおりその方々は放射線治療や抗がん剤で髪の毛が抜けカツラになりました」
→勘違いです。
その方は「放射線治療や抗がん剤で髪の毛が抜けた」のではなく、「抗がん剤だけで」髪の毛が抜けたのです。
★物事はきちんと因果関係を理解しなくてはいけません。
放射線治療はあくまでも「局所治療」なのです。
つまり照射した部位にのみ「効果もあるし、副作用も出る」のです。
温存乳房に照射してるのに髪の毛が抜けるなど、全くありえないのです。 (脳腫瘍なんかで全脳照射すれば、当然頭髪は抜けます)
それに対して「抗がん剤」は全身療法です。
血液に溶けて、全身をめぐるのです。 効果も副作用も「全身」です。
その全身の中に「髪の毛」も入っているのです。(だから髪の毛にも副作用=脱毛があるのです)
「術後の治療で髪の毛は大丈夫でしょうか?」
→もうわかりましたね?
抗がん剤を使わない限り脱毛はしません。(質問者に抗がん剤を使用することはありません)
「②MRIの検査結果では転移の可能性はゼロに近いものでしょうか?」
→MRIは乳房内の腫瘍の拡がりを見ています。
全身を見ていないので「MRI結果と転移は無関係」です。
ただし十分すぎるほど早期なので「遠隔転移の心配はそもそも不要」だからCTなど撮らないのです。
「③術後、またいつか再発という可能性はやはりありますか?」
→癌である以上(いくら早期とはいえ)ゼロではありません。
だから通常「サブタイプに応じた」全身療法(薬物療法)を行うのです。
「④今現在、膝の治療で鍼に行っております。手術の近くまで鍼治療は継続していても問題はありませんか?」
→問題ありません。
「⑤手術の翌日に退院ですが、(東北)で少し遠方なので術後の経過や痛みなどで、帰りが大丈夫か心配」
→皆さん(そのことを)心配されるので、その質問には(私は)慣れていますが…
大丈夫だから2泊3日(翌日退院)としているのです。
♯今まで、台風で「どうしても」と言われたお一人を除いて「延期したケースは全く無い」のです。
★当院では、「(どうしても)それが心配=私を信用できない」のであれば治療をお断りしています。