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乳癌手術後の抗がん剤治療とホルモン治療について

[管理番号:4188]
性別:女性
年齢:56才
11/(下旬)に温存手術を終えて、病理検査の結果から術後治療を言い渡されました。
病理検査結果
 pT1N1MO pStage ⅡA
 浸潤癌
 浸潤径9mmX6mm
 核異度 2
 脈管侵襲 +
 断端陰性
 リンパ節転移有り(微小転移1個 1/2)
 ホルモン陽性
 HER2陰性
術後治療
 ホルモン療法 5年~10年
 +-化学療法(3か月)
 放射線(1カ月)
再発の割合
 無治療 2割
 ホルモン剤+で1.4割~1.2割
 抗がん剤治療+で1割弱
抗がん剤に関しては、切除した2本のリンパ節の内、1本に微小転移が有ったことと、
ホルモンがやや弱い陽性の為、ホルモン治療の効果が望めないので、
抗がん剤治療も加えたとの事でした。
抗がん剤治療については、主人が障害者の為、副作用で主人の介護が出来なくなると困るので、
出来たら受けたくないと医師に希望を伝えました。
医師からは「抗がん剤は絶対有効とは限らない、何もしなくても自然治癒する事もあるので、副作用と介護と再発のリスクと対比し、どうするか選択していただいて構いません。」と言うお返事でしたので、ホルモン治療と放射線にしました。
アリミディクス錠1mgを12/(中旬)より服用
放射線は1/4CT検査後1/(上旬)より開始です。
【質問】
① 医師の説明で、抗がん剤を進める理由の一つに
 「ホルモンがやや弱い陽性の為、ホルモン治療の効果が望めないので」とありました。
 術後の治療に「ホルモン治療」と示されていますが、病理検査からは、ホルモン治療の効果が望めないのでしょうか?
 
②主人の介護がありますので、抗がん剤治療を受けないを選択致しましたが、
 やはり医師に薦められた治療方法ですので、不安は残っています。
 抗がん剤を薦める理由は、微小転移+ホルモンがやや弱い陽性です。
 他の質問者様への先生のご回答の中で「微小転移は予後に影響を与えない。リンパ節転移無しと考えていいのです。」と、
 ご説明が有ります。
 私の病理検査から抗がん剤は必要なのでしょうか?
③ホルモンのER、RGRの数値・KI67の数値.サブタイトルを伝えられていません。
 私の病理検査結果からサブタイトルを判断して頂くことは、できますでしょうか?
 
御忙しい処恐縮ですが、ご回答よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1b(9mm), pN1mi,luminal
微小転移自体は(担当医は化学療法を勧める根拠の一つにしているようですが)全く
予後には影響しないことが解っています。
pT1bであれば、ホルモン療法単独で何ら問題はないと思います。
「病理検査から は、ホルモン治療の効果が望めないのでしょうか?」
⇒このメールの記載には「ホルモン陽性」としかないので、不明です。
 ただ、実際の病理レポートには「感受性の程度」についての記載が(通常は)あります。
 おそらく、その中で「感受性はあるが、高くは無い」と判断したのでしょう。
「私の病理検査から抗がん剤は必要なのでしょうか?」
⇒不要です。
「私の病理検査結果からサブタイトルを判断して頂くことは、できますでしょうか?」
⇒luminal typeですが、AかBかは「Ki67が無いと不明」です。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

前回、[乳癌手術後の抗がん剤治療とホルモン治療について]の回答あり
がとうございました。
今回は、「ホルモン治療の副作用について」の質問をさせてください。
ホルモン治療(アリミディクス錠1mg)を始めて4か月頃から、
職場で眠気・集中力の欠如から仕事能率の低下が現れました。
体が重く、疲労感・倦怠感が強まり、帰宅後夕飯の後片付で座り込む様になり、体を無理に動かす為イラつきが強く出てきました。
暫く様子を見てみましたが、益々強まり、朝体が動かず勤務先へ遅刻して出社する様になりました。
体が余りにも辛いのと、さらに酷くなり主人の介護に支障が出るのではないかと怖くなり、ここ2週間程お薬の服用をお休みしております。
今現在は上記副作用の症状は、治まっています。
次回診察時迄、お薬を再開し体の様子を見るか、このままお休みするかを迷っています。
(お薬を服用し2週間ぐらいから肩甲骨や肩の凝り、パキパキする違和感がありましたが、こちらは1か月程度様子を見ていると症状はなくなりました。)
今後のホルモン治療に関して、副作用を軽減する手立てがあれば、治療をを続けたいと思いますが、
軽減する手立てがないようでしたら、生活が成り立ちませんので、ホルモン治療を辞めたいと思っています。
【質問です】
1、ホルモン治療を辞めた場合の再発率とホルモン治療を続けた場合の再発率を教えていただけませんか。
2、アリミディクス錠1mg以外のお薬を服用すれば、副作用が改善される可能性はありますか。
3、副作用は一時的なもので、服用を続けていれば、軽減される可能性はありますか。
4、体の様子を見ながらお薬をお休みしながら、続けることは可能でしょうか。
お休みしても大丈夫な期間はございますか。
また、お薬の効果はどのようになりますでしょうか。
5、4月初めの勤務先の健康診断で、白血球が減少し白血球減少症の疑いとなっておりました。
数値2800/ul 昨年は3500/ul
これは1月に受けた放射線の影響でしょうか。
それともアリミディクス錠1mgの副作用と考えた方が宜しいでしょうか。
前回の質問時に不足しておりました数値を医師に確認を致しました。
ホルモン受容体 エストロゲン:5 プロゲステロン:6 (8段階中)
KI67 20%未満(具体的な数値を質問しましたが、20%未満か以上でした出していないとのお返事でした)
微小転移サイズ 0.22㎜
お忙しいところ恐縮ですが、回答よろしくお願いいたします。
***前回お伝えした病理検査結果***
 pT1N1MO pStage ⅡA
 浸潤癌
 浸潤径9mm×6mm
 核異度 2
 脈管侵襲 +
 断端陰性
 リンパ節転移有り(微小転移1個 1/2)
 ホルモン陽性
 HER2陰性
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
術後補助療法は「あくまでも再発予防」であり、「QOLを損なわない」ことが大原則です。
副作用が「著しくQOLを損ねている」と判断した場合には、「休薬」して(改善したところで)「別の薬剤での再開」を検討することになります。
「1、ホルモン治療を辞めた場合の再発率とホルモン治療を続けた場合の再発率再発率を教えていただけませんか。」
⇒ 止めた場合16%
  続けた場合8%
「2、アリミディクス錠1mg以外のお薬を服用すれば、副作用が改善される可能性はありますか。」
⇒あります。
「3、副作用は一時的なもので、服用を続けていれば、軽減される可能性はありますかはありますか。」
⇒いったんは休薬すべきです。
「4、体の様子を見ながらお薬をお休みしながら、続けることは可能でしょうか。」
⇒休薬しましょう。
「お休みしても大丈夫な期間はございますか。また、お薬の効果はどのようになりますでしょうか。」
⇒不明です。
「5、4月初めの勤務先の健康診断で、白血球が減少し白血球減少症の疑いとなっておりましたいとなっておりました。」
⇒放射線の影響ですが、「気にする数値」ではありません。
★いったん「休薬」して、完全に回復したら「別の薬剤」へ変更して様子を見るようにしましょう。